読書録「毒々生物の奇妙な進化」5
著者 クリスティー・ウィルコックス
訳 垂水雄二
出版 文藝春秋
p211より引用
“ ドーパミンは、昆虫から人類に至るまで
の幅広い動物の脳に見いだされる興味深い化
学物質の一つで、その影響は、そうした種の
すべてにおいて決定的に重要である。私たち
の脳においては、それは精神的な「報酬」の
一部である。”
目次より抜粋引用
“猛毒生物の遺伝子に挑む
最強の殺戮者は誰だ?
注射するのはヘビの毒
人生を変える「激痛」
人食いトカゲの島へ上陸”
生物学者でサイエンスライターである著者
による、有毒生物とその毒について記された
一冊。
ある動物が毒を持つまでの物語から現在の
人の暮らしと生物毒との深い関係まで、命が
けのフィールドワークからしか得られない知
識と経験が記されています。
上記の引用は、ゴキブリの心を操る寄生蜂
について書かれた項での一節。
種類も体の大きさも違う人とゴキブリが、同
じように化学物質で行動が左右されてしまう
のは、興味深い話ではないでしょうか。それ
と同時に、ドーパミンを溢れさせると言われ
る、現代社会とデジタルデバイスとの関係に、
少し恐怖を感じます。誰かにいいように操ら
れないように、日頃から気をつけていたいも
のです。
人類の体の進化、特に脳と目についてと毒
蛇の関係について書かれたp52の記述は面白く、
考えさせられるものではないでしょうか。
自らの命を奪う存在ほど怖いものはないので
しょうけれど、その恐怖が生き物を前に進め
させるようです。
p76の窮鼠猫を噛むの実例のような、ガラガラ
ヘビとネズミの対決では、そういう進化の持
つ可能性と強さがよく現れているのではない
でしょうか
生物学者たちが一つ一つ積み重ねた研究に
よって、危険な有毒生物から身を守るだけで
なく、その毒から作られた物質によって、命
を助けられているということは、頭の隅にで
も置いておいた方がいいのではないでしょう
か。危険だからといって完全に排除してしまっ
たならば、進化が前に進まなくなってしまう
かもしれません。
ーーーーー
著者 クリスティー・ウィルコックス
訳 垂水雄二
出版 文藝春秋
p211より引用
“ ドーパミンは、昆虫から人類に至るまで
の幅広い動物の脳に見いだされる興味深い化
学物質の一つで、その影響は、そうした種の
すべてにおいて決定的に重要である。私たち
の脳においては、それは精神的な「報酬」の
一部である。”
目次より抜粋引用
“猛毒生物の遺伝子に挑む
最強の殺戮者は誰だ?
注射するのはヘビの毒
人生を変える「激痛」
人食いトカゲの島へ上陸”
生物学者でサイエンスライターである著者
による、有毒生物とその毒について記された
一冊。
ある動物が毒を持つまでの物語から現在の
人の暮らしと生物毒との深い関係まで、命が
けのフィールドワークからしか得られない知
識と経験が記されています。
上記の引用は、ゴキブリの心を操る寄生蜂
について書かれた項での一節。
種類も体の大きさも違う人とゴキブリが、同
じように化学物質で行動が左右されてしまう
のは、興味深い話ではないでしょうか。それ
と同時に、ドーパミンを溢れさせると言われ
る、現代社会とデジタルデバイスとの関係に、
少し恐怖を感じます。誰かにいいように操ら
れないように、日頃から気をつけていたいも
のです。
人類の体の進化、特に脳と目についてと毒
蛇の関係について書かれたp52の記述は面白く、
考えさせられるものではないでしょうか。
自らの命を奪う存在ほど怖いものはないので
しょうけれど、その恐怖が生き物を前に進め
させるようです。
p76の窮鼠猫を噛むの実例のような、ガラガラ
ヘビとネズミの対決では、そういう進化の持
つ可能性と強さがよく現れているのではない
でしょうか
生物学者たちが一つ一つ積み重ねた研究に
よって、危険な有毒生物から身を守るだけで
なく、その毒から作られた物質によって、命
を助けられているということは、頭の隅にで
も置いておいた方がいいのではないでしょう
か。危険だからといって完全に排除してしまっ
たならば、進化が前に進まなくなってしまう
かもしれません。
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