サッカー大会の決勝戦。Vゴール方式を適用した延長戦の後半残り2分でした。
ゴール左から右へ切り込んだ私にスルーパス。GKと一対一気味だったけど、左後ろから来るディフェンスを感じたので、彼を少し待って右足でシュートフェイントをかけてみた。スライディングしたディフェンスは視界の右に見えなくなり、GKだけになった。ゴールほんの2メートル先。左足のアウトにかけて左隅を狙う手もあったけど、
決まれば優勝だから
思い切りニアに蹴ってみた。
まさか。至近距離のシュートはGKの左手に弾かれた。
2週間後
シニアの試合。0-1で負けていた後半、相手の高いオフサイドラインを並行に走って突破した私にゴール右20メートルで絶好のパスが入った。
ゴールまで少し距離のあるGKとの一対一。ドリブルでペナルティエリアに浸入した辺りで、また左後ろに気配を感じた。ディフェンスに追いつかれた。少し待って右足でキックフェイント。あのときと同じ。またDFは右前方へ見えなくなった。さてGKと一対一。思い切りニアに打つと見せて最後の最後でアウトにかけた。
色んなことが、複雑に重なって物事は起こるのだけれど、嘘みたいに同じような、デジャブーのような瞬間もある。
中村文則の掏摸は、そんなことを考える小説でした。
すいません。脈絡がなくて。
でも、ここ10年で一番面白かった。