札幌・北海道のレトロ建物大好きおぢさん日記

札幌(北海道)のレトロでモダンな建物を見たり撮影するのを趣味としています。

小樽市の建築探訪⑤

2024-08-17 22:10:09 | 小樽市

今回は1年ぶりに小樽市を軽く廻って来ました

中心部よりは少し外れた場所にある建物を中心に。

 

まず「住ノ江町」
札幌から来ると国道5号線に近く札幌寄りで、かつレトロな建物が多いのでよく寄ってしまう

今回は明確な目的の2軒があったため 他に一緒に見た建物を。

 

まずは閉鎖になった教会

「カトリック住之江教会 旧佐々木静二氏邸」

 

明治30年建築の個人住宅であったが、カトリック教会で利用されていた

が、
残念ながら人口減少による信者の減少で、こちらは閉鎖し「富岡教会」に集約した形になった。

 

外側はきれいで中も一度入らせていただいた
広い駐車場もあるし今後の活用が楽しみでもある。

 

2024年8月13日撮影

 

 

「旧佐藤銀平氏邸」


大正初期の建築である

こちらはしばらく空き家の状態が続いていたが、この8月に店舗として再活用オープンしたとの情報を得た。


残念ながら定休日だった

 

空き家の状態が長かったので補修が大変だったのは容易に推測できる
前回の訪問時では草ぼうぼうだった裏手(山側)は駐車場として綺麗になっていた。

 

※2023年8月撮影

 

これが現在

 

また割れていたガラスなどもきちんと修復されている
この裏手から入店できるようにきれいなアプローチが出来たのも驚いた

正面玄関からは本日定休日のためひっそりとしていたが
花や陶器の複合店のようで喫茶も始めるようだ?



近日中に入店してみたい

2024年8月13日撮影

 

 

 

「解体された古い洋館跡地」

 

前回の訪問ではすっかり解体された後を見たが、高台にあるため全貌は見えなかった

跡地だけだが、今度は山側の道路に行って見ると跡地がちゃんと見えた。

ぽっかり空いたスペースを見ても結構な敷地だったのだなと思った
しかし建物があった頃も同じ場所に来ているが建物に気づかなかった?
木々が多くて見えなかったかも知れない。

残念ながら建物の再活用はかなわなかった

 

※2022年2月撮影

 

これが現在の跡地 草の短い部分に2つの住宅があった

2024年8月13日撮影

 

 

「佐野邸蔵」

 

後年に母屋が別所に移ってしまった
明治44年の建築である。

今も昔も住ノ江町は高台で海を遠くに望める
2代目の施主がニシン漁場の親方だった
やはり親方ともなれば海を望む高台に住むのだろうか

施主が変わった時には蔵にはまだ漁網などが入っていたとのこと。

 

2024年8月13日撮影

 

 

「丸ヨ石橋家別邸洋館」

 

おなじみの建物で大正期に建てられたものだ
一緒にあった本邸はすでに解体されており別邸が残った

 

奥行きのない建物とファサードから、新しい住宅が増えているこの地区で一際異彩を放っている。

再活用は難しそうなので情報に注視したい

2024年8月13日撮影

 

 

「小樽住ノ江火の見櫓」

 

新聞などにも掲載され有名になった火の見櫓は
昭和2年の建造物で、その後昭和61年に現在の場所に移築された。

令和4年に「小樽住ノ江火の見櫓をまもる会」が結成され
管理・保存・活用の取り組みを進めている。


火の見櫓自体を見ることがほとんどなくなったので
とても貴重な建造物だ

屋根部分の作りがモダン

 

2024年8月13日撮影

 

 

「住吉神社社務所」


住吉神社はもう何回も訪れている
いつも社務所~赤鳥居~花手水~拝殿のルート

お盆でもあり参拝者が多く感じた
花手水は今回は住吉神社にしては簡素なものだった。

大鳥居越しに見る小樽港がやはり趣きがある
私的には小樽の神社といえば「住吉さん」だ

 

2024年8月13日撮影

 

 

「古民家2軒」


住ノ江町は高台にあり海や街を見下ろす地形にある
ゆえにお屋敷があったり、蔵持ちの家があったりで昔の高級住宅地を思わせる。

その中で、歴史を感じるが建物がしっかりした造りをしているので大事に長く使用している住宅もある

今回は2軒を撮影したが、まだ他にもあるのでとても興味深い町だ。

 

 

2024年8月13日撮影

 

 

「旧青木乙松氏宅はなれ」

 

住ノ江町に来るとどうしても気になってしまう

この地区は高台にあるので入船町を挟んで遠くに「花園町」が見える
綺麗に塗装されたこの建物が目立つのだ。


この住宅は大正5年ごろの建築で、建築主は現在もはなれのすぐ下に住まれている

はなれは病気療養用に建てられたとのこと
花園町の中でも小樽公園が上部にあり環境の良い場所にある
その後、小樽市に寄贈され活用をNPO法人に任された。

 

