Chef's Note

『シェフの落書きノート』

社交辞令

2007-12-14 | 自由 気ままな独り言
後輩からの電話…
彼は、田舎に帰ってお店をだした。

「『また来ます』…と言って帰るお客様って、来ないことが多くありませんか?『また来ます』…と言ったら、リピートしない…。僕はそう判断するようになったのですが…。どうですか?」
彼は、話の合間にそう言った。

「そういうの…あんまり気にしないほうがいいよ~」
…と言っておいたが…。

…ん~ …そういえばそうかな…。
僕は、あまり気にしてないからな…。

彼が言うには…
「リピートするお客様は、何も言わずにお帰りになるか、『ごちそうさま~』とか言ってお帰りになります」

そう言われてみれば、そうかもしれない。
でもなぁ~ …。

日本人の習慣は、社交辞令ってのがあるから…
そんなの気にしたら、きりがないよ~。

来る人は来るし…
来ない人は来ない…。

悔いのないように一所懸命にお迎えするしかないのでは?
…と思うが…ちがうかぁ?

いくらこちらが、その時の状況で精一杯にやったとしても…
受け取る側は、そうは受け取っていないのかもしれない。

よく出来たときも、うまくいかない時もある。
それを経験として、教訓として学ぶしかないのでは?
…と思うが…違うだろうか…。


話は、横にそれるが…

L.Aに少し住んでいた若い頃。
「今度、食事に行きましょう!」
…と言ったら…。

「あなたは、私に『食事に行こう!』と言ったけど…。いつ行くの?」
…と数日たってから、聞かれたことがあった。

日本人以外の人に「今度○○しよう!」
なんて社交辞令は、通じない…と痛感した。
そう言ったなら、ちゃんと約束をして実行するのが世界の常識なんだと思った。

僕は、その後…
日本人だけに通じる社交辞令と外国の人とする約束を使い分けることにした。

そうなんだよ…
日本の習慣は、別に約束をしたつもりで言っていないのに、ノリでそう言ってしまうことがあるんだよ。

外国人からすると、日本人のそんな習慣が全く理解できないらしい…。

「また来ます」…とか…
「今度、行きますね」…とか…。
いろいろありますよね?

まぁ~便利な言葉といえば便利な言葉。

そう言って来る人は来るし、来ない人はこない。
それを気にしたら、おかしくなっちゃうョ。

僕は、その辺の言葉のやりとりは、全く気にしていない。
普通は、そうなんだけど…。
お店がうまくいかない時は、そんな小さなことを深く考えてしまうのも無理はないのかな…。


お客様にも事情がある。

…結婚して子供ができた。
…突然、転勤になって来れなくなった。
…仕事が忙しくて、来たくても来れない。
…つき合っていた彼と別れて、思い出のある店には行きたくない。
…イタリアンを食べる気分になれない。
…新しい恋人が、和食が好きだ。

大抵の場合。
そんな事情ができたことを連絡してくる人はいないだろう。

そして…
そして、もしかしたら…
「おまえの店が嫌いになった!」
…実は、そうなのかもしれない…笑。
それを口にだして言わないのも日本人の良いところかも…ネ。

また、いらした時に笑顔でお迎えすれば良いのではないだろうか。

ご常連様がどこのお店に行っても良いではないか…。
「また来ます」=もう来ない?

それこそ…「そんなの関係ない!」
…でしょ?

僕たちが考えなければならないことは、もっと他にあると思うヨ。
…だから
もう少し、楽しくなることを考えて…
そんなのは、気にしないでサ・・・

がんばろうぜ!







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