最近、安倍晋三という人が誰かに似ていると思うようになった。
といっても、よく指摘されるようにドイツのあの人ではない(たしかに似ているけれど)。いったい誰に似ているのかと考えているうちに、やっとわかった。
アメリカの前大統領ブッシュJrである。
“戦争法案”成立にまい進する安倍政権の姿は、イラク戦争を引き起こしたあの悪名高きブッシュJr政権の姿に重なってみえる。
ブッシュJr時代のアメリカは、イラク攻撃にむけて突進し、そのために国連安保理のお墨付きを得ようとしたが、どうやら国連決議が得られそうにないとみると、今度は湾岸戦争時代の国連決議を持ち出してきて、これによって攻撃は正当化されると主張した。国連決議1441違反によって、国連決議687(湾岸戦争停戦決議)は失効し、それ以前にイラク攻撃を認めた国連決議678(湾岸戦争のきっかけとなった決議)が復活し、イラク攻撃は正当化される――という理屈である。国際法の専門家のほとんどがそれは無理があると批判したが、ブッシュ政権はその批判の声に耳を貸さなかった。自分を支持する国を「新しいヨーロッパ」、反対する国を「古いヨーロッパ」と呼び、反対意見を完全に無視した。この暴走を、政権内の人間は止めるどころか無茶苦茶な屁理屈を展開して擁護し、イラク戦争に突っ走った。その帰結が、ISの台頭で内戦状態に陥ったいまのイラクである。いまのイラクをみれば、フセイン時代のほうがまだましだろう。結局のところイラク戦争は、イラクという崩壊国家を作り出し、周辺地域を不安定化させ、さらにはアメリカの国際的な地位も低下させただけだった。
この例でわかるとおり、アホな政権のやることは、無惨な結果しか生まない。
それも当然である。法が権力を縛っているのは、権力が恣意的に行使されることで一般民衆が不幸に陥るのを防ぐためだ。なんだかんだいって、法制度というのは、長い時間をかけ、歴史の教訓を踏まえて、愚かな政府が愚かな行動を起こそうとしたらブレーキがかかるように作られてきている。それを無視すれば、悪い結果になるのは当然なのだ。
ここまで書いてくれば、安倍総理とブッシュJrアメリカ前大統領の類似点は誰の目にもあきらかだろう。
ブッシュJrは、父親のことに関する私的な感情からイラク攻撃に執念を燃やした。いっぽう安倍総理は祖父(岸信介)に対する私的な感情から安保法制に固執している。ブッシュJrは十年以上前の国連決議を持ち出し、安倍総理は数十年前の最高裁判決を持ち出してきて、自分に都合のいいようにねじ曲げて利用している。その強引な解釈を、ブッシュJrは国際法の専門家たちから、安倍総理は憲法学の専門家から、批判された……まったく瓜二つである。こうなったら結果も似たようなものになるだろうと想像される。
繰り返しになるが、国連の枠組みも、憲法も、権力の恣意的な暴走を防ぐために工夫されてきたものだ。無茶苦茶な戦争を起こそうとするものが出てきたら、その網にひっかかり、制止するようにできている。国際法学者や憲法学者たちの批判というのは、その制止が具体的に形をとってあらわれたものである。その網を引きちぎって暴走していけば、不幸な結果を招くのは当然だ。このまま安倍政権の傲慢を許せば、ブッシュJrがアメリカにもたらしたのと同じ災禍をこの国にもたらすのは自明である。
といっても、よく指摘されるようにドイツのあの人ではない(たしかに似ているけれど)。いったい誰に似ているのかと考えているうちに、やっとわかった。
アメリカの前大統領ブッシュJrである。
“戦争法案”成立にまい進する安倍政権の姿は、イラク戦争を引き起こしたあの悪名高きブッシュJr政権の姿に重なってみえる。
ブッシュJr時代のアメリカは、イラク攻撃にむけて突進し、そのために国連安保理のお墨付きを得ようとしたが、どうやら国連決議が得られそうにないとみると、今度は湾岸戦争時代の国連決議を持ち出してきて、これによって攻撃は正当化されると主張した。国連決議1441違反によって、国連決議687(湾岸戦争停戦決議)は失効し、それ以前にイラク攻撃を認めた国連決議678(湾岸戦争のきっかけとなった決議)が復活し、イラク攻撃は正当化される――という理屈である。国際法の専門家のほとんどがそれは無理があると批判したが、ブッシュ政権はその批判の声に耳を貸さなかった。自分を支持する国を「新しいヨーロッパ」、反対する国を「古いヨーロッパ」と呼び、反対意見を完全に無視した。この暴走を、政権内の人間は止めるどころか無茶苦茶な屁理屈を展開して擁護し、イラク戦争に突っ走った。その帰結が、ISの台頭で内戦状態に陥ったいまのイラクである。いまのイラクをみれば、フセイン時代のほうがまだましだろう。結局のところイラク戦争は、イラクという崩壊国家を作り出し、周辺地域を不安定化させ、さらにはアメリカの国際的な地位も低下させただけだった。
この例でわかるとおり、アホな政権のやることは、無惨な結果しか生まない。
それも当然である。法が権力を縛っているのは、権力が恣意的に行使されることで一般民衆が不幸に陥るのを防ぐためだ。なんだかんだいって、法制度というのは、長い時間をかけ、歴史の教訓を踏まえて、愚かな政府が愚かな行動を起こそうとしたらブレーキがかかるように作られてきている。それを無視すれば、悪い結果になるのは当然なのだ。
ここまで書いてくれば、安倍総理とブッシュJrアメリカ前大統領の類似点は誰の目にもあきらかだろう。
ブッシュJrは、父親のことに関する私的な感情からイラク攻撃に執念を燃やした。いっぽう安倍総理は祖父(岸信介)に対する私的な感情から安保法制に固執している。ブッシュJrは十年以上前の国連決議を持ち出し、安倍総理は数十年前の最高裁判決を持ち出してきて、自分に都合のいいようにねじ曲げて利用している。その強引な解釈を、ブッシュJrは国際法の専門家たちから、安倍総理は憲法学の専門家から、批判された……まったく瓜二つである。こうなったら結果も似たようなものになるだろうと想像される。
繰り返しになるが、国連の枠組みも、憲法も、権力の恣意的な暴走を防ぐために工夫されてきたものだ。無茶苦茶な戦争を起こそうとするものが出てきたら、その網にひっかかり、制止するようにできている。国際法学者や憲法学者たちの批判というのは、その制止が具体的に形をとってあらわれたものである。その網を引きちぎって暴走していけば、不幸な結果を招くのは当然だ。このまま安倍政権の傲慢を許せば、ブッシュJrがアメリカにもたらしたのと同じ災禍をこの国にもたらすのは自明である。