理想国家日本の条件 さんより転載です。
幸福実現党
「言論チャンネル」では、政治や経済、社会保障、国際関係などの
時事問題の中から気になるテーマを取り上げながら、本音の議論を進めます。
2022年3月15日収録
◆ポーランドを威嚇したロシアのねらい
ロシア軍が3月13日、ポーランドの国境から20キロにあるウクライナのリビウ北西の「平和維持安保国際センター」と呼ばれている軍事基地を攻撃しました。
同基地は、米国やカナダの軍事顧問がウクライナ軍を訓練する軍事演習を行う場所で、ウクライナへの軍事支援の輸送ルートにもなっています。
空爆前日の3月12日、米国はウクライナに対する2億ドルの追加軍事援助を発表しており、ロシアは、ポーランドを軍事的に威嚇しつつ、米欧からの武器陸送を防ぐねらいがあったとみられます。
◆米欧とロシアの軍事衝突の可能性
今回の空爆により、米欧とロシアの軍事衝突の可能性は一気に高まりました。
なぜかというと、米軍は地対空ミサイル「パトリオット」をポーランドに配備しており、ロシア軍のミサイルがポーランド国境に近づくほど、パトリオットで迎撃する可能性が出てきます。
ウクライナ領空で迎撃すれば、ロシアが米欧の軍事介入と見て、直接対決、全面戦争に発展する可能性もあり、まさに一触即発の状況です。
ただ、今のところ、米欧は経済制裁や金融制裁は行うけれども、「核戦争」「世界大戦」にならないようロシアとの軍事的衝突を避ける判断をしています。
◆ゼレンスキー大統領のNATOに対する要求
ウクライナは、EUに対し早期加盟を求めていましたが、ポーランドやバルト3国などの東欧諸国は積極的でした。
しかし、ドイツやフランス、オランダなどの主要国は慎重で、ウクライナの早期加盟は難しい状況です。
これに対して、ゼレンスキー大統領は、「EUはもっと強くなれ」と発言、NATOに対して、ウクライナ上空に「飛行禁止空域」を設けるよう求めていました。
ウクライナ領空に「飛行禁止空域」を設ければ、NATOはロシア軍の戦闘機を撃墜しなくてはならず、ロシアとの全面戦争になってしまいます。
そのため、NATOは、「地上でも、領空でも、ウクライナに進出するつもりはない」と答えましたが、これに対して、ゼレンスキー大統領は、怒りを込めて次のように非難しました。
「飛行禁止空域の拒否は、ロシアがウクライナの都市に空爆を行ってもよいと、NATOが許可したことを意味する。今日以降、殺された人たちはNATOのせいで死ぬことになる。NATOが弱気なせいで、戦争が終わらない」
そして、3月14日には再度、「飛行禁止空域」を設けるようNATOに求めています。
◆バイデン大統領「米国はウクライナで戦わない」
また、ゼレンスキー大統領が「ウクライナのパイロットが操縦に慣れているミグ戦闘機がほしい」と米欧に要請したところ、ポーランドは「保有する全てのミグ戦闘機を渡す用意がある」と発表しました。
ポーランドは早速、自国が参戦したことにならぬようドイツのアメリカ空軍基地経由でウクライナに渡す計画を立てました。
しかし、米国はこれを拒否。アメリカ空軍基地から戦闘機が飛び立てば、NATOが参戦したように誤解を与えるからです。
3月11日、バイデン大統領は、民主党内に「ウクライナに対して戦闘機を提供すべき」との声があることを踏まえて、「甘く考えるな。攻撃的な装備を送れば、それは『第3次世界大戦』だ」と釘を刺しました。
そして、「米国はウクライナでの戦争は行わない」と改めて強調しました。
このように、米欧はロシアとの全面戦争を避けるために、極めて慎重に、明確な一線を設けており、「世界大戦」を防ぐための賢明な判断ではないかと思います。
