12/05。久々に晴れ渡る薄明の空を見ずして、中村勘三郎さんは逝った。享年57歳。
その親しみあるお人柄と、芸能の民としての気っ風のいい威勢の良さと、誰からも慕われる希有な役者だったと思う。
青天の霹靂とは、こんな空のときに起こるものなのだ。
●
昨日公示された衆議院総選挙。
あれ、この人どこの党だっけ?と思わせるほどの乱立状態。
いったい、この立候補者はわたしたちをどんな未来に連れて行ってくれるの?
…素直にそんな疑問を呈してしまう。
今回の選挙はどんな対立軸なの?
ボクなりにわかりやすく整理してみた。
第3極と言われるぐらいだから、3つの基軸があるのだろう…と
だれもがお思いだろうけど、あいまいな国ニッポンは、それほど明確な主義主張がない。
長年政権を務めてきた自民党が、なんだか極右政党に見えるのはボクだけだろうか?
民主政権で3年、停滞した経済を建て直す…という立ち位置だから、そんな風に見えるのだろう。
「自由と平等のどちらに重点を置くのか」
自由を重視するのは「右」、平等を重視するのは「左」。
戦後復興の右肩上がりは、自由を旗標に突っ走った自由党に、保守主義の日本民主党が合併した自民党のおかげ。
公害をモノともせず、ひたすら経済成長を目指して、官民で喘いだ55年体制をずっっっと引き摺ってきたのが自民党。
要するに弱者顧みずの思想なわけ。
だから、民主の3年をコケ下ろす。弱者にエエ顔しとったら、このざまじゃ…という鼻息が、安倍さんの言い分。
弱腰外交でナメられてるから、改憲して軍事力増強して、「立派なニッポン」を取り戻そう…と。
政府の関与をできるだけ小さくして、経団連に引っ張ってもらおう…という主旨だから、
基幹産業のひとつである「原発」もどんどん輸出していこうとなる。
自由主義ってのは、競争まっしぐらな大量消費社会へって政策なんで、どう考えても時代に逆行している。
しかし、対立軸としてあった民主党の「コンクリートから人へ」は、
弱者重視で国民平等に普遍的なサービスってことが大風呂敷となって、国債大量発行。
財政ガタ落ちしたから、消費税UP!…と、それはもう酷い有り体。
「自由と平等どちらに重点を置くか」…という、至極真っ当な論点が、瓦解してしまった。
そこに顕れた第3極。「維新の会」はどこまでも急先鋒な、新自由主義。
最低賃金廃止って言い草からもわかるように、どこまでも効率主義な政策。
橋下徹は「デキる男」だから、弱者顧みずなんてちゃんちゃら可笑しいってわけ。
石原慎太郎とのタッグで彼の目指しているモノがさらに明確になった。
権力主義。
彼はひたすら権力をモノにしたい、自分の力を行使したい、それだけ。
なにをしでかすか、なにを言い出すか、わからない一番危険な男…とみた。
そんでもって、嘉田さんと小沢さん。
水と油でしょ。このふたりはアンチってだけでタッグ組んだとしか思えない。
右バネが大きく働いてきて、なんだかおかしな風向きだっていうことで、
台風の目になろうと急遽組まれたふたりだから、「赤ずきんちゃん」のオオカミのよう。
温和な嘉田おばあさんを装って、ガブっと小沢オオカミが本性表すって感じだろうか。
「脱原発」にしろ「反消費税」にしろ、アンチの域を出ていない気がする。
結局、3極どの軸もなんだか中途半端なんだけど、
一番の大罪はやはり民主党にある。
これだけの政党乱立で有権者を困惑させた根源には、
「自由と平等どちらに重点を置くか」の論点貫く政策を、推し進めてこなかったから。
つまり、「平等」に重きを置く新しいニッポンの姿を描けなかったから。
既得権構造で強い者だけがひたすら権力を握る「自由主義」の自民党政権に対して、
「平等」の許で弱者も同じスタートラインに立つ「新しい自由主義」を明示できなかった。
その立脚点から論じれば、「原発即時撤廃」も宣言できただろうに。
「自由主義」のアンチでしか政策を打ち出せなかったひ弱な改革路線では、
経団連の米倉さんに噛み付かれてしぼむしかない。
そういった意味でも、今回の総選挙、まだまだカオスから抜けきれない感じ。
とはいえ、世の流れは明らかに「平等」を旗標に掲げた「新しい自由主義」へ向かっている。
あとは有権者ひとりひとりが、長期的展望を持って一票を投じること。
きっと、至るべき道に、流れていくものと、ボクは信じる。
中村勘三郎みたいな役者を産んだ国だもの。
その親しみあるお人柄と、芸能の民としての気っ風のいい威勢の良さと、誰からも慕われる希有な役者だったと思う。
青天の霹靂とは、こんな空のときに起こるものなのだ。
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昨日公示された衆議院総選挙。
あれ、この人どこの党だっけ?と思わせるほどの乱立状態。
いったい、この立候補者はわたしたちをどんな未来に連れて行ってくれるの?
