札幌・北海道のレトロ建物大好きおぢさん日記

札幌(北海道)のレトロでモダンな建物を見たり撮影するのを趣味としています。

函館市の建築探訪 弁天町編②

2022-07-21 19:56:02 | 函館市

弁天町続きます

ここからは2020年発行の「北海道建築物大図鑑」に記載されたもの、指定や賞をとったもの
他のブログで情報を得たもの、探索中に見つけた気になる建物を追っていきます。

「レトロな建物を訪ねて」様
「関根要太郎研究室@はこだて」様 からも引用させていただいています。

 

 

「大黒湯」 

所在地 弁天町14-8
建築年 大正12(1923)年
指定等 歴風文化賞
開館時 廃業
 
 
大黒湯は創業103年の歴史を持つ銭湯であったが、平成22年に廃業している。
この地区は以前は大黒町で、店名の由来かと思う
町はのちに弁天町に併合された。

外装や内装は数度の改築があるが、骨組みは当時のままだ
ただ残念ながら櫓組みの長煙突は撤去された。
 
脱衣所は女性側を広く取っているというのが、微妙に左右対称ではないファサードの理由だろうか
おそらく向かって左が女性ではと思う。
 
全盛期には1日200人も来ていたが廃業時には1日20人にも満たなかった
これも時代の流れなのだろう。
 
現在ではこのような建物を見ることは貴重になった
大学のアートスペースなどの再活用もあったようだが現在は休止中のようだ。
 
 
 
 

2022年6月撮影
 
 
 
 
 

「ワインショップ丸又和田商店」 旧小島商店 

所在地 弁天町14-11
建築年 明治12~(1879~)年
指定等 なし
開館時 なし
 
 
看板は、明治32年の創業時から使用している年季ものなので
この建物もその当時からの所有かも知れない。
 
1列に連なる棟を持っており、道路に面した店舗は
元は上下和洋折衷建築家と思われる 2階の窓がアーチと両開きで可愛い。
 
蔵まで連なる棟は増築を繋げたかのように見える
もしかして現店舗が住宅でこちら側が店舗や倉庫だったのかも知れない
蔵は鉄扉でとても重厚だ。
 
いずれにしろ明治初期の貴重な建築である。
 
 
 
 
 

2022年6月撮影
 
 
 
 
 

「成田工業」 旧小熊商店倉庫

所在地 弁天町14-14
建築年 明治後期?
指定等 なし
開館時 なし
 
 
旧今井米穀店の隣にある石造りの倉庫が成田工業。
看板はあるが活用しているかは不明

小さめのアーチ窓がかわいらしい
 
入り口は鉄製の扉で使うとしたら倉庫ではないか
ツタが伸び全体を覆うがごとくになっている。
 
 
 

2022年6月撮影
 
 
 
 
 

「I氏家住宅」 旧今井米穀店 *北海道建築物大図鑑

所在地 弁天町15
建築年 明治40(1907)年
指定等 市景観形成指定建築物
開館時 現在は「Attitude Store」が営業中
 
 
ここは米穀店の店舗兼住宅として建てられた。
正面側から和風様式、隣に平屋で出格子のある和風と来て2階建ての洋風様式と連なる。
 
上下ではなく棟ごと和洋折衷の建築であった
この一角は古くからの建物が連続で残っており、それぞれ個性が違うので面白い。
 
現在は正面1階で輸入雑貨やアート作品などを扱っている「Attitude Store」が営業している。
 
 
 



2022年6月撮影
 
 
 
 
 

「佐藤商会」 旧堤商会事務所 *北海道建築物大図鑑

所在地 弁天町15-12
建築年 大正5(1916)年
指定等 市景観形成指定建築物
開館時 現在は「ロマンティコ・ロマンティカ」が営業している
 
 
堤商会とは日魯漁業㈱の前身。
 
この建物の創建時は3階にバルコニーがあり、屋根にはパラペットと洒落た造りであったとある。
 
その後、老朽化により函館市が平成16(2004)年に復元し、きれいな洋館となった。

外壁の色や白地の窓枠など大正ロマンのハイカラな建物で
内部の階段や入口両サイドの照明は創建時のものだそうだ。
 
現在はテナントビルだが、1階の「ロマンティコ・ロマンティカ」が地元女性に人気のカフェとなっている。
 
 
 
 

2022年6月撮影
 
 
 
 
 

「ハコダテバンドワゴン」 

所在地 弁天町
建築年 明治後期?
指定等 なし
開館時 なし
 
 
その形状から、元は蔵か倉庫だったのではと思わせる
2階の細長い窓が印象的だ
1階には小さな入り口とシャッターがあるが車庫というより搬入口ではないか
 
現在の店名看板があるところの塗装が剥げており、レンガと「2」が見える
ここはレンガ造りのようだ。

現在の「バンドワゴン」は、2015年5月、弁天町にオープンしたLiveに特化したbar、livehouse。
 
 
 

2022年6月撮影
 
 
 
 
 

「イシダ模型店」 


2022年6月撮影

所在地 弁天町1-14
建築年 昭和15(1940)年ころ?
指定等 なし
開館時 廃業
 

イシダ模型店の店主、石田一郎さんは店でプラモデルを販売するだけではなく
ライトプレーン(ゴム動力の模型飛行機)の研究者でもあり、業界人には「イシダ式模型飛行機」の名は
知れ渡っていた。
 
一郎さんが平成12年に亡くなってからも奥様が店を続けたが、新しい仕入れはしておらず在庫品だけで
14年以上商売を続けていた。
残念ながら現在は廃業となっていたが、古い模型こそ値打ちがあるのになぁと
昔プラモデルに凝ったものとしてはそう思った。
 
建物は築80年はあるようだ。
 
 
 
 
 
 

「プレ・デ・ラ・メール」 旧橋谷家蔵

所在地 弁天町
建築年 明治31(1898)年
指定等 なし
開館時 なし
 

レンガ造りの蔵だったようだ。
屋根はすっかりきれいに改修されているが外壁とアーチのある窓は昔のままに見える
正面の大きなドアは新しいものに変えたようだ。
 
現在は「プレ デ ラ メール」として一日一組限定の一棟貸貸別荘となっている
蔵の重厚さとお洒落さを表現した内部のようだ。
 
 

