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苔の勉強

2015年07月28日 | 日記
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苔の勉強

20年以上もむかしのことです。

毎年夏になると飛騨の禅昌寺で、境内の庭木の剪定をしていました。尾張旭の庭師が数名お寺に泊まり込んで1か月ほど作業をします。

朝早くから観光バスがやってきて、大勢のお年寄がお寺見学のついでに。私たちの仕事ぶりを見ていきます。

そんなある日のことです。二人の男性がやってきて、しきりに写真を撮ったり、ノートをとっていました。聞けば、趣味で日本のお寺を回って、そこに生えている苔の調査をしているとのことです。その時は、もの好きな人もいるものだと思ったのですが、今にして思えば、あの時お近づきになっていろいろ教えを乞うておくべきだったなと思います。

私たちが造園で使う苔は、入手しやすく、見栄えも美しく、手入れの簡単なスギゴケで、それ以外の苔は、ただの苔でした。苔に関心を持ったのは、溶岩を扱うようになってからです。苔は日本だけでも1800種にも及ぶそうです。道端に生えているこれらの苔を、上手に庭に取り込めば、京都の西芳寺(苔寺)のような味わいのある小さな苔庭ができるのではないかと思ったのです。




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苔の知識まだまだ2%

苔についての標準的な知識は、次の二つです。

まず苔は根があるけれど、別に根から水を吸ったり、養分をとったりしているわけではなく、空中の湿気と、太陽の光をもらって成長している植物であること。

次に、花や実をつけて繁殖するのではなく、胞子を飛ばして、自分の環境にあったところで、勢力を伸ばしていく植物であること。

残りの98%の知識は、これからみなさんと一緒に勉強していきたいと思います。

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