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2回目 ロンドンの庭園(5) チェルシー・フラワーショウ/屋内部門

2023年08月15日 | 日記
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ロンドンの庭園(5) チェルシー・フラワーショウ/屋内部門

会場はいろいろな国から訪れた、園芸家や花好きの人で、賑わっていました。















キク





カラー





アイリス



ルピナス







クレマチス


















キッチンガーデン
 




ギボシ











ヘゴ、シダ

















多肉植物













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庭師のブログ 松本城と石川数正(その2)

2023年08月09日 | 日記
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第47話 松本城と石川数正(その2)



前回、松本城を訪れてから、2年たちました。

折から、NHKの大河ドラマ「どうする家康」で、地元岡崎だけは盛り上がっているようですが、いくら話を面白くするといっても、大事な場面は、もう少し史実に基づいた展開にしてもらいたいと、私のみならず、多くの歴史好きの人は、苦々しい目で見ているのではないかと思います。

もうすぐ、石川数正の出奔事件が放映されるのだと思いますが、どう描かれているのか、注視したいと思います。


松本城は、全国で5つある国宝の城のうち、一番古い天守がある城だそうです。

問題は、その天守の土台になる石垣が、どう見ても新しく築られた石垣に見えて、とても400年も経っているとは思えませんでした。

しかし、天守は400年の間そのままで、石垣だけが復元されたということはありえないので、松本城の管理事務所に行き、その辺のところを聞こうと思いました。

専門の方から説明いただけるということで、事務所で待っていると、資料を片手に、学芸員と思われる方が現れました。

説明を聞くうちに私の知らなかったことが判明しました。

松本城は、その石垣も含めて、石川数正が築城したのではなく、息子の二代目城主石川康長の代で完成したとのことです。

確かに、秀吉の命で、要衝の地松本に城をつくって、東の徳川を牽制するためでしたが、松本に着いて間もなく、すぐ数正は大阪に呼び戻され、秀吉のお伽衆に加わったそうです。

お伽衆というのは、政治、戦略の見識や経験が豊かな人をそばに置いて、書物をあまり読まない秀吉が、話を聞くという、参謀グループみたいな存在でした。織田有楽斎もその一人です。

秀吉は、石川数正がそばにいることで、内心は徳川家康が攻めてこないことを知っており、城つくりは、急ぐこともなかったのですが、なにしろ数正は表向き調略されたことになっているので、それらしいポーズが必要です。そこで息子の康長に後の築城は任せ、数正は秀吉の側に戻り、徳川との争いを避ける相談相手になりました。

数正出奔の説はいろいろあり、秀吉得意の待遇や金品で調略したのが通説になっていますが、他の人間ならいざしらず、生粋の三河武士で、徳川家臣団で一番重要な人物が、そんなことで心を動かすわけはなく、先の読める数正は、徳川と豊臣がぶつからない唯一の方法は、自分が犠牲になって動くしかないと悟ったのでした。

以上は、私の素人説で、通説がほんとうなのかもしれません。でも、秀吉が亡くなった後に起こる、関ケ原の戦いのときは、ちゃんと石川康長は東軍についています。

以前読んだ記事によりますと、数正の縁者の言葉として、数正は、秀吉のことを悪く言うことは、時たまあるが、家康や、岡崎衆のことを悪く言ったことは、一度もなかったということです。

一方、松本城は息子の石川康長が手掛けた、鉄砲戦を想定した頑丈な城で、城の壁は厚さ30センチ、堀も鉄砲の玉が狙いやすい60メートルの幅にしてありました。

これで誰が見ても、東の敵に備えた城になりました。今回私が見てきた城は、天守も、石垣も、堀も当時のままということになります。【参照:第42話/松本城と石川数正













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2回目 ロンドンの庭園(4) チェルシー・フラワー・ショウ /ガーデン部門

2023年07月09日 | 日記
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チェルシー・フラワー・ショウ(2)ガーデン部門

大きく分けると、3つの部門があって、一番の人気は、ガーデン部門です。

与えられた敷地に、庭をデザインして、今は知りませんが、映画のストーリーでは、30日間かけて、庭を完成させます。

大きな庭から、バルコニーガーデンに至るまで、様々なアイデアの庭が、ゴールドメダルを目指して、繰り広げられています。

テレビでも、連日その様子が放映され、会場でもテレビカメラが入って、制作者にインタビューしていました。

私の訪れた日は、まだ金賞や銀賞の札はられていませんでしたが、巷では今年も、日本のガーディナーがゴールドメダルを取るか、取り沙汰されていました。




今年の石原さんの作品は、母屋から離れて建てられた、「HANARE」でくつろげる庭がデザインされていました。二重三重の人垣でなかなか見られませんでしたが、なんとか潜り込んで、写真に収めることができました。ちょうど当の石原さんもおられたので、ご本人の写真を撮らせていただこうとお願いしたら、一緒にカメラに納まっていただきました。それを見た他の見学者が、私も私もと次々とやってきて、氏の人気のほどが伺えました。