数年前の冬に見学会があり申し込んで邸内を見学した
邸内には現オーナーの所有物がそのままあるのでSNS等に掲載しないことが条件となっていた。

ここも再活用が待たれる建物だ

 

2024年8月13日撮影

 

 

「旧小樽無盡(株)本店」


※過去画像


昭和10年建築の旧小樽無盡(株)は金融会社で後の北洋銀行になる

その本店は国道5号線と小樽公園から下る公園線が交わる花園十字街にあり、斜め向かいから見る姿がとても良い

明治、大正期の銀行建築と違い、昭和の建築は見た目の荘厳さより機能重視の時代になってきたように思える


前回同様に昼食で利用した
内部ではそこかしこに当時を思わせる造作がある
小樽での食事はなるべく歴史的建物や古民家を再活用した店舗でいただくようにしている。

 

2024年8月13日撮影

 

 

「旧向井呉服店支店倉庫」

 

向かいにあるオーセントホテル小樽で買い物をしたついでに撮影した
ここも何度も来ている建物で場所は中心部「稲穂町」になる

煉瓦造り4階建てであまり類を見ないような縦長のファサードの建物だ
内部は木造で小樽市の倉庫や蔵は木造が多い

 

2024年8月13日撮影

 

 

 

「旧富士の湯住宅」

 

ここで一気に小樽市の西側「錦町」

 

富士の湯温泉は大正時代の創業
住宅部は昭和初期に建てられた 写真は無いが表側が銭湯の入口である

一時は20万人が住んでいた小樽市には当時銭湯が数多くあった
富士の湯も銭湯文化に一役買った風呂屋さんだが
持ち風呂が増え、加えて人口減少により70軒はあったと言われる銭湯はもはや5軒になってしまった。

平成の終わりくらいまでは営業をしていたようなので
近隣の利用者には今でも建物が残っているので残念でしょうがないだろうなぁ

 

2024年8月13日撮影

 

 

「旧日本郵船(株)小樽支店」

 

旧日本郵船(株)小樽支店は明治39年に竣工した「国指定重要文化財」である

2020年から大規模修繕の準備に入り、ついに2024年新しい姿を現した。

※2020年10月当時

 

※2021年4月当時 裏手から

 

※2023年5月当時

 

※2024年8月現在

 


おそらく現在は内部の塗装や張替えを行っていると思われ
見学予定は来年2月から ※延期の可能性もあり。


私が小学生のころ、ここは小樽市立博物館だった
亡くなった親父の軽トラでよく連れていってもらったものだ
興味があったのは昆虫の標本だが、確かに古い洋館を思わせる
佇まいが内部にはあったな

ここは必ず内部見学に行く。

 

ここは小樽運河の北の端 ここで運河は終わる

2024年8月13日撮影

 

 

 

「紅葉橋と佐野貸家」

 

こちらは「緑町」で小樽公園内の市民会館、小樽市公会堂からの下り坂にある

川は於古発川(おこばちがわ)で橋の欄干には印象的な柱が立っており円い電球も感じがよい

柱にある竣工のプレートには「昭和拾年」とある

 

その下流にはこれも印象的な三角屋根の住宅が並ぶ

 

以前は同じような家が並んでいたように思える

この川の両側は昔なら子供の近道や遊び場として、人の家の前を普通に通過したのではないか
よく見ると家庭菜園にしたり自然の花も咲いていた。

 
大林宣彦監督の映画「はるか、ノスタルジィ」(1992年制作)でもロケに使われている
持ち主によると基礎がコンクリートなのでここまでもったようだ。

 

2024年8月13日撮影

 

 

「龍徳寺」

 

こちらは菩提寺なのでお墓参りになります
龍徳寺は「真栄町」にある

本堂は明治9年の建築で小樽市の歴史的建造物に指定されている
また中には「日本一の大木魚」があり、外には小樽市指定第一号の「保存樹木」である「夫婦銀杏」がそびえている


もう何度も撮影しているお寺だ。

 

2024年8月13日撮影

 



「旧国鉄小樽築港駅危険品庫」

 

大正7年に建築された倉庫で国道5号線沿いにある
小樽市内から小樽築港駅を過ぎてすぐ左の駐車場にポツンと建っている。

当時の小樽築港駅舎と一緒に建てられたものだ。

危険品庫は燃えやすい油脂などが貯蔵された倉庫で爆発物とは違う
同様のものは小樽市の手宮にもあり

手宮のは石造りだがこちらは煉瓦造りで目立ちやすいか

 

2024年8月13日撮影