Chef's Note

『シェフの落書きノート』

白湯 (さゆ)

2007-05-06 | 自由 気ままな独り言
時折痛む持病の胃痛の痛み止めの薬を飲むのに…

「白湯をいれてくれるかな…」とスタッフに頼むことがある。

約9割以上のスタッフは、首をひねった。
「???」

「薬を飲みたいから、ぬるま湯がほしいんだ、入れてくれるかな」
こう伝えると理解する。

今や『白湯』という言葉を理解している若者は、非常に少ないことに気づく。

「ドリンクカウンターのポットのお湯を水でわって、持ってきてくれるかな…。薬が飲みたいから、ぬるま湯がほしいんだ」
ここまで言って、ようやく理解する人もいる。
これを言ってもわからないと…
もっと胃が痛みそうなので…
僕自身が自分でとりに行く。

さて、持ってきた『白湯』の温度は、これもマチマチだ。
熱湯に近かったり…
ほとんど水だったり…
はたまた氷を入れてくるなんて場合まである。

歴史ある日本文化は、すでに終わった。

時々、「白湯を持ってきて…」とか「賄いを食べる支度をして…」とか言いつける。
こんなことは、自然なことで当たり前のことなのだが…。

おかずを見て、例えば醤油が必要だとか
醤油を入れる小皿が必要だとか
箸、吸い物の椀などまで、気がついて、すべて用意できる人は、ほとんどいない。

大抵の場合、僕が持っていくか、「これは?あれは?」
…と、ひとつひとつ指摘することが多い。

何度か一緒に食事を共にして、少しづつできてくる。
自分たちが食べる食事でこの有様なのだから、お客様へのサービスの気遣いなんて、ほとんど出来ないと判断して間違いないだろう。

気がつかないから、考えもしないと思う。
気がつけば、それについて考えることもあるだろうし、疑問もわいてくる。

それは、他店、チェーン店でのサービスの経験があっても同様だ。
マニュアルで徹底的に鍛えられたはずだが…
そのサービスの本来の実力は、限りなく無力に近い。

アウラではマニュアルは、いらない。…そう判断した理由はそこにある。

『気がつく力』と『考える力』をつけなければ話にならない。
…そう思っているから…。

ただ、伸びる人は、auraを辞めないことが多い。
理由あって、一時的から長期的に休むことはあるが、辞めようとはしない。

辞める人は、すぐ辞める。
それは、それで仕方ないと僕は思う。

僕のやり方やお店に…あう人とあわない人もいるだろう。
それは、スタッフだけではなく、お客様もそうかもしれないと思う。
万人に好かれる店や料理を作りたいとは思わない。
万人ではなく、どちらかと言うとマニア志向のお店を目指したいと思う。


少しづつでよい…
人を気遣い、思いやることができる本物のサービスを身につけて…
多くのお客様の笑顔にふれてほしいと心から願う。







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