人工の素材を使った、前衛芸術のような作品も前回より増えていました。個人邸には向かないけれど、公共の場には、むしろこういう庭の方が、何かしら訴えるものがあって、いいかもしれません。私にはちょっと無理ですが。



















ウオールガーデン


















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2回目 ロンドンの庭園(3) チェルシー・フラワー・ショウ 会場

2023年07月08日 | 日記
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ロンドンの庭(3) チェルシー・フラワー・ショウ (その1)

5月24日朝、身支度を調え、いつになく張り切ってホテルを出ました。

バーキング駅からダイレクトラインに乗り40分、巨大なビクトリア駅の次の駅、スローン・スクエアー駅でおりました。小さな駅で、新宿駅の次の代々木駅みたいな感じでした。

このあたり一帯は、ロンドンでも高級街として知られており、そう聞けばなんとなく厳かな雰囲気が漂っていました。







多くの人が、会場に向かって歩いていました。

映画「フラワー・ショ-」でも登場するおなじみのテントに着くと、かろうじてとれたバウチャーをチェックしてもらい、ガイドブックを買って、ついでに寄付もして会場に入りました。



朝一番のつもりで出かけたのに、すでに会場は人で溢れていました。







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庭師のブログ カンタベリー大聖堂・・・の柱

2023年06月22日 | 日記
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第46話 カンタベリー大聖堂





日曜日、エリオットさんと、息子さん一家が、遠出して私をカンタベリー大聖堂へ連れて行ってくれました。とても古そうな名前で、実際12世紀ごろ、キリスト教の聖地として、建てられたようです。

2歳になる男の子のアーティー君は、最初のうちは離れて私をにらんでいましたが、観光客の行きかう街並みを、手押し車に乗せたり、抱っこして景色を見せたりしているうちに、だんだん慣れてきて、私の指をしっかりつかんで歩くようになりました。

大聖堂の中は広く、天井も高く、窓という窓には、ステンドグラスで、何か物語りのような絵が、描かれていました。

荘厳なパイプオルガンの響きと、ステンドグラスで描かれている絵の世界に浸りながら、順路に沿って私たちは、しずしずと歩き始めました。

しかし、美しいステンドグラスの絵も、パイプオルガンの音色にも興味のないアーティー君は、私の指を握ったまま、先へ先へと急ごうとします。



そこで、アーティー君の気をそらすために、天井まで届く太い石の柱を指さして

「アーティー君は、この柱にさわれるかな?」

と、言いました。

アーティー君は、柱に近寄って、サワワッと柱をさわりました。

「うわっ。アーティー君はえらいねえ。こんな大きな柱にさわれるんだねえ」

と、感心したふりをすると、アーティー君は、すぐ隣の柱まで走って行き、サワッとまた柱を撫でました。

「うわわわっ、そこにも柱があったの (さも感心したような口調で)アーティー君は、すごいねえ~、よくみつけたねえ~、まだ柱はあるかなあ~~?」

アーティー君は、私の指をつかんで、3本目の柱の方へ、私をひっぱっていきました。

2歳になったばかりなのに、思いのほか力が強く、空いた片手でステンドグラスの写真を撮っていた私は、思わずよろめいてしまいました。

終始無言のアーティー君は、つぎつぎとみつけた柱に私を引っ張っていき、片っ端から撫でていきました。ところどころに設置されている、大きなボンベの赤く塗られた消火器も、アーティー君には柱です。

おかげで、カンタベリー大聖堂は、たくさんの柱でできている、いうのが、私のカンタベリー大聖堂「見学感想記」です。

カンタベリー駅前で、車で帰る息子さん一家と、鉄道でロンドンに戻る私とエリオットさんは、そこでわかれました。

アーティー君は、笑顔で手を振ってくれるかなと思ったのですが、お父さんに手をつながれたアーティー君は、じっと私をにらんだままでした。

赤ちゃんを抱っこしていたお母さんが、ほらバイバイして、と促しているようでしたが、相変わらずにこりともせず、私を見ていました。

まあ、男の子って、どこの国でも、あんなもんですかね。

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