少し遅い朝のお散歩での出来事。
本当に綺麗な犬だった。
実