真夜中の2分前

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続・安倍政権妄言録

2015-06-20 21:10:40 | 政治・経済
高村正彦自民党副総裁「学者は憲法尊重義務を課せられていない」
 かつて「集団的自衛権は容認されない」と答弁していたこともあきらかになり、ますます追い詰められた高村氏。自民党本部で記者団に対して語るなかで出てきたのがこの言葉だ。
 最近では、この人のいうことは論理が完全に破綻していてもはや支離滅裂で何をいいたいのかはっきりしない。なので、公正を期すために、朝日新聞電子版で報じられた発言をそのまま引用しておく。

 「最高裁の判決が、個別事件について示されたものだという憲法学者らの指摘はその通りだ。ただ、司法審査は個別事件についてやるものだということと、最高裁がそこに示した一般的法理を尊重するかしないかは別の話で、我々憲法尊重擁護義務を課せられた政治家が、一般的法理を尊重しなければいけないのは、ごくごく当たり前のことだ。 最高裁は「国の存立を全うするための必要な自衛の措置は講じうる」と一般的法理で示している。「国の存立を全うするための必要な自衛の措置」は政治家が考えなければいけないことだ。「必要な自衛の措置」の中に、国際法的には集団的自衛権とみられるものが含まれるのであれば、その限りで集団的自衛権も容認される、と当たり前のことを当たり前に素直に言っているだけだ。 学者は憲法尊重擁護義務を課せられてはいない。学問の自由があるから、最高裁が示した法理でも「それが間違っている」と言うこともできる。我々憲法尊重擁護義務がある人間は、最高裁が示した一般的法理を尊重する、という、単純な、当たり前のことを言っている。」

 私なりに解釈すると、どうやら「俺たちの意見こそ正しくて、憲法学者たちは間違っている。あいつらは間違ったことをいっているが、学者には憲法尊重義務がないし、学問の自由もあることだから、間違えるのも仕方がないんでまあ大目に見てやろう」というようなことをいいたいらしい。
 よくもまあ、いったものである。
 強弁もここまでくるほとんど狂気じみているというのが率直な感想だ。まるで、口げんかに負けて負け惜しみをいう小学生のような物言いだが、脳ミソが沸騰した高村氏は、こういうことをいえばいうほど国民をドン引きさせるだけだということにももはや気づくことができなくなっているのだろう。こうやって知能レベルの低さを示す発言を繰り返してせっせと墓穴を掘ってくれるのだから、安保法制反対派にとってはむしろありがたい存在といえるのかもしれない。
 それにしても、いやしくも政権与党の副総裁という立場にある人物のこの子どもじみた言い草はどうだろう。自尊心が異常に肥大化したあわれな道化といったところか。こんなふうにはなりたくないものである。

細田博之自民党幹事長代行「言語に惑わされて非論理的な議論をしてはならない」
 派閥の会合での発言。
 細田氏によれば、言語に惑わされて非論理的な議論をしてはならないのは「論理学と法哲学で当然の帰結」だが、日本ではそれがあいまいで情緒的な議論が行われやすく、そのせいで不毛な議論が展開されているというのである。
 自分たちで論理性もなにも無視した無茶苦茶な暴論を展開しておきながらのこの発言には、あいた口がふさがらない。どうやら彼らは、法哲学も論理学も自分たちが定義できると思っているらしい。自分たちでそう思い込むのは勝手だが、それが世間に通用すると考えているところが愚かで、高村氏と同様、その道化っぷりには失笑を禁じえない。
 幼児的全能感から脱却できないみっともない大人たちが、論理性も法哲学も無視して「俺たちが正しい」、「俺たちにひれ伏せ」と情緒的にわめきたてている、というのがいまの自民党の姿である。
 彼らは「憲法と法律の関係について中学生レベルの知識さえない」とよく批判されるが、実際のところその幼稚さは中学生というレベルにもほど遠い。安倍総理とそのお友だち一派は、そろって小学校からやりなおしたほうがいい。