にわとりのにわ a hen's little garden

歌うたい時々クラリネット吹きの日高由貴のblog。
ちいさなこころのにわの風景をすこしずつ書きとめていきたいです。

パウル・クレー展

2006年03月08日 | 日々のこと
先日、「パウル・クレー展」に行きました。

静かで、あたたかい感じのするクレーの絵。

色彩にも、線にも、こどものころ遊んだときのような、
わくわくする気持ちが宿っているような気がする。

もともとクレーを知るきっかけになったのは、
ヴァルター・ベンヤミンという人の書いた
「歴史哲学テーゼ」という文章を、何年か前に読んだことでした。

その文章の中で、ベンヤミンがクレーの「新しい天使」という絵について書いているのです。

タイトルこそいかめしいですが、
いわゆる「学術的な文章」というものに
激しいアレルギー反応を持っていたわたしにも、
すぅっと胸の奥に入ってくる文章でした。

「なにかわからないけれど、ここにはなにかある」
と思えました。

そして、クレーの絵を見たときにも同じような感覚を持ちました。

ひとによって違うのだとは思いますが、
少なくとも自分は、
文章にしろ、絵にしろ、
「わかる/わからない」ではなく、
なにか響いてくるものがあるかどうかで
好きかどうかを決めている気がします。

この感覚は、大切にしたいなと思っています。