札幌・北海道のレトロ建物大好きおぢさん日記

札幌(北海道)のレトロでモダンな建物を見たり撮影するのを趣味としています。

札幌市南区の建築探訪③ ※定山渓を追加しました

2024-12-13 21:34:53 | 札幌市南区


南区定山渓は歴史のある温泉町
インバウンドなどのブームもあり、宿泊施設は次々とスクラップ&ビルトで新しい施設が多い
だがよく見ると歴史を感じる建物がある


また北海道の建築家「田上義也氏」設計の建物跡地も見てきました。

 

「定山渓ホテル」



※ホテル公式サイトより 昭和初期

 

所在地 南区定山渓
建築年 (確認中)年

 

「定山渓ホテル」は定山渓随一の老舗大型ホテルで、豊平川沿いにあり場所も良い
開業は大正7年(1918年)とある


現在は残念ながら令和3年(2021年)5月から休業中である

※公式サイトは見ることが出来る「定山渓ホテル」


入口から川沿いに奥行きが長いホテル
一番奥は「二見公園」の入口まで通ずる

その一番奥側が大浴場なのだが、このような箇所がある

 

 

 

 

円形で窓がお洒落ではないか

こちら側だと半円に見えるが、川側も円くなっている
撮影当日は雪が積もっており川に降りることは考えなかったが
二見公園から降りれるかも知れない

ただ敷地内になるかも知れないので注意したい。

 

 

HPの写真や見取り図からすると浴場ではない
湯元かボイラー関係の施設だろうか?


※ホテル公式サイトより 右端の部分

 

また昔のホテルやマンションによく見られた外付けの「螺旋階段」が今見るとお洒落で美しく感じる

 


※2024年12月1日撮影

 

営業再開を待たれるが、すでに3年半の年数が経っている
温泉ホテルの再開にはハードルが高いかも知れない。

 

 

「旧営林署」

 

所在地 南区定山渓
建築年 (確認中)年

 

国道230号線で定山渓温泉街を抜けて中山峠へ向かう途中
豊平峡ダムへの道を左に分ける手前、
左側に広めの駐車場とトイレがある。

ここに車を停めて温泉街方向へ徒歩へ戻ると山側にある
立入禁止の建物が旧営林署の建物である。

 

 

 

 

パッと見は昔の古い学校校舎に見える
平屋だし木造モルタル造りかも知れない

 

過去の住宅地図だと民家が並んで建つが
少しの年数が経つと旧営林署が大きくなっている

民家を購入し増築したのだろうか
一度解体して新築したのかは未確認だが・・・

※昭和44年度住宅地図


※昭和56年度住宅地図

 

現在は「定山渓ファーム」の看板があり(2枚目の写真)、国道沿いにのぼりも立てていた
だが建物自体は使っていないように見えた。

 

現在の営林署石狩森林管理署 定山渓合同森林事務所)
は国道230号線を挟んで向かいにある
下の写真は現在の森林事務所から撮影した。

 

 

この辺は体育館に見えなくもないが・・・
縦長の窓はやはり歴史を感じる


※2024年12月1日撮影

 

 

「旧定山渓ユースホステル跡地」

 

所在地 南区定山渓
建築年 (確認中)年

 

北海道の建築家「田上義也」氏の設計であった

田上氏と「北海道ユースホステル協会」は人を介して強い繋がりがあり、
昭和40年(1965年)に役員として常任理事に
昭和45年(1970年)から会長となった。

「日本ユースホステル協会」が直営する全国第一号が
昭和35(1960)年に田上氏が設計した「支笏湖ユースホステル」。

田上氏は全国に14か所のユースホステルを設計されたと記載があり
「定山渓ユースホステル」もその一つ

 

 

建物はすでに解体されているが、どの辺にあったのか確認に行ってみた。

場所は定山渓温泉の国道230号線沿いにある「定山渓小学校」の
裏手にあった。

細い小路には当日雪が積もり、午前中とはいえ10時過ぎでも
車や人が通った形跡がない小路に面していた。

 

当時の住宅地図と場所を照らし合わせたが、どうもひっかかるのがホステルの過去写真に写る階段だ


※75‘北海道ユースホステル(㈶日本ユース・ホステル協会監修)より


中央の玄関から階段が写っているのが見えるでしょうか
手前の柵は定山渓小学校の柵と思われる。

実際に土地には段差があり、それと思わしき階段が残っていた
上部(跡地)は空地である。

雪でわかりづらいが確かに階段はある。

 

昭和44年度版(1969年)ではユースホステルの裏側に2軒の住宅がある

 

昭和47年度版(1972年)ではその住宅の分もユースホステルになった
上のホステルの写真の右側になんとなく増築したのでは?のはみ出した箇所が見える。
これは住宅を解体し増築したということかは不明

 

昭和54年度版(1979年)では「階段がある場所は空白でユースホステルは隣にある」

これだとユースホステル自体が小さくなっているではないか

 

しかしホステルの写真をよく見ると左側に箱型の住宅らしき建物が写っている
ストリートビューでも確認したがその建物は補修され現在もある建物に見える

そして階段も右側に写っている この位置関係で良いのでは?


