青山円形劇場で上演していた「クロードと一緒に」が千秋楽を迎えました。
契約の都合上この舞台はDVDに出来ないんだそうで、全ては観た人々の記憶の中にしか残せないお芝居。
この舞台はダブルキャストです。
昨日の相馬圭祐さん&伊藤陽佑さんコンビに変わって、今日は稲葉友さん&伊達暁さんコンビの最終舞台を観ました。
相馬さんは「ただならぬ雰囲気」でそこに立っている青年でしたが、稲葉さんは静かで落ちついていました。
登場してすぐ、なで肩で少し左脚の膝を内に向け、腰の右の方を落とした稲葉さんの立ち姿を観ました。
一瞬。
綺麗な顔の男の子の危うい魔性がそこにありました。
劇中に「プロの男娼」と言う言葉が出て来ます。
紛れもなく、彼の放つオーラはそうでした。
いや、アタシはプロの男娼と言われる人に会った事はないけど、なんか「こんな感じなのかもしれない。」と思ったんです。
普通の男の子にはとうてい感じる事の無いオーラだった。
きっと「なで肩」に見えるような姿勢をとっていたんだと思います。
あからさまな女言葉で話すわけでもなく、それ以降も女性っぽいしぐさは一切出て来ないし、キャラクターとしてもこの役に女性的なアプローチは皆無です。
しかし、その一瞬の立ち姿にとてつもない説得力がありました。
凄いな、と思わず声に出してしまいそうになりました。
稲葉さんは大人しく落ち着いた印象だったので、後半の爆発力がハンパなかった。
感情のメーターが振り切れると声がうわずったり、「音割れ」を起こしている様な、それまでとは別人みたいな声になって凄まじかった。
そしてまた泣けてしまった。
昨日同様、客席にはハンカチで目の辺りを押さえながら観ている人が多かった。
女の子のすすり上げる声があちこちで聞こえた。
カーテンコールではずっと稲葉さんが泣いていた。
アタシも泣き顔で拍手していた。
いつもなら
お芝居は終わったのだから、演技ではない涙を観客に見せるべきじゃないんじゃないかとかなんとか言いそうなアタシだけど、
そんなことどうでも良かった。
カーテンコールは3回。
出てくる度、今にも大声で泣いてしまいそうになる稲葉さんの姿にこちらも涙をこらえられなかった。
これでいいんだ、これでいいんだと繰り返し思いました。
帰宅してパンフレットをゆっくり読ませて頂いたら、20年前のイギリス公演に於いても、同じ現象が起きていたと知り驚きました。
お芝居が終わって泣いていなかったのは刑事役の役者さんぐらいで、主役の役者さんは号泣に近い状態であった、と。
観客もまた。
やっぱりこれがこの舞台の正体なんだと強く思います。
相馬さんと稲葉さんが演じた青年は「イーブ」と言う名前です。
演ずるお二人によって、各々の物語はまるで違う印象でした。
”二人のイーブ”についてはまた、ゆっくり書こうと思います。
御出演された皆様、関係者の皆様、無事千秋楽を終えられた事、おめでとうございます。
強く心に残る舞台でした。
「そこにしか救いがなかったのか」
「どうにかして救えなかったのか」
「これはSOSだったのか」
「そもそも救えるのか」
「救うなんて考える事自体、かど違いなのか」
色んな事を考えました。
観終わって感じたのは嫌悪感ではありませんでした。
泣いてしまう程の愛しさと切なさがこのお芝居にはありました。
お疲れ様でした。
そして、ありがとうございました。
契約の都合上この舞台はDVDに出来ないんだそうで、全ては観た人々の記憶の中にしか残せないお芝居。
この舞台はダブルキャストです。
昨日の相馬圭祐さん&伊藤陽佑さんコンビに変わって、今日は稲葉友さん&伊達暁さんコンビの最終舞台を観ました。
相馬さんは「ただならぬ雰囲気」でそこに立っている青年でしたが、稲葉さんは静かで落ちついていました。
登場してすぐ、なで肩で少し左脚の膝を内に向け、腰の右の方を落とした稲葉さんの立ち姿を観ました。
一瞬。
綺麗な顔の男の子の危うい魔性がそこにありました。
劇中に「プロの男娼」と言う言葉が出て来ます。
紛れもなく、彼の放つオーラはそうでした。
いや、アタシはプロの男娼と言われる人に会った事はないけど、なんか「こんな感じなのかもしれない。」と思ったんです。
普通の男の子にはとうてい感じる事の無いオーラだった。
きっと「なで肩」に見えるような姿勢をとっていたんだと思います。
あからさまな女言葉で話すわけでもなく、それ以降も女性っぽいしぐさは一切出て来ないし、キャラクターとしてもこの役に女性的なアプローチは皆無です。
しかし、その一瞬の立ち姿にとてつもない説得力がありました。
凄いな、と思わず声に出してしまいそうになりました。
稲葉さんは大人しく落ち着いた印象だったので、後半の爆発力がハンパなかった。
感情のメーターが振り切れると声がうわずったり、「音割れ」を起こしている様な、それまでとは別人みたいな声になって凄まじかった。
そしてまた泣けてしまった。
昨日同様、客席にはハンカチで目の辺りを押さえながら観ている人が多かった。
女の子のすすり上げる声があちこちで聞こえた。
カーテンコールではずっと稲葉さんが泣いていた。
アタシも泣き顔で拍手していた。
いつもなら
お芝居は終わったのだから、演技ではない涙を観客に見せるべきじゃないんじゃないかとかなんとか言いそうなアタシだけど、
そんなことどうでも良かった。
カーテンコールは3回。
出てくる度、今にも大声で泣いてしまいそうになる稲葉さんの姿にこちらも涙をこらえられなかった。
これでいいんだ、これでいいんだと繰り返し思いました。
帰宅してパンフレットをゆっくり読ませて頂いたら、20年前のイギリス公演に於いても、同じ現象が起きていたと知り驚きました。
お芝居が終わって泣いていなかったのは刑事役の役者さんぐらいで、主役の役者さんは号泣に近い状態であった、と。
観客もまた。
やっぱりこれがこの舞台の正体なんだと強く思います。
相馬さんと稲葉さんが演じた青年は「イーブ」と言う名前です。
演ずるお二人によって、各々の物語はまるで違う印象でした。
”二人のイーブ”についてはまた、ゆっくり書こうと思います。
御出演された皆様、関係者の皆様、無事千秋楽を終えられた事、おめでとうございます。
強く心に残る舞台でした。
「そこにしか救いがなかったのか」
「どうにかして救えなかったのか」
「これはSOSだったのか」
「そもそも救えるのか」
「救うなんて考える事自体、かど違いなのか」
色んな事を考えました。
観終わって感じたのは嫌悪感ではありませんでした。
泣いてしまう程の愛しさと切なさがこのお芝居にはありました。
お疲れ様でした。
そして、ありがとうございました。