一方、ウクライナのゼレンスキー大統領は、何とか米欧を参戦させてロシアと戦わせようとしていますが、大変危険なことです。
ゼレンスキー大統領はどのような大統領なのかという視点から、今回の問題を考えてみたいと思います。
◆ゼレンスキー大統領の限界
ゼレンスキー大統領は2015年、テレビドラマ「国民の奉仕者」に出演し、高校教師役を演じました。
この教師が政府の腐敗撲滅を叫ぶ様子を生徒が撮影して内緒でネットに投稿したところ、話題を呼び、最後はウクライナ大統領に就任するという内容です。
これで国民の人気を博し、2019年には、実際にウクライナ大統領に選ばれました。ゼレンスキー大統領がポピュリストと呼ばれる所以は、こうした経緯があるからです。
実際に、ポピュリズムの限界が如実に出てきているように感じます。
◆ゼレンスキー大統領に足りない見識
2014年のクリミア危機以降8年間で、ウクライナ東部では、すでに1万5000人が亡くなっています。
その中、ゼレンスキー大統領は2021年10月、トルコ製攻撃無人機(ドローン)で東部の親露派を攻撃しました。
その後も、プーチン大統領の度重なる警告にも関わらず、ゼレンスキー大統領は、欧米への急接近を図りました。
NATOの東方拡大は、ロシアの安全保障上、致命的なものです。ロシアは、国が亡びる可能性があり、絶対に認めるものではありません。
アメリカにはキューバ危機がありましたが、ウクライナは、ロシアにとってのキューバになるわけです。そうした政治的な見識をゼレンスキー大統領は持っていないと思われます。
◆NATO東方拡大に反対していた米国識者
NATOの東方拡大は、歴史的にも欧米外交筋は慎重に扱ってきた問題です。
ソ連封じ込めを立案した元外交官のジョージ・ケナン氏は、1998年5月ニューヨーク・タイムズで次のように警告しています。
「(NATOの拡大に関して)冷戦後の時代におけるアメリカの政策の最も致命的な誤りだ。NATOの拡大は、米露の関係を深く傷つけ、ロシアがパートナーになることはなく敵であり続けるだろう」
また、2008年にブカレストで行われたNATO首脳会議の場で、当時のブッシュ政権がジョージアとウクライナのNATO加盟を公式に進めました。
これについて、元国務長官キッシンジャー氏は「この2つの国をNATOに加盟させず、中立国として残すべきだ」という見解を示しました。
ロシアから見た場合、欧米諸国のNATO東方拡大を現状変更の行為と見る可能性が高かったからです。
◆ウクライナ問題を解決する道
大川隆法党総裁は3月11日、『ゼレンスキーの霊言』の収録後、日本外交の道筋を次のように提言しています。
「幸福実現党としては、ウクライナの中立化と、戦争への抵抗の砲火を止めて、ロシアと話し合って、親ロシアの大統領を立てて、ロシアとEUと中立の関係で存続できる道を模索すべきである」
緊急発刊『ゼレンスキー大統領の苦悩と中国の野望』
大川隆法著/幸福の科学出版
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ウクライナがこれ以上、欧米や日本を巻き込んで戦おうとすれば、ウクライナでの火種は「世界大戦」へと発展します。
米国を呼び込んで、ロシアと戦わせるという戦略は、ゼレンスキー大統領の分を過ぎた戦略です。ウクライナはこうした「越権行為」を改めるべきです。
ウクライナ政府は抵抗運動を止め、傀儡政権と言われるかもしれませんが、新しい親露派政権の下で、ロシアとEUとの間で中立の姿勢を取って存続できる道を探るべきです。
◆ロシアが日本に軍事的圧力を強める理由
日本は欧米に追随してロシアへの経済制裁を行ってきましたが、防弾チョッキまで提供しました。これは、ロシアから見れば、ウクライナへの軍事協力であり踏み込み過ぎではないでしょうか。
