安倍総理に近い自民党の若手議員が、「文化芸術懇話会」なる勉強会を立ち上げた。安倍政権に近い文化人を通して発信力の強化を目指すのだという。25日にその初会合が開かれたが、37人が参加したこの会合で、驚くべき発言が出てきた。
「経団連に働きかけてマスコミを懲らしめよう」というのである。彼らによれば、政権に批判的なメディアを「懲らしめる」ためには広告収入を断つのが一番で、そのために経団連に働きかけようというのだ。また、沖縄に関しても、沖縄のメディアは「左翼に乗っ取られている」という発言があり、これに対して講師として出席した「安倍政権に近い文化人」である作家の百田尚樹氏は、「沖縄の二つの新聞社は絶対につぶさなあかん」といったという。
信じがたい放言である。
政権与党の国会議員が、堂々とマスコミを弾圧すべきだといっている。開いた口がふさがらないとはこのことだ。例によって党幹部は火消しに躍起になっているが、これは看過しがたい発言だ。
いまさらあえていうことでもないが、右とか左とかに関係なく、報道機関が存在しなければ民主的な社会は機能しない。私たちがこうしてブログで時事評論などしていられるのも、報道機関が存在しているからである。自分たちに都合が悪いから黙らせようなどというのは言語道断だ。彼らのいうことが実現すれば、日本は北朝鮮のような国になってしまう。安保法制の違憲性を指摘した憲法学者・小林節氏の「キム家と安倍家が一緒になってしまう」という言葉が現実のものとなる。
以前、特定秘密保護法をめぐる議論の中で、安倍総理は「報道が抑圧されるようなことがあったら、私は責任をとって辞めます」ということをいっていた。最近、政府与党はメディアをけん制するような動きを繰り返してきたが、ここへきて若手議員らのこの暴言である。安倍総理は、約束を守って辞任するべきではないか。
一方、自民党のハト派系若手議員が作った勉強会「分厚い保守政治の会」では、同じ25日に講師として漫画家の小林よしのり氏を招いて会合を開くことになっていたが、これが中止に追い込まれた。小林よしのり氏は改憲派で、あくまでも改憲すべきという立場から、憲法解釈変更による集団的自衛権行使容認には反対の姿勢をとっている。その小林氏の批判的な発言によってふたたびダメージを受けることをおそれて党執行部が中止させたとのも見方が濃厚だ。いまの自民党は、もやは小林よしのり氏をおそれなければならない状況になっているのだ。“小林”といえば、例の憲法学の小林節氏も本来は改憲派なのだが、自民党の主張に近い学者や知識人からも異論が噴出しているのが今回の安保法制である。メディアを黙らせてしまえ、などという主張がいかに的外れでいかれたものかは推して知るべしというものだろう。
それにしても、「文化芸術懇話会」での自民党議員らの発言はかえすがえすも重大である。これを看過すれば、まさに日本の北朝鮮化の第一歩ということになるだろう。ここ数年の政治家たちの言動を見ていると、私には、かつてのソ連とナチスドイツの関係が思い起こされる。ソ連とナチスドイツは犬猿の仲で、互いに相反する思想を持ち激しく敵対していたが、どちらも半ば狂気じみた独裁者によって支配され、強権的・抑圧的な国家体制はそっくりだった。北朝鮮憎し、といっているうちに、いつの間にか自分たちの国が北朝鮮そっくりになっていたというのでは、笑えないジョークだ。
「経団連に働きかけてマスコミを懲らしめよう」というのである。彼らによれば、政権に批判的なメディアを「懲らしめる」ためには広告収入を断つのが一番で、そのために経団連に働きかけようというのだ。また、沖縄に関しても、沖縄のメディアは「左翼に乗っ取られている」という発言があり、これに対して講師として出席した「安倍政権に近い文化人」である作家の百田尚樹氏は、「沖縄の二つの新聞社は絶対につぶさなあかん」といったという。
信じがたい放言である。
政権与党の国会議員が、堂々とマスコミを弾圧すべきだといっている。開いた口がふさがらないとはこのことだ。例によって党幹部は火消しに躍起になっているが、これは看過しがたい発言だ。
いまさらあえていうことでもないが、右とか左とかに関係なく、報道機関が存在しなければ民主的な社会は機能しない。私たちがこうしてブログで時事評論などしていられるのも、報道機関が存在しているからである。自分たちに都合が悪いから黙らせようなどというのは言語道断だ。彼らのいうことが実現すれば、日本は北朝鮮のような国になってしまう。安保法制の違憲性を指摘した憲法学者・小林節氏の「キム家と安倍家が一緒になってしまう」という言葉が現実のものとなる。
以前、特定秘密保護法をめぐる議論の中で、安倍総理は「報道が抑圧されるようなことがあったら、私は責任をとって辞めます」ということをいっていた。最近、政府与党はメディアをけん制するような動きを繰り返してきたが、ここへきて若手議員らのこの暴言である。安倍総理は、約束を守って辞任するべきではないか。
一方、自民党のハト派系若手議員が作った勉強会「分厚い保守政治の会」では、同じ25日に講師として漫画家の小林よしのり氏を招いて会合を開くことになっていたが、これが中止に追い込まれた。小林よしのり氏は改憲派で、あくまでも改憲すべきという立場から、憲法解釈変更による集団的自衛権行使容認には反対の姿勢をとっている。その小林氏の批判的な発言によってふたたびダメージを受けることをおそれて党執行部が中止させたとのも見方が濃厚だ。いまの自民党は、もやは小林よしのり氏をおそれなければならない状況になっているのだ。“小林”といえば、例の憲法学の小林節氏も本来は改憲派なのだが、自民党の主張に近い学者や知識人からも異論が噴出しているのが今回の安保法制である。メディアを黙らせてしまえ、などという主張がいかに的外れでいかれたものかは推して知るべしというものだろう。
それにしても、「文化芸術懇話会」での自民党議員らの発言はかえすがえすも重大である。これを看過すれば、まさに日本の北朝鮮化の第一歩ということになるだろう。ここ数年の政治家たちの言動を見ていると、私には、かつてのソ連とナチスドイツの関係が思い起こされる。ソ連とナチスドイツは犬猿の仲で、互いに相反する思想を持ち激しく敵対していたが、どちらも半ば狂気じみた独裁者によって支配され、強権的・抑圧的な国家体制はそっくりだった。北朝鮮憎し、といっているうちに、いつの間にか自分たちの国が北朝鮮そっくりになっていたというのでは、笑えないジョークだ。