Chef's Note

『シェフの落書きノート』

elBulli スペインが熱い…

2006-01-16 | 美味しいお話
エル・ブジ elBulliの衝撃の登場以来、スペイン料理界は熱く燃えている。

フェラン・アドリア(Ferran Adrià)率いるエル・ブジがミシュランの三ツ星を獲得したのは1998年。

忽然と鮮烈に…ほとんど無名だったフェラン・アドリアとエル・ブジが世界の料理シーンに登場した。
以来、スペイン料理界は、それまでの保守的とも思われたベールを脱ぎ捨てて創造の世界に身をおいている。

…というよりスペイン料理を作ろうとしている訳ではないともいえる。
エル・ブジは、スペイン料理やフランス料理といったカテゴリーなんて全く考えていない…。
エル・ブジの料理は、即ち『エル・ブジ』なのだと思う。
そして、才能ある料理人は、やはり自分の独自の世界を表現しようしている。

無数の才能が開花し、今までの伝統料理なども新たなスタイルや提案がなされ、スペイン料理のテクニックや考え方に固執せず、世界中の料理のエッセンスやテクニックを取り入れて進化し続けている。

テレビや雑誌などでエル・ブジやフェラン・アドリアは、数多く紹介されているのでご存知の方も多いと思うが…

エル・ブジとはレストランの名前で1年のうち半年しか営業をしていない。
後の半年間は料理の研究などに没頭する。

そしてそのコース料理の値段は、日本円に換算して約¥18000.…
決して大きなレストランスペースではなく約50席。
キッチンで働くスタッフの人数は50人強…。

世界で最も予約するのが難しいレストラン。
この¥18000.という値段…高いという人がいるかもしれないが…
この値段は、超破格値だと思う。

半年もの期間をかけて創造した料理…
世界最高の選りすぐりの素材を使った料理。

サービスももちろん最高に違いない。

フェラン・アドリアは断言する。
エル・ブジで採算をとろうとは思ってはいない。
エル・ブジは、ショールームだと考えている…と。

エル・ブジ・ホテルや世界のホテル等へケータリング・サービス等を発信すれば十分に採算はあう…と。

レストラン経営の根本的な考え方自体が全く違う。
大きなプロジェクトを見据えた上での経営論がそこにある。
だから出来る事ともいえるが…。

その発想を生み実行すること事態が革命ともいえる。

エル・ブリやスペインの熱き料理人の料理を細々とここで紹介すると大変な事な事になるので…
今日は、ここに書きませんが…。

これまでの料理の系譜とは全く異なるものを作り上げた男。

フェラン・アドリアは言う…
「研究よりもまず学ぶこと。その前に楽しむこと。」

そしてスペインの『料理革命』は、エル・ブジに火をつけられたが、もはやエル・ブジだけでは語れないようだ…。

パブロ・ピカソ(Pablo Picasso)やサルバドール・ダリ(Salvador Dalí)を生んだ国…
スペイン…目が離せないシーンを作り出している。






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