2022年6月撮影
 
 
 
 
 

「旧民宿共真」

所在地 弁天町14-14
建築年 大正3(1914)年
指定等 なし
開館時 なし
 

市電通りに面しており「プレ デ ラ メール」の隣。
胴蛇腹と下見板張り、縦長窓で古い建物とわかる
以前は民宿で使用していたとのこと。
1階は車庫になっているが改装したような感じだ。

奥を覗くと和風な棟が見えたので前後で和洋折衷建築かもしれない
敷地内だがとても気になる小路だ 入ってみたいが……
 
 
 

2022年6月撮影
 
 
 
 
 

「元コンビニ併設の屋号(一久)の蔵」 

所在地 弁天町
建築年 不明
指定等 なし
開館時 なし
 
 
自分の地元では古くからの酒屋さんが3軒、コンビニに転換し、1階が店舗、2階が住居になっている。
市電に面したこの元セブンイレブンの店舗もコンビニ前は自前で商売をしていたのだろう。
 
店舗入り口から店舗内へ続き、蔵は商品の在庫倉庫として使われたように見えるし
住居は別所にあるようだ。
蔵は白地できれいに塗装され鉄扉の状態も良さそうだ
いつのものかは判らぬが、古いものに感じるがどうか?
 
2011年はセブンイレブン、2014年にはデイサービス、2015年から空き家になっているのが
ストリートビューでわかった。
 

2022年6月撮影
 
 
 
 
 

「角地にある蔵」 

所在地 弁天町23-6
建築年 不明
指定等 なし
開館時 なし
 
 
この蔵に関しては今のところ情報が何もないが、古いものと判断して記載。
野口商店と空き地を置いて隣なので野口さんの所有なのか?
 
また周りは家1軒分くらい空いていて更地になっているのでポツンとあるようだ。
更地は古いストリートビューでは草ぼうぼうだった。
 
板張りにレンガの基礎で明治後半~大正時代だろうか
改めて調べてみたい。
 
 
 
 

2022年6月撮影
 
 
 
 
 

「古民家」 

所在地 弁天町
建築年 不明
指定等 なし
開館時 なし
 
 
探索中に見た「住宅」であろう。
増築だろうか屋根には色の違いがわかるが出窓と縦長窓との合体は珍しかった。
場所も今となってははっきりわからない……
 
 

2022年6月撮影
 
 
以上で弁天町終了です。
 
 

函館市の建築探訪 弁天町編①

2022-07-19 11:41:06 | 函館市

大町からさらに西へと続く弁天町
町の敷地の多くは海に突き出た「函館どっく」のある埠頭で
住宅街は広くはないが、古い建物が結構残っている。

紹介の順番は北海道新聞社発行の「函館の建築探訪」1997年発行のNO順で行きます。
もはや20年以上前の本なので現存していない建物もあり。

 

「太刀川家住宅店舗・洋館」 *函館の建築探訪NO67

所在地 弁天町15-15
建築年 明治34(1901)年
指定等 国指定重要文化財、市景観形成指定建築物
開館時 現在は「TACHIKAWA FAMILY’S HOUSE」が営業中
 
 
とても見事な建物で弁天町のランドマーク的な建物のようだ
店舗はレンガ造りに漆喰を塗り固めて土蔵風にしている。

3連アーチが印象的なファサードは和と洋が上手く混ざり合っている
外に張り出した壁は防火に一役かうものだろう。

2階は3室あり和室であるが洋の雰囲気あり。
 
隣の洋館は函館日日新聞社社長であり、北海道で最も多くの肩書を持った実業家と言われた
2代目太刀川善吉氏が大正4年に応接専用室として増築したもの。
細かい細工が入念で、こちらも素敵な姿を見せている。
 
以前はカフェ営業をしていたが、現在はパーティなどのバンケット利用
レンタルスペースや洋館は宿泊もできるそうだ。
 
 
 
 
 
 

2022年6月撮影
 
 
 
 
 

「野口家住宅」 旧野口梅吉商店 *函館の建築探訪NO69

所在地 弁天町23-5
建築年 大正2(1913)年
指定等 歴風文化賞
開館時 なし
 

創建当時は米穀店であった。
函館に多い上下和洋折衷住宅である
 
入口の両側に格子の出窓があり、きれいになっているのでここ数年で
改修をしたのだろう。
 
2階は洋風の下見板張りに胴蛇腹、上げ下げ窓、軒蛇腹、持ち送りと優雅な姿を保っている
店舗名があるので現役商店なのだろうと思ったら学生さん達のプロジェクト「わらじ荘」として
住居として活用しているようだ。
 
 
 
 

2022年6月撮影
 
 
 
 
 

「小森家住宅店舗」 旧田中仙太郎商店 *函館の建築探訪NO70

所在地 弁天町23
建築年 明治34(1901)年
指定等 市景観形成指定建築物
開館時 なし
 

こちらも上下和洋折衷の住宅兼店舗で典型的な町屋である。
ただ明治30年代の建築という貴重な建物だ

2階の縦長窓は上げ下げ窓が多い中で両開き窓である
建て主の田中仙太郎氏は兵庫出身の海産商であった。

その後、小森商店が漁具資材などの商売をし、アンティークショップ小森商店へ
転換したが現在は閉業している。
 
 
 

2022年6月撮影
 
 
 

「ミートハウス別館」 旧西浜旅館 *函館の建築探訪NO71

所在地 弁天町22-14
建築年 明治40(1907)年
指定等 歴風文化賞、市景観形成指定建築物
開館時 なし
 
 
こちらも上下和洋折衷の典型的な町屋だ
やはり1階の出格子窓、上に胴蛇腹、軒蛇腹、持ち送り、縦長上げ下げ窓など網羅されている。
隣家との防火でレンガの防壁も素敵だ。
 
元は鉄工所やイカつけ番屋として、戦後は旅館として内部改造された。

現在は、野口商店で触れた学生さん達のプロジェクトで「みなも荘」として
再活用されている。
 
 
 
 

2022年6月撮影
 
 
 
 
 

