かりなの憂鬱

日曜日。

朝から雨、おまけに雷が鳴っている。

飼い主さんは、雷にビビる私(かりな)を心配しているようで、なかなかお散歩に連れてってくれない。

♫ゲッゲッゲゲゲのゲー♫

テレビからお馴染みの歌が流れてくる。

と、意を決したのか、ハーネスとカッパを着せてくれて、いざ出発。

雨と雷の気配に、私(かりな)はやはりビビる。

折角、外に出たのだからと、飼い主さんはズンズン私を引っ張り進む。

黙々と私を引っ張るのが嫌になったのか、雨降りで人がいないからか、例の如く、飼い主さんは歌を歌い出した。

♫かっかっかりなのかー♫

替え歌かい…

時々、こんな風にお散歩しながら歌うのだが、飼い主さんの歌は大体オリジナルだ。

自称＂シンガーソングヒッキー＂なんだそうだ。

♫かりなのウンチは臭い臭い♫

とか

♫ブスブスかりなは世界でワースト3番目♫

等々…非常にくだらない歌だ。

でも今日は替え歌。

♫…かりなは多分死ぬぅ病気もたまにするっ♫

このフレーズが気に入ったのか、悦に入って何度も繰り返す。

辟易した私(かりな)は、とっとと用を済ませ、帰宅の途についたのだった。

雨に雷に替え歌。

かりなの憂鬱はお散歩と共に去りぬ。