ビッグコミックスピリッツに連載されている「美味しんぼ」の内容が問題視されているというニュースを見ました。
要するに、東日本大震災による福島第一原発の事故の影響を過大視しているのではないかということで抗議が出ているとのこと。とりわけ、人気大衆誌にかような漫画が掲載されることに対しての抗議が取り上げられているようです。
国際的には、チェルノブイリ級の事故であるとされた福島第一原発事故です。そのチェルノブイリの1/10程度の被害範囲としても多くの市町村がその中にすっぽりと収まります。
チェルノブイリの時もそうでした。
事故が深刻であればあるほど、事実は国民には伝えられません。
当時のソビエト連邦政府も、IAEAもなぜか事故の評価はたいしたことはないと言っていましたが、実際には、その後、放射能障害による病的な症例が激増しました。
このウソを見破り、地道に医療活動を続けた日本の医師たちでした。
事実隠ぺいしはソ連だから・・・ではなく、日本でも同じことが繰り返されました。「パニックを防ぐため」と称して。
・・・・・放射能の本当に影響が問われるのはこれからです。
そんな時に、「風評被害」だなんて、本当に目先の問題だと思います。自分が人間として生きていくためにもっと必要なことは何かという議論はどこに行ったのかなと思います。
民主党政権下で、国民が目覚め望んだ「原発ゼロ」政策は今、全てなかったかのようにされ、多額の献金を受けた自民党を中心とした政治家や自らの「失地回復」を図る官僚たちによって、「再稼働」「新規増設」が既定のことのように進められようとしています。(これは某週刊誌に暴露されていますね。多いところで5000万円ですよ!)
私は「待ちなさい」と言いたいのです。
原発事故の結果・影響を最低でも10年は見守りなさいと。
原発を賛美するものは論外ですが、批判するものには「そういう考えもあるのかな」という目で見るべきです。
ちなみに「美味しんぼ」の作者の雁屋さんは緻密な調査に基づいて作品を作っています。だからこそ、自信を持って関係者の名前も紹介しています。それは今回の作品に限りません。「美味しんぼ」を全て読んだ方なら、いつものパターンとして使われている展開だと思います。
繰り返しになりますが、これから放射能障害が出てくるのです。時間がかかるからこそ、それは原発事故に起因するものだとは分かりにくいです。ガンや白血病は原発事故が起こらなくても発生するわけですから。ただ、その発症率が他の地域より高いことは事実です。
「鼻血」の問題・・・症状としては命の危険とはつながりにくいです。
でも、大きな病気も最初から激しい症状が出てくるわけではないでしょう。
危険性を訴える側が叩かれ、「再稼働」「新規増設」にうごめく政治家・財界の人々が叩かれないということの方が問題ではないかと思います。