「和島家住宅」 *函館の建築探訪NO72

所在地 弁天町16-9
建築年 大正4(1915)年
指定等 市景観形成指定建築物
開館時 現在は「函館クラシックホテルズ 藍」が営業中
 

同じような上下和洋折衷建築が続く
こちらの特色は2階窓の井桁の桟割がとてもお洒落だ。

後ろに大きなマンションがあり、特に大きな建物ではないので対比も面白い
 
外部、内部ともきれいにされ、現在は宿泊施設として活用されている。
 
 




2022年6月撮影
 
 
 
 
 

「浜岡家住宅」 旧佐々木平次郎商店 *函館の建築探訪NO73

解体済

所在地 弁天町16-8
建築年 明治40(1907)年
指定等 歴風文化賞
開館時 なし
 
 
 
 

「M氏家住宅」 旧杉野三次郎商店 *函館の建築探訪NO74

所在地 弁天町16
建築年 明治16(1885)年
指定等 歴風文化賞
開館時 なし
 
 
弁天町は明治初期は商業の中心だったそうだ
明治18年ころまでに建築されたこの建物は、耐火造りの商家であった。
2階の鉄扉にその面影をみる。
昔は瓦葺であった屋根もトタンに変わっている。
 
以前は右に隣家があったが解体され駐車スペースになっている
そこを挟んで管理されている明治40年建築の蔵がありアートスペースとして活用されている。
 
 
 
 

2022年6月撮影
 
 
 

「H氏家住宅」 *函館の建築探訪NO75

所在地 弁天町14
建築年 明治40(1907)年
指定等 歴風文化賞
開館時 なし
 
 
古物商と住居を兼ねた純和風で建てられた建物
2階の窓手すりは木製から鉄製へと、窓枠は木製からアルミ製へと変わったが
以前の雰囲気とは変わらないらしい。
 
特色としては方型の屋根、2階部分の張り出し、板堀などこの地区には
珍しい造りとなっている。
 
 
 

2022年6月撮影
 
 
 

「伴田商店所有住宅」 旧新栄医院 *函館の建築探訪NO79

 

所在地 弁天町6-10
建築年 大正5(1916)年
指定等 市景観形成指定建築物
開館時 なし
 
未訪問
 
 
 

「松本家住宅」 *函館の建築探訪NO81

 

所在地 弁天町6-9
建築年 大正10(1921)年
指定等 歴風文化賞
開館時 なし
 
未訪問
 
 
 

「旧函館どっくクレーン」 *函館の建築探訪NO87

 

所在地 弁天町20
建築年 昭和48(1973)年
指定等 歴風文化賞
開館時 なし
 
未訪問
 
 
 
 
つづく

函館市の建築探訪 大町編

2022-07-16 16:26:03 | 函館市

大町は末広町から西へ続く街で、弁天町と弥生町に囲まれ北は海だ。

この地区も古い建物が残り、小規模な店舗や住宅が並ぶ。

紹介の順番は北海道新聞社発行の「函館の建築探訪」1997年発行のNO順で行きます。
もはや20年以上前の本なので現存していない建物もあり。

 

「生田ステンドグラス函館」 旧植木家住宅 *函館の建築探訪NO52

所在地 大町1-33
建築年 明治42(1909)年
指定等 歴風文化賞、伝統的建造物
開館時 9:00 - 17:45 年中無休(但し、予約がなければ土・日・祝は休日)
 
 
函館の特徴的な、上下和洋折衷住宅。
 
長年住宅として使用されていたが、平成5(1993)年より「ステンドグラス工房」となる。
「基坂」に面しており坂の上から見える小窓の窓桟はひし形で、他は縦長窓になっている。
1階はささら子下見板張りが歴史を感じる。
 
 
 

2022年6月撮影
 
 
 
 
 

「相馬株式会社」 旧相馬合名会社 *函館の建築探訪NO60 

所在地 大町9-1
建築年 大正3(1914)年
指定等 歴風文化賞、伝統的建造物
開館時 なし
 
 
創業の相馬氏は函館でも有名な豪商であり、この建物は洋風建築として
やはり函館を代表するものだ。
 
ほぼ創建当時の姿を残しており、モスグリーンも戦時中は茶色に変えたが
この色を守っているらしい。
 
ペディメントやドーマ窓、軒下、胴蛇腹の飾りパネル、持ち送り、うだつなどを見ることが出来る。
 
海のすぐそばに建ち、訪れた人が思わず撮影をしたくなるような
素晴らしい建物だと思う。
 
 
 
 
 
 
 
2022年6月撮影
 
 
 
 
 

「O氏家住宅」 *函館の建築探訪NO61

所在地 大町1
建築年 大正7(1918)年
指定等 歴風文化賞
開館時 なし
 
 
函館市で現存している歴史的建物では上下の和洋折衷建築が多いが
この住宅は蔵を持つ純和風建築である。
 
奥行きのある大きな住宅で部屋数は、かつて12にのぼるという
建築材も贅沢に使われているようだ。
 
奥に洋館があるので後に改修して洋風にしたのでは?と推察する。
 
 
 
 

2022年6月撮影
 
 
 

「K氏家住宅」 旧小林写真館 *函館の建築探訪NO62

所在地 大町2
建築年 明治40(1907)年
指定等 歴風文化賞、市景観形成指定建築物
開館時 なし
 
 
「函館の建築探訪」によると本の発行時点で、現存する写真館として北海道最古の洋風建築とある。
 
昔は大看板とバルコニーがあったそうだが、それがあると大分見方が変わる。
後、右側の1階出窓の手前にも部屋があった。

内部も写真館だけに当時のハイカラな雰囲気があるそうだ。
 
 
 
 

2022年6月撮影
 
 
 

「中華会館」 *函館の建築探訪NO64 

所在地 大町1-12
建築年 明治43(1910)年
指定等 国登録有形文化財
開館時 なし
 
 
設計監督者や彫刻師をはじめ全工人はもとより、木材もすべて中国から
集めたもの。
 
時代は清朝末期であり、細部にわたる装飾性豊かなデザインは時代を現わせている。
内部には三国志の英雄「関羽」を祀っているそうだ。
 
内部に入ることは出来ないが外壁だけでも、廻りに異彩を放つ中華建築を見ることが出来る。

横浜や神戸の中華会館が戦争中に失われ再建したものなので
全国的に貴重である。

 
 
 
 
 
 