※ストリートビューより


実際に見て左にある茶色の建物とユースホステルの写真と似ていないか?

※2024年12月1日撮影

以上のことから、やはり現在も残っている階段の真正面にユースホステルが建っていたと判断したがどうだろうか

 

 

 

また当時の住宅地図では「渓林荘」とある場所の現在は「湯の花 定山渓殿」となっている。


 

この温泉施設は新築されたようだが
左の上端にある「渓山荘」表記の場所

ここには現在、古めの建物があった
現在、一部リフォーム中に見えたがよく見ると門もあり一般住宅なのだろうか?

 

 


※2024年12月1日撮影

 

 

 

「旧定山渓グランドホテル瑞苑跡地」


※2021年1月撮影

 

所在地 南区定山渓
建築年 昭和32(1957)年

 

北海道の建築家「田上義也」氏の設計であった

初訪問は2021年1月
やはり雪のある時に行った

この時はすでにホテルとしての役目を終え、従業員寮として使われていたがそれも終わって空き家のようだった。

公園と川を見下ろす高台の上に高層のホテルなので眺めは良かっただろう。

 

当初のホテル名は「定山渓ニューグランドホテル」で、2000年に「福寿苑」に改名。
 依頼主は国道側の「定山渓グランドホテル瑞苑」と思われる。

最終的に営業としては、平成26(2014)年2月23日 廃業した。

 

 

現在、二見公園側から見上げる(グリーンの柵がある場所)

足湯の建物が出来ていた

 


※2024年12月1日撮影

 



※2021年1月撮影

 

建物は2021年に解体され、足湯の施設がポツンとあるだけだ
ロープが張られ立入、駐車は出来ない

撮影した年に解体されたので間に合ったと言うべきだろう。

 


※2024年12月1日撮影

 


※2021年1月撮影

 


※2024年12月1日撮影

 

この場所は、またいつか新しい宿泊施設に変わっているかも知れないな。

 

 

※定山渓は歴史があるだけにもう少し探索してみたい

 

 

ここから過去レポート

 

 

「エドウィン・ダン記念館」 旧北海道庁真駒内種畜場事務所

所在地 南区真駒内泉1丁目6
建築年 明治20(1887)年
指定等 登録有形文化財、さっぽろ・ふるさと文化百選
開館時 夏期開館日:4月1日から10月31日まで(午前9時30分から午後4時30分まで。毎週水曜日は休館日。)
    冬期開館日:11月1日から3月31日まで(金曜日、土曜日、日曜日のみ開館。午前9時30分から午後4時30分まで。年末年始は休館日) 
入館料 無料(記帳あり)
 
 
約4年ぶりの再訪
今回は記念館にある珍しい「オンコ桜」、「エドウィン・ダン記念公園」の桜花見と併せて行ってきた。
 
車は買物があるので近くのスーパーへ
すぐ近くの南区役所の駐車場でも良いと思います。
 
最初に記念公園へ
ここは小さいながらも池があり、芝生や子供が遊べる遊具がある
また桜もあり、池のほとりのしだれ桜が特に良かった。
 
公園の中心部にエドウィンダンの銅像がある。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
それでは記念館へ
まず外の「オンコ桜」を見る
これはオンコの木に、おそらく鳥が運んだであろう種から桜の木が伸び開花している。
 
 
記念館の係の方より昨日までが最高に良かったが夜半の風でかなり花が散ってしまい驚いています とのことだった。
 
 
 
記念館は無料で記帳して見学
先ほどの係の方より、この出窓前に座ってみる「オンコ桜」が綺麗ですと教えてもらい、テラスにも出れるのでどうぞとのことだった。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
テラスからは記念公園を見下ろすように見える
管理は丁寧に綺麗にされていた。
 
 
 
 
 
 
記念館は現在の自衛隊基地の場所にあったもので、移築したもので、100%当時の建材を使用しているわけではないようだ。
 
 
エドウィンダンが創った真駒内種畜場は、第二次大戦後に進駐軍に徴収され基地化された その後に返還され現在の自衛隊基地に至る。
基地は地下鉄「自衛隊前」にあり事前予約で見学もできる。
 
 
 
 


2024年4月28日撮影