関西大学・後期講座のプログラムの中で、これは期待していた授業でした。
「通訳・翻訳の世界」コースの「短歌の英語翻訳~与謝野晶子と俵万智~」石原敏子・外国語学部教授の時間です。
女性として家庭を捨て、鉄幹との恋に生き、自分を表現した与謝野晶子。
「くろ髪の千すぢの髪のみだれ髪 かつおもいみだれおもいみだるる」
このみだれる、が3回も繰り返されるリズム感をどう英訳するのか。
1987年の「サラダ記念日」で短歌を身近なものにしてくれて、自らシングルマザーの道を歩む俵万智。
「男ではなくて大人の返事する 君にチョコレート革命起こす」
男としての返事をしない相手に、苦くて甘い革命を起こすという、女の気持ちをどう英訳するのか。
期待してた以上に、石原先生の講義は面白く、解りやすい解説に、改めてクリエイティブな翻訳の世界を楽しみました。
機会があればもっと石原先生の授業を受けたい、石原先生の授業を受ける学生さんが羨ましい、そう思うほどの充実した90分でした。
左:俵万智さんの短歌に、安野光雅さんの切り絵 中と右: 石原先生と講義が終わっても、先生のまわりに集まって質問する受講生でした。