2022年6月撮影
 
 
 
 
 

「コーヒーハウスJOE」 旧遠藤吉平商店 *函館の建築探訪NO65

所在地 大町9-14
建築年 明治18(1885)年
指定等 市景観形成指定建築物
開館時 なし
 
 
この店名の「JOE」は「新島襄」からとったものであり、新島襄海外渡航の記念碑が店前の岸壁に建てられている。
 
建物は漆喰塗りのレンガ造り。
内部はカフェとして改造されたが、3連アーチや2階のアーチ窓は創建当時のままである。
 
店は閉店して久しいが、傷みが目立つので再活用の予定はないものか。
 
 
 
 

2022年6月撮影
 
 
 
 

「民宿室屋」 旧森宇兵衛商店 *函館の建築探訪NO66

所在地 大町9-17
建築年 明治42(1909)年
指定等 市景観形成指定建築物
開館時 現在は函館元町ホテル 別邸「開港庵」
 
 
海の街である函館には海産商が多かった
この建物も海産商の店舗として建てられた。
 
木造2階建てで部屋が16もあるそうだ
奥を見るとさらに大きな棟がある
これは当時の繁栄を物語るもの。
 
現在は、その大きさを生かしてか宿泊施設として活用している。
 
 
 
 
 

2022年6月撮影
 
 
 
 
 

「旧函館西警察署庁舎」 旧函館水上警察署庁舎 *函館の建築探訪NO68

所在地 大町13-1
建築年 大正15(1926)年
指定等 市景観形成指定建築物
開館時 9:00~17:00
    休館日 土日祝、12月29日~1月3日
    入館料 無料
 
 
この建物は平成18(2006)年に解体され、翌年に復元されたものなので
厳密には古い建物とは言えない。
 
角を曲面でしあげ4本の太い柱が警察署の威厳の醸し出していた。
 
解体はしたが、忠実に復原したとある。
それからは、「函館市臨海研究所」として水産・海洋関連事業の技術の高度化や水産振興に貢献する研究施設として再整備された。
 
 
 
 

2022年6月撮影
 
 
 
 
 

「M氏家住宅」 *函館の建築探訪NO80

所在地 大町5
建築年 明治43(1910)年
指定等 歴風文化賞、市景観形成指定建築物
開館時 なし
 
 
京風の町家の風情を持つ純和風の住宅で、よく目立つ建物だ。
補修の際も創建時を残すようにしたらしい。
 
内部の造りも見事なようで襖や欄間などがよいそうだ
撮影時は風と雨で満足な写真にならなかった。
 
 
 
 
 
 
ここからは2021年に発行された「北海道建築物大図鑑」に新たに収録された
建物を載せていきます。
現役住宅はイニシャルにし地図は載せません

また、何らかの指定、賞があるものと
他のブログ等で紹介されたもの、探索中にいいなと思った建物です。

「レトロな建物を訪ねて」様
「関根要太郎研究室@はこだて」様 からも引用させていただいています。

 
 

「函館元町ホテル 屯所の庵」「旧喫茶蔵」 旧旧桂久蔵邸土蔵 *北海道建築物大図鑑

所在地 大町4-6
建築年 明治42(1909)年
指定等 なし
開館時 なし
 
 
かつてのこの場所は、明治12年まで称名寺の境内で、箱館戦争時は土方歳三が市中取り締まりの任に就き、
新選組屯所となった場所である。
 
その後、青森から渡ってきた桂氏の所有になり千島・樺太など幅広く漁業を営み「桂御殿」と呼ばれる豪邸を建てた
土蔵はその一部と言われる。
改装はされたそうだが、喫茶で利用をしたら100年の歴史を持つ小屋組みが見られるようだ。
 
 
 

2022年6月撮影
 
 
 
 
 

「旧大洋漁業事務所」 

所在地 大町8
建築年 大正2(1923)年ころ
指定等 なし
開館時 なし
 
 
外壁のライトブルーが美しい、上げ下げ窓や胴蛇腹など函館の典型的な洋風建築。
1階は和風の建物をたくさん見てきたが、横に並ぶ連続窓や玄関は洋風で、元々事務所だったことを想像させる。
 
2階の下見板貼りはライトブルーを一層美しく見せる
白地の窓枠が映えて、この配色はとても素敵だ。
 
 
 

2022年6月撮影
 
 
 
 
 

「橋谷家住宅・旧店舗」 

所在地 大町6-12
建築年 大正10(1921)年
指定等 なし
開館時 なし
 
 
この個人宅は人の気配がなく洋館の玄関廻りのシートは崩壊や落下物の防止に見える。

それにしても大きなお宅だ
市電に面して石貼りの洋館と石蔵、角を曲がると木造の洋風住宅があった。

洋館はシートがされる前に正面を見たかった
門があり、きっと素敵だったのだろう。

蔵は横面から見ると大きさの違う窓があり鉄扉がついている。 

木造の建物は和洋折衷で格子と縦長の上げ下げ窓が函館らしい
さらに並んでもう一つ蔵があり、こちらの窓は上下になっているので
先の蔵と意匠違いにしたものか?
 
 
 
 
 
 

2022年6月撮影
 
 
 
 
 

「モストリー」 

所在地 大町9-15
建築年 明治43(1910)年
指定等 なし
開館時 
 
 
コーヒーハウス・ジョーの隣にあるレストラン。

ここは船具店として建てられたようだ
外壁はモスグリーン、枠や窓枠も白地に塗られていい感じだ。
 
函館では1階が和風、2階が洋風の和洋折衷建物を多く見るが、1階部分も洋風下見板貼りというのは比較的珍しいとのこと。
 
「モストリー」は内部もレトロな装飾のようで、落ち着いた雰囲気で食事も評価され特に女性に人気のレストランだそうだ。
 
 
 

2022年6月撮影
 
 
 
 

「港の庵」 旧旧松橋商店

所在地 大町8-26
建築年 明治35(1902)年
指定等 市都市景観賞
開館時 なし
 
 
明治35年築のこの建物は、当時米穀店と海産商を営んでいた松橋像作氏によって建てられた。
建物は道路側から煉瓦造、木造、土蔵という3種類の建物がつながっているという、珍しい構造になっている。
 
その後、明治時代の意匠に復元したが、その工事の際に出現したのが玄関戸の上部壁にある明治時代からの装飾とのこと。
現在は一般公開しておらず、イベントの際に中がみれるかもしれない。
 
 
 
 

2022年6月撮影
 
 
 
 
 

「蔵のある和洋風住宅」 

所在地 大町1
建築年 不明
指定等 なし
開館時 なし
 
 
こちらのお宅は和風住宅が2棟、洋風1棟、蔵風の建物1棟と大きな住宅だ。
 
表通りに面している和風住宅は木造部分と格子は以前からのようで、屋根は改修しているようだ。
隣の蔵風の建物もきれいに改修されている ここは住宅に使用しているかも知れない
 
奥に繋がる和風住宅は窓桟が大正風でモダンだ。
 
 
 
2022年6月撮影
 

函館市の建築探訪 末広町編④

2022-07-12 22:43:15 | 函館市

末広町のラストです

ここからは、何らかの指定、賞があるものと
他のブログ等で紹介されたもの、探索中にいいなと思った建物です。

「レトロな建物を訪ねて」様
「関根要太郎研究室@はこだて」様 からも引用させていただいています。

 

「カフェマリオドール」 

所在地 末広町12-8
建築年 昭和10(1935)年
指定等 なし
開館時 営業時間:10:00~19:00/火曜日10:00~16:00
    定休:第3木曜日(但しお盆の時期又は祝祭日にあたる場合は翌週の木曜日)
 

この建物前に来た時が雨のピークで、傘を差しながらの撮影は苦しい
正面に出窓2つを配置し、胴蛇腹で1階は和風、2階が洋風の函館市典型的な和洋折衷住宅に思える。
 
とてもすっきりした佇まいだ。
現在のカフェマリオドールは2012年に移転してきたアンティーク喫茶店
ソフトクリームが人気だそうだ。
 

2022年6月撮影
 
 
 

 

「エビス商会」 

所在地 末広町17-11
建築年 大正11(1922)年
指定等 なし
開館時 なし
 
 
現在のエビス商会は海産物などの食品卸会社で、竣工時の施主は毛皮商で、店舗兼事務所だったとのこと。

市電通りにあり古さでよく目立つ建物だ
鉄筋コンクリート造りで耐火建築となっており、その外壁は年期と歴史を感じる。
 
上部のロゴの装飾はエビス商会のものであろうが、なるほど囲む装飾に比べると新しく見える。
隣は大三坂で、少し登って裏や横からみるのもよいだろう。
 
 
 

2022年6月撮影
 
 
 
 
 

「来々軒」 

所在地 末広町16-3
建築年 昭和35(1960)年
指定等 なし
開館時 なし
 
 
エビス商会と市電を挟んで向かいにある
向かって左隣には「函館北辰電気」が2017年まであったようだが、解体された。
 
そのおかげというか、建物の奥行がかなりあることがわかった。
この建物は内部に魅力があり、中央の仕切りにアーチの連続を配し、バーカウンター状の上部も
曲線をつけている 元は水商売系のお店だったのだろう。
 
来々軒は残念ながら2016~2017年くらいで廃業したようだ。
もう中を見ることは叶わないのだろうか。
 
 

2022年6月撮影
 
 
 
 
 

「Beer Bar山下」 

所在地 末広町16-3
建築年 昭和9~(1934~)年
指定等 なし
開館時 20:00~2:00 定休日:日曜日
 

来々軒の隣にあるビル
建物の上部と横側に店名?があるようだが、一部は無くなっている
横側には「・・・YOFUKUTEN」と読めるので衣料の店舗だったのだろう。
 
2階の窓に円柱のような造りがあるのが特徴的
一応2階はテナント募集中のようだ。
 
隣の来々軒同様に奥行のある建物で
1階のバーはビールの種類が豊富らしく常連も多いらしい。
 
 
 

2022年6月撮影

 
 
 
 

「函館シーシャサロンコットンボーイ」 旧旧仁壽生命函館支店

所在地 末広町18-25
建築年 大正13~(1924~)年
指定等 伝統的建造物 都市景観賞
開館時 15:30~23:30 定休日:水曜日(函館シーシャ・cotton boy)
 
 
大三坂にありエビス商会とは坂を挟み向かいになる
正面からみると坂上部に蔵、間に入り口があり坂下部に白地に曲線が印象的な建物となる
 
上部のテラコッタ装飾や入り口庇の持ち送り金物などに特徴があった。
仁寿生命の後は海運会社の社屋として使われた。
 
その後、大三坂ビルヂングとして再生し、現在はテナントでコワーキングスペース、ゲストハウス
珍しい水煙草の店で函館シーシャ・cotton boyなどが入店している。
 
 
 
 
 

2022年6月撮影
 
 
 
 
 

「A氏家住宅」 

所在地 末広町18
建築年 大正(1921)年
指定等 伝統的建造物
開館時 なし
 
 
大正10年建築で古い住宅だが補修、外壁の改修をしながら管理されている
屋根と玄関の持ち送り、またよく見ると屋根庇の蛇腹が歯飾りになっている

ちょっとした箇所が現存しており、歴史を感じる。
 
 
 

2022年6月撮影
 
 
 

「きんぎょ茶屋」 

所在地 末広町20-18
建築年 不明(築100年~)
指定等 なし
開館時 10:00~17:00(5月~10月)
    定休日:水曜日、第二、第四木曜日
 
 
市電通りにあり、黒字に赤の入り口、窓がよく目立つ
改装された外壁を横側にたどると、当時の造作らしき古い箇所があった。
 
もしかして1階部分の出窓は縁側で庭があったのかも?
2階は和風の出窓なのだろうか。
 
きんぎょ茶屋は岐阜県に本店があり、岐阜風のモーニングが味わえるカフェ、雑貨店で
いわゆる古民家カフェである。
 
 

2022年6月撮影
 
 
 
 
 

「中村呉服店」 

所在地 末広町20-18
建築年 平成10年改装
指定等 都市景観賞
開館時 9:00~18:00
    定休日 日曜、祝日
 
 
中村呉服店は市電通りにあり「きんぎょ茶屋」の隣だ
明治36年創業で大正6年に現在地に移転している。
 
以前の店舗は函館典型の和洋折衷で1階が和風の店舗、2階が洋風住宅であった。
現在の建物は平成10年に改装されたものだ。

4つあった縦長窓は、当時の意匠と似せて今も正面を向いている。

 
 
 

2022年6月撮影
 
 
 
 
 

「佐藤木公郎建築設計事務所」 

所在地 末広町21-12
建築年 不明
指定等 なし
開館時 なし
 
 
末広町でもハジにあり、海のすぐそばで道路を渡ると相馬株式会社がある大町になる。
 
平屋で横に長く、いくつもある縦長窓と外壁の色が特徴
会社は1977年の創立だが、新築で入居 とは違う気がするが
 
 
 

2022年6月撮影
 
 
 
 
 

「SEC末広ビル」 旧函館貯蓄銀行本店 

所在地 末広町22-1
建築年 大正15(1926)年
指定等 なし
開館時 なし
 
 
SECは函館のIT企業で、末広ビルの隣が本社、電車通りを挟んで電算センターがある。
 
元銀行ということでは、その電算センターもそうだし、道路を挟んで隣に旧安田銀行をリノベーションしたホテルがあり
各銀行が集約された地区だ。
 
縦長窓と正面入り口付近だけが銀行建築を思い起こせ
やはり隣の旧安田銀行と比べると少し寂しいか
後年に改修している可能性もあり。
 
 
 
 
 
 

2022年6月撮影
 
 
 
 
 
 

「S氏家住宅」 

所在地 末広町23
建築年 昭和9(1934)年
指定等 伝統的建造物
開館時 なし
 
 

1階正面に洋風出窓を持ち、2階には2連窓を持った建物で、外壁と隅柱を人造石洗い出しで仕上げている。

両開きの玄関ドアが素敵で、入り口の縁石もデザインがある
訪問時には人の住んでいる気配がなかった。

 
 

2022年6月撮影
 
 
 

「S氏家住宅」 

所在地 末広町23-25
建築年 大正10(1921)年
指定等 伝統的建造物
開館時 なし
 
 

1階は玄関の格子建具、簓子下見板張りや胴蛇腹、2階は南京下見板張りで横長窓、軒蛇腹、持ち送りを持っており、
屋根は寄棟造で菱葺きである。

玄関廻りは新しい補修のようだ 2階出窓の窓桟が印象的
先の「S氏家住宅」とは隣同士である。

 

 

2022年6月撮影
 
 
 
 

「川越電化センター隣の倉庫」 

所在地 末広町18-29
建築年 不明
指定等 なし
開館時 なし
 

川越電化センターとの間は仕切戸があり、センターの所有倉庫と推測する
形状から倉庫かと思うが、市電通りに面して2階の窓桟が印象的な縦長窓が並び、
横側には1階に搬入口?と連窓がある。

 
 

2022年6月撮影
 
 
 


「北方歴史資料館」 

所在地 末広町
建築年 昭和63?(1988?)年
指定等 なし
開館時 なし
 
 
この資料館は高田屋嘉兵衛の北方航路開拓の拠点函館・末広町に高田家代々の遺品・史料を現代に伝える目的で
昭和63年に創立された。
 
市電通りにあり、レンガタイル?と石で堂々とした正面で、ツタが絡まり雰囲気もよい
しかし入り口のガラスが割れているのが気になり確認をしてみると
資料館は平成25(2013)年に閉館していた。
 
 
 

2022年6月撮影
 
 
 
 
 

「函館カネサ商店」 

所在地 末広町15-6
建築年 明治42(1909)年
指定等 伝統的建造物
開館時 11:00~18:00
    定休日 不定休
 
 

平成29年に外観が復原された建物で,1階は和風で堅繁格子の出窓,2階は洋風で縦長窓を等間隔に配している上下和洋折衷様式の建物である。

ご覧の通りきれいですっきりした建物だ
看板が無いのは伝統的建造物の指定がされているので取り付けが出来ないからとか

カネサ商店は、駄菓子、たい焼き、たこ焼きなどを販売しており
訪問時は修学旅行の生徒がいた。

 
 

2022年6月撮影
 
 
 
 
 
 

尾木咖喱」 

所在地 末広町14-3
建築年 不明
指定等 なし
開館時 [月~水・土・日]11:00~15:00 [祝前日]11:00~17:00 日曜営業
    定休日 木曜日
 

尾木カリーの情報はほとんどなく、周りが何らかの形で歴史的建造物になっているが
この建物だけが何もない
 
縦長窓とかで昔の建物に似せたのかと思ったけど
庇の持ち送りと、あったであろう庇の蛇腹の痕跡がある。
 
だとすると改修はしているが、古い建物かも知れない。
 
 
 

2022年6月撮影
 
 
 
 
 

「旧レストラン中央亭」 

所在地 末広町8-11
建築年 不明
指定等 なし
開館時 なし
 
 
先の「尾木カリー」と共通しているのが、両隣が歴史的建物と認識されているのに対し
この建物は、あまり情報がない。
 
確かにこう並んでみると、ここだけが窓の形状も、壁の具合もまだ新しめである
以前は最上部の場所に装飾などあったのだろうか
ここは隙間なく4軒並ぶからよいと思う。 
1階右側から抜けると屋外駐車場があるようだ
 
 
 
 

2022年6月撮影
 
 
 
 
 
 

「農楽向かいの白い蔵」 

所在地 末広町18-4
建築年 不明
指定等 なし
開館時 なし
 

探索中にとても綺麗な蔵を見つけたので。
 
小樽では敷地の奥に蔵があったと記憶しているが
函館はどちらかというと前面に出ている蔵が多いように感じる。
 
それもきれいな蔵が多いのは常に人の目があるからだろうか?
 
 

2022年6月撮影
 
 
 
 
 

「グリーンゲイブルズ」 

所在地 末広町20-3
建築年 不明
指定等 なし
開館時 11:00~18:00 日曜営業
    定休日 月曜日
 

グリーンゲイブルズとは、アンが住むことになったカスバート家の屋号のことで
「赤毛のアン」がモチーフ。

ツタやバラで全体のファサードはわかりづらいが、中央の入り口はアーチになっており
アプローチもあるが植物を這わせるためだろう。
 
入り口両サイドに窓、2階にも2つ窓がありシンメトリーである。
店内はアンティークで飾られている。

ここは函館出身の「元JUDY AND MARYのYUKI」がよく利用したカフェで
ファンからは聖地扱いとなっている。
函館には同じく出身のバンド「GLAY」の聖地もあるという。
 


2022年6月撮影
 

 
 
以上で末広町は終わります
元町以上に歴史的建物が多いと感じた。
 
元町より平地が多いのもあるだろうし、大火があれば都度、末広町から建て直しがあったからか
いずれにしても、もう一度歩けばきっと新たな物件が見つかるだろうと思う。
 
 

函館市の建築探訪 末広町編③

2022-07-10 19:54:42 | 函館市
末広町続きます
 
ここからは2021年に発行された「北海道建築物大図鑑」に新たに収録された
建物を載せていきます。
現役住宅はイニシャルにし地図は載せません
 

「旧箕浦公證役場」 旧imaizumi *北海道建築物大図鑑

所在地 末広町8-11
建築年 大正10(1921)年
指定等 なし
開館時 なし
 
 
銀座通りにはレトロの特徴があるビルが並んでいる箇所があるが、ここがその一つ

元は公証役場だからか、3階建ての建物に装飾が多くある
シンメトリーなファサードで縦長窓の印象と中間のひし形の模様も素敵だ。
 
建物は、その後アンティークショップとなり現在は空き家のようだが
通りの重要な景観となっている。
 

 
 
 
 

2022年6月撮影
 
 
 
 
 

「Lサイズエールもりや」 旧市水商会 *北海道建築物大図鑑

所在地 末広町14-5
建築年 明治42(1909)年
指定等 伝統的建造物
開館時 なし
 
 
この近辺は海が近いだけに海産物商が多く集まっていた
店舗兼住宅で海産物商に建てられたもの。
 
並びに守屋家や旧深谷米穀店などが現存しており、歴史を感じる通りである。
守屋家同様に1階は、ささら子下見板張りで格子を設けている
2階は洋風でやはり縦長上げ下げ窓、胴蛇腹などとても似ている。
 
 

2022年6月撮影
 
 
 
 
 

「守屋家住宅」 *北海道建築物大図鑑

所在地 末広町14
建築年 明治42(1909)年
指定等 伝統的建造物
開館時 なし
 
 
正面から見ると典型的な和洋折衷住宅だが、奥行きがあり市内の一般的な町屋とは異なる。
1階は、ささら子下見板張りで、胴蛇腹に軒蛇腹、2階には縦長の上げ下げ窓を3つ設けている。
 
きれいに管理されて見えるが、訪問時は使用されているように見えなかった。
隣の建物と施主が同名だが、元々は別々の施主である。
 

 

2022年6月撮影


 

「日本最古のコンクリート電柱」 *北海道建築物大図鑑

所在地 末広町15
建築年 大正12(1923)年
指定等 なし
開館時 なし
 

これはとても珍しい電柱で、高さ10メートル
角錘形で底辺が47センチ、上辺が19.5センチである。
 
現存する日本最古のコンクリート電柱で、函館は何度も大火に見舞われており
従来の木造から鉄筋コンクリート造りに変わったのだろう。
 
現在も現役で使用されており、場所は二十間坂を下った先の交差点近くにある。
 


2022年6月撮影

 
 


「金のこころ」 旧本久商店倉庫 *北海道建築物大図鑑

所在地 末広町16-13
建築年 大正10(1921)年
指定等 なし
開館時 現在は「H.M.Works ozigi 函館麦酒醸造所」
    営業時間12:00~22:00(LO21:30)
    定休日火・水曜日
 
 
元は函館を代表する酒屋であった、本久商店の酒蔵である。
酒、味噌、醤油などの貯蔵に使われていた。
 
隣が空き地になっているが、以前は店舗があったようだ
蔵は大きな屋号なのでとても人目に付く
さらにアーチの窓で外観がモダンに見える。

外壁はレンガ造りで青く塗られている
だからか白い枠などがよく映える。
 
その後、飲食店になり洋菓子店を経て現在のビールを中心とした飲食店になった。
 


2022年6月撮影
 
 
 


「箱館元町の宿 饗場」 旧旧饗場守三住宅兼診療所 *北海道建築物大図鑑

所在地 末広町20-2
建築年 明治42(1909)年
指定等 伝統的建造物
開館時 現在は「元町の宿 雪月花」が1日1組限定にて宿泊、3LDKの1フロア貸切。
 
 
饗場氏は市立函館病院の第七代院長であった
独立して住宅を兼ねて建設したのがこの診療所。
 
大正期までは診療所、その後住宅や寮、旅館を経て現在は貸し切り宿泊施設に改装中であった。
綺麗に塗装された外壁と白窓枠、赤い屋根とよく目立ちモダンさが伺える
おそらく外観のレトロさを活かした素敵な施設になるでしょう。
 
 
 
 

2022年6月撮影
 
 
 


「K氏住宅・付属土蔵・所有住宅」 *北海道建築物大図鑑

所在地 末広町20
建築年 大正6(1917)年
指定等 伝統的建造物、歴風文化賞
開館時 なし
 

大図鑑には住宅・土蔵と所有住宅とあるが左隣にある所有住宅は、改築をされており
昭和前半の建築とされた面影はなかった。
 
施主は岐阜から来た海産商で、かなりの財を成していたそうだ。
住宅は全面がささら子下見板張りで、出窓も和風に仕立てられた純和風の建物である。

木曽ヒノキを使用し3年かけて建設したそうな 中の意匠も優れているとのこと。
土蔵の基礎は石積みで、やはりささら子下見板張りに漆喰塗り よく管理されているようで
きれいだった。
 
 
 

2022年6月撮影
 
 
 

ここからは、何らかの指定、賞があるものと
他のブログ等で紹介されたもの、探索中にいいなと思った建物です。

「レトロな建物を訪ねて」様
「関根要太郎研究室@はこだて」様 からも引用させていただいています。

 

 

「旧山口耳鼻咽喉科医院」 旧平野病院 

所在地 末広町3-2
建築年 昭和9(1934)年
指定等 なし
開館時 なし
 
 
パッと見は、そんなに古い建物に見えないが、近づいてみると外壁やタイルが剥がれたりしている
2階縦長窓の連続や階段室?のさらに細長い窓が印象的だ。
 
記録を見ると病院が続いたようだが現在は未使用のようだ
角地にある建物なので、何らかの形でも活用されないだろうか。
 
 
 

2022年6月撮影
 
 
 
 
 

「操車塔」 

所在地 末広町5
建築年 昭和14(1939)年
指定等 なし
開館時 なし
 
 
函館市市電のポイント切り替えと電車信号標示を手動による遠隔操作をするために建てられた。
以前は市電の6か所のポイントにあったのだが、自動化に伴い廃止された。
 
この操車塔は市電で唯一現存する最古の操車塔だ
現役時は交差点の内側に設置されて、その後にここに移転、保存されている。
 

 

2022年6月撮影
 
 
 
 
 

「旧カフェー三の糸」 

所在地 末広町7-14
建築年 大正11(1922)年
指定等 なし
開館時 なし
 

大正10年の大火後に銀座通りには火防線の指定を受けて耐火建築の建物が建った
繁華街として「カフェー」がたくさん建ち、賑やかな街だったのだろう。
 
この建物も当時の1棟のようで、すっきりしたファサードで縦長窓を持つ
数年前までは左隣にも同じようなカフェが入ったビルがあった。
 
 

2022年6月撮影
 
 
 
 
 

「宝来パン本店」 

所在地 末広町7-15
建築年 大正11(1922)年
指定等 なし
開館時 なし
 

やはり大火後の耐火建築で縦長窓が多く、装飾もある
特に上部の装飾は当時でも洒落ているのでは。
 
ビル自体の所有者が宝来パンなのかは不明だが
残念ながらパン店は廃業したようだ。

60年以上は使われているショーケースや時代を感じる壁のポスターなど 
昔の写真に残るレトロな店内でパンを購入したかった。

 
 
 

2022年6月撮影
 
 
 
 
 

「銀座天満つ」 

所在地 末広町7-15
建築年 平成
指定等 市都市景観賞
開館時 閉業
 
 
旧宝来パン本店ビルと旧カフェー三の糸ビルに挟まれており
その特異なファサードから当然、歴史的建物と思ったが竣工は平成だ。

しかし銀座通りであり両隣に合わせたようなデザインにしたのは、やはり調和を考えてかと思う
そんな意味で「都市景観賞」を授与されたのではないかと推察する。
 
正面上部のエビ天の装飾がとても面白いが、残念ながら「銀座天満つ」は閉業した。
 


2022年6月撮影

 
 
 
 

「旧マルダイストア」 

所在地 末広町7-16
建築年 昭和9(1934)年
指定等 なし
開館時 なし
 
 
昔の建物はビルの名前を表示することはなかったのだろう?
札幌では中心部のほとんどのビルにビル名の看板などが縦付けされている。
 
なんとも印象的な色のこの建物はスーパーだったらしい
昔は大店舗のスーパーなどなかったのでこのような規模の店が多かった。
ウチの実家の近くにもこんな感じのお店があったなあ
 
もっともモダンかレトロかなど思いもよらなかったけど。
 
 

2022年6月撮影
 
 
 
 
 

「旧喫茶プロスパー」 

所在地 末広町7-16
建築年 大正11(1922)年
指定等 なし
開館時 なし
 
 
宝来パン本店のように上部に装飾がある
銀座通りのレトロ建物が連なるのは、この建物までで後は単体だ。
 
計画的に残っているのか、地権者の絡みがあるのかはわからないが
よくこれだけの古い建物を補修しながらでも残しているなあと思う。
 
ここもカフェに使われたようだが、この通りがいかに繁華街だったかわかるようだ。
 

 

2022年6月撮影
 
 
 
 
 
 

「松屋 金子商店」 

所在地 末広町8-12
建築年 大正10(1921)年
指定等 なし
開館時 現在は「Woodrow`s British Pub」が営業中
    18:00~24:00 定休日 月曜日
 
 
銀座通りのレトロビル群の一つ、ラッキーピエロの隣の各地にある
大正10年の大火後に造られた建物であろう
正面側の窓は金属?でふさがれているが以前は縦長の上げ下げ窓かなと思う。
 
上部には痛みが目立つがこの1列ではそんなに目立たない
以前は結納品やお祝い品を扱う金子商店も営業し、店舗として使っていた。

現在はブリティッシュパブが営業している。
 
 
 

2022年6月撮影
 
 
 
 
 

「大二物産」 旧金森三星堂 

所在地 末広町10-3
建築年 明治27~(1894~)年
指定等 なし
開館時 なし
 
 
この密着している2つの建物は、元は金森のものとのこと。
函館にはいくつの金森系の建物があったのだろうかと思うくらい目につく。
 
大二物産のほうは独特のファサードが目立つが明治時代のレンガ造りだそうだ
やはり大火を見越しての防火造りにしたのだろうか。
 
隣の本郷計測器㈱も元金森の建物で、大正時代の建物だ
どちらも正面をきれいにしてあるが裏手や内部には歴史を感じるかもしれない。
 

 

2022年6月撮影

 
 
 
 
 
「本郷計測器㈱」 旧一二堂

 
所在地 末広町10-3
建築年 大正11(1922)年
指定等 なし
開館時 なし
 

本郷計測器㈱は創業100年を超える老舗だ
秤、温度計、測量機器などを扱い以前は金庫を製造していたそうだ。

建物は隣の大二物産と密着している これは竣工時はどちらも「金森」のグループだからだそうだ。

 

2022年6月撮影
 
 
 
 
 

「函灯」 旧丸豆岡田製麺末廣工房

所在地 末広町11-11
建築年 昭和9~(1934~)年
指定等 なし
開館時 休業中?
 
 
函館の典型的な1階は和風、2階は洋風の住宅かと思ったら
1階は製麺工房のようだった。

宿泊施設の「函灯(はこあかり)」となるまで数度の改修工事があったようで、サイトには乃村工藝社の施工と出ている。
また2019年秋にも工事をしており、外壁の塗装と2階は窓廻り、1階は入り口など造作も変わっている
 
しかし現在は宿泊施設として予約は受けておらず、次の使い方を模索中なのかもしれない。
 
 
 

2022年6月撮影