…素直にそんな疑問を呈してしまう。
今回の選挙はどんな対立軸なの?
ボクなりにわかりやすく整理してみた。
第3極と言われるぐらいだから、3つの基軸があるのだろう…と
だれもがお思いだろうけど、あいまいな国ニッポンは、それほど明確な主義主張がない。
長年政権を務めてきた自民党が、なんだか極右政党に見えるのはボクだけだろうか?
民主政権で3年、停滞した経済を建て直す…という立ち位置だから、そんな風に見えるのだろう。
「自由と平等のどちらに重点を置くのか」
自由を重視するのは「右」、平等を重視するのは「左」。
戦後復興の右肩上がりは、自由を旗標に突っ走った自由党に、保守主義の日本民主党が合併した自民党のおかげ。
公害をモノともせず、ひたすら経済成長を目指して、官民で喘いだ55年体制をずっっっと引き摺ってきたのが自民党。
要するに弱者顧みずの思想なわけ。
だから、民主の3年をコケ下ろす。弱者にエエ顔しとったら、このざまじゃ…という鼻息が、安倍さんの言い分。
弱腰外交でナメられてるから、改憲して軍事力増強して、「立派なニッポン」を取り戻そう…と。
政府の関与をできるだけ小さくして、経団連に引っ張ってもらおう…という主旨だから、
基幹産業のひとつである「原発」もどんどん輸出していこうとなる。
自由主義ってのは、競争まっしぐらな大量消費社会へって政策なんで、どう考えても時代に逆行している。
しかし、対立軸としてあった民主党の「コンクリートから人へ」は、
弱者重視で国民平等に普遍的なサービスってことが大風呂敷となって、国債大量発行。
財政ガタ落ちしたから、消費税UP!…と、それはもう酷い有り体。
「自由と平等どちらに重点を置くか」…という、至極真っ当な論点が、瓦解してしまった。
そこに顕れた第3極。「維新の会」はどこまでも急先鋒な、新自由主義。
最低賃金廃止って言い草からもわかるように、どこまでも効率主義な政策。
橋下徹は「デキる男」だから、弱者顧みずなんてちゃんちゃら可笑しいってわけ。
石原慎太郎とのタッグで彼の目指しているモノがさらに明確になった。
権力主義。
彼はひたすら権力をモノにしたい、自分の力を行使したい、それだけ。
なにをしでかすか、なにを言い出すか、わからない一番危険な男…とみた。
そんでもって、嘉田さんと小沢さん。
水と油でしょ。このふたりはアンチってだけでタッグ組んだとしか思えない。
右バネが大きく働いてきて、なんだかおかしな風向きだっていうことで、
台風の目になろうと急遽組まれたふたりだから、「赤ずきんちゃん」のオオカミのよう。
温和な嘉田おばあさんを装って、ガブっと小沢オオカミが本性表すって感じだろうか。
「脱原発」にしろ「反消費税」にしろ、アンチの域を出ていない気がする。
結局、3極どの軸もなんだか中途半端なんだけど、
一番の大罪はやはり民主党にある。
これだけの政党乱立で有権者を困惑させた根源には、
「自由と平等どちらに重点を置くか」の論点貫く政策を、推し進めてこなかったから。
つまり、「平等」に重きを置く新しいニッポンの姿を描けなかったから。
既得権構造で強い者だけがひたすら権力を握る「自由主義」の自民党政権に対して、
「平等」の許で弱者も同じスタートラインに立つ「新しい自由主義」を明示できなかった。
その立脚点から論じれば、「原発即時撤廃」も宣言できただろうに。
「自由主義」のアンチでしか政策を打ち出せなかったひ弱な改革路線では、
経団連の米倉さんに噛み付かれてしぼむしかない。
そういった意味でも、今回の総選挙、まだまだカオスから抜けきれない感じ。
とはいえ、世の流れは明らかに「平等」を旗標に掲げた「新しい自由主義」へ向かっている。
あとは有権者ひとりひとりが、長期的展望を持って一票を投じること。
きっと、至るべき道に、流れていくものと、ボクは信じる。
中村勘三郎みたいな役者を産んだ国だもの。