その後、ロシアは3月10日に、ロシア艦隊10隻で津軽海峡を横断、北方領土で軍事演習、さらに14日にはロシアの潜水艦など6隻が宗谷岬付近を航行するなど、日本への軍事的圧力を強めています。
ロシアの原潜基地は、カムチャッカ半島の先端にあるルイバチにあります。オホーツク海を要塞に見立て、核弾頭を搭載した原潜がオホーツク海を潜航していると言われています。
2020年に国後島や択捉島にミサイルを配備しており、北方領土での軍事演習を活発化しています。カムチャッカ半島から北方領土にかけて、ロシアは着々と軍備増強しているのです。
3月2日には、根室上空でロシアのヘリコプターの領空侵犯がありましたが、これは北海道を取り囲む形で、いつでも占領できるぞというメッセージではないかと思われます。
◆日本はロシアとの関係強化を
ロシアには、第二次大戦で北海道を取り損ねたと思っている人もいますが、一方で日露戦争の後、日本に尊敬の思いを抱き、あるいは親日的な人もかなり多くいます。
日本は、中国や北朝鮮に加えて、ロシアが新たな国防上の脅威になりつつあります。対中包囲網の形成を考えた時に日本はロシアと中国を分断する方向に努力を重ねるべきだと思います。
また、エネルギー安全保障の観点からも、日本はロシアとの友好関係を強化する方が国益に適うのは明らかです。
欧米に追随する対露封じ込めの方針を改め、停戦とウクライナの中立化に向けた独自の外交を展開していくべきです。
執筆者:釈 量子
幸福実現党党首
ウクライナ侵攻、終結の行方は?米欧日を巻き込むゼレンスキー大統領。日本はウクライナ中立化に向けた外交努力を。(釈量子)【言論チャンネル】
いつもわかりやすい解説ありがとうございます
ゼレンスキー大統領いい加減な人物におもわれます。
日本も本当に騙されないで欲しいです。
これからも宜しく応援しています。
北海道がもうロシアに侵攻されるのも時間の問題なのか、、
詳しい説明ありがとうございます
何時も、解りやすいく腑に落ちる解説、説明有り難うございます
全世界の、人々にこの現状を、分かってほしいです。
国の指導者はどっちか?
無神論者か?
信仰心ある者か?
歴史を読む
最も重要なキーワード。
何やってるんだろう ?!!!
軽い政治が国の存亡を決めるかもしれないのに。
釈さん、今日も健康的美貌で、惚れ惚れします。私の中ではお嫁さんにしたい1番です。
さて、素晴らしい配信をありがとうございます。ロシアを戦前の日本だと私は考えています。
良いパートナーがいれば世界有数の民主主義国家になります。プーチン大統領はそれを願って
いるはずです。ゴルバチョフ以来ロシアは変わっています。共産主義や全体主義国家では
ありません。ゼレンスキー大統領にプーチン大統領はサシで説得しているはずです。
もちろん欧米のネオコンの姿勢をです。世界の敵は私利私欲で戦争に導くネオコンです。
ゼレンスキー大統領の考えは変わるはずです。
毎回丁寧な真実のお話、ありがとうございます。どんどん発言発信をしてくださいね。
なんかこの戦争おかしいんだよなぁ。
ウクライナを数日で落とすことに失敗したので、それを北海道でやろうとしている?
一番の理想は、ロシアをNATOへ加盟させ中国へ対峙する策ですね。拝
釈さんのおっしゃる通り、ゼレンスキーは自分の分を越え、
ヨーロッパを戦場にしてでもと言っているようにしか見えないです。
なぜ、関係のない国にコメントしたり、責任を押し付けるのか?
ウクライナの指導者は、NATOの参戦を煽る煽る😩😩😩
じゃあ日本も民主主義と専制主義の中立国とならなければいけませんね。
親中派の政権を擁立させますか?あ、もうなってるか。