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2回目のハワイ庭園 ハロルド・ライアン演習林

2017年04月18日 | 日記
ハワイの庭(12) ハロルド・ライアン演習林

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ハワイ大学の演習林が、マノア渓谷の近くにあります。

ガイドブックにも載っていない施設で、観光客にはあまり知られてないようです。私も、今回の旅行計画中にハワイの植物園で検索していた時、その存在を知りました。植物園とはいうものの、ハワイの自生植物を研究したり、保護したりしている、大学付属の研究施設です。



広い演習林のガイドツアーを希望するときは、電話の予約が必要とのことでしたので、前日申し込みました。













当日、大事をとって1時間早めにつきました。出発は10時からの予定です。

施設の事務所に着くと、その日ガイドしていただく方が部屋からでて来られました。背の高い、メガネをかけた、みるからに植物の研究者という感じの方でした。

私は熱帯植物に関心のある、日本から来た庭師であることを伝えました。
ガイドの方は、この施設でハワイの自生植物を研究しているコールさんで、植物学者だと自己紹介されました。

あいさつの後、当日の参加者はいないので、それでは出発しましょうということになりました。私一人のための野外講義は、こうしてはじまりました。

実をいうと、この日のために、熱帯植物の知識など事前にみっちり勉強してきました。この付け焼刃的勉強が、大いに役立ちました。

まず、「自生植物とは何か」 から始まりました。日本でも、なになにの自生地などとよく使われていますが、知っているようで、案外正確に言える人は少ないのではないかと思います。

自生植物とは、その土地、ハワイの場合は島ですが、人が住み着く前からその土地に生えていた植物を指します。

植物のタネは、鳥によって運ばれます。鳥の糞と一緒に落ちたタネが、その植物の環境に合えば、そこで芽を出し、根づきます。風で運ばれるタネもあります。ヤシの実のように、海を漂って流れ着いたものもあります。その3つのケースだけが、自生植物となります。

次に、ハワイ民族文化に欠かせない植物のコーナーがありました。ハワイには金属がなかったので、種類もそれほど多くないハワイの植物を最大限利用して、食べ物から 生活用具、建築まで賄ってきました。油の多いタネは、灯りをともローソク代わりに使われていたそうです。



いろいろな植物を手に取りながら、2時間かけて、ていねいに教えてもらいましたが、当然のことながら植物自体は地味で、ちょうど名古屋近郊の山で行われている植物観察会に参加しているような感じでした。

ハワイと言っても、島中がヤシの木と、ハイビスカスや、ブーゲンビリアで覆われているわけではなく、山に入ると日本でも普通にみるような木や草が繁っています。もちろん日本のそれとは種類が違いますが、その中から、いかにもトロピカルな雰囲気を持った植物が、栽培され、また多少品種改良もされて、観葉植物として、私たちの前に出回っているのだなと思いました。

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