> 前々回の記事で、アベノミクスの副作用の一つとして、長期金利の急騰に対
> する警戒感について述べましたが、日銀の素早い対応によって一旦は落ち着
> きを見せ始めていた国債市場も、先週は再び長期金利が一時1パーセントに
> 達する水準まで上昇を始めましたね…。
▼東京債券市場 日本国債を売る動き、長期金利は1%まで上昇(13/05/23)
http://www.youtube.com/watch?v=0JzyQasJfYw
ええ、黒田日銀総裁も発言しているとおり、そもそも実体経済が回復を始める
と、物価の上昇とともに金利水準も上昇するのが普通ですから、インフレ目標
2%を掲げているアベノミクスでは、最終的に3%程度まで長期金利が上昇す
る事を想定しておくべきなのです。
> 長期的に見た場合、長期金利の水準は名目GDP成長率と同じレベルで推移
> するのでしたよね…。
勿論、急騰したり、乱高下を繰り返すのではなく、安定的に推移する事が望ま
しい訳ですが、このところ金融機関が積極的に国債を売って株式市場に資金を
移動する動きが加速していましたから、これが長期金利の急騰に繋がっていた
訳です。
> 別に異常な現象と考える必要は無い訳だ…。
> でも、先週の日本株市場では、値幅千円以上の暴落や乱高下を繰り返すなど、
> これまでとは、かなり異なる動きが顕著に表れていましたよね…?
▼東証株価下落 甘利経済再生相、利益確定売り重なったと見解(13/05/23)
http://www.youtube.com/watch?v=SyQR56Nkqcg
▼24日東京株式市場終値 128円47銭高の1万4,612円45銭
http://www.fnn-news.com/news/headlines/articles/CONN00246652.html
> 日本市場が調整局面に入った事は良く分かるのですが、外為市場も含めて、
> このところの金融市場は、かなり荒れ模様ですよね…?
為替の動きについては、米国でのドル高の動きに注意が必要です。
NY株式市場が連日の様に史上最高値を更新していた事から分かる様に、景気
に過熱感が顕れていますから、FRBのバーナンキ議長は金融緩和の出口戦略
を探っているみたいですね…。
> 米国では、ついに金融引き締めの方向に政策転換を始めた訳ですか!
> でも、ドル高なら相対的に円安が進行するはずです。
> 先週の円高の動きは、これでは説明がつきませんよね…?
欧州危機の際にも顕著だったとおり、「日本円は安全資産」としての評価が定着
していますからねぇ…。
▼円が急伸、中国景況感悪化などで安全通貨買い=NY市場
http://jp.reuters.com/article/businessNews/idJPTYE94M08B20130523?rpc=188
> なるほど…中国経済の影響も大きい訳ですね…。
> でも、これからどうなるのでしょう…日本市場の動きは?
まずは、黒田日銀総裁の講演内容をフォローしておきましょう。
▼「長期国債市場の安定望ましい」と黒田日銀総裁が講演
http://sankei.jp.msn.com/economy/news/130524/fnc13052412480013-n1.htm
▼黒田総裁「金融不安定化の懸念大きくない」
http://www.youtube.com/watch?v=-VGdMUmRL0Q
▼資産価格「過度な期待示す動きない」黒田日銀総裁が講演
http://sankei.jp.msn.com/economy/news/130526/fnc13052622220003-n1.htm
> 相変わらず、楽観的な見方ですね…黒田総裁は…。
> 「異次元金融緩和」の途上なのだから、株や長期金利が急騰する事は「当た
> り前だ」と云う訳ですか!
> 実体経済の回復さえ伴えば、全てOKなのですね…。
> Broは現状をどの様に感じていますか…今後を含めてですが?
日銀の基本的なスタンスについてはOKなのですが、株式市場が過熱し過ぎて
いますよね…これでは、実体経済にも悪影響が及ぶと想う…。
> 黒田総裁の発言と正反対ですね?
> 黒田総裁は、絶好調の資産市場が、資産効果を通じて実体経済にも好影響を
> 与えると指摘しています。
これまでの処は、その通りでしたね…。
1-3月期には、消費需要にかなりの改善が見られて、GDPを押し上げていま
したから。しかし、本格的な景気回復には設備投資の活性化が必要不可欠です。
> 設備投資については、未だマイナス水準で、伸び悩んでいましたね…確かに。
> しかし、資産効果の影響は、今後、設備投資にも顕れると期待できるのでは
> ないですか?
その目論見通りなら良いのです。
でも、株価の上昇が急激過ぎては、設備投資より財テクで資金を運用した方が
投資効率が良いですよね。
これでは、企業の設備投資意欲を損なうのではないか…それが心配です、私は。
> なるほど、財テクフィーバーが過熱し過ぎては、早晩バブル経済の罠に陥り
> ますね、日本経済は。
金融緩和の効果を浸透させるには、ある程度、時間的な要素も大切だと思う。
消費税率の引き上げを目前に控えて、インフレ目標の達成を急ぐ気持ちは理解
できるのですが、そもそも設備投資の活性化を実現できなければ、実質的な経
済成長は危ういと考えざるを得ません。
> 政府の成長戦略だけでは、民間投資は活性化しない訳ですか…それでは?
普通の経営者であれば、誰でも考える事ですよ…。
「確実に儲かる場所に、投資資金を集中する」
これが全てです、民間企業経営者の場合には!
> う~ん…難しいですね、「株価バブルも好ましくない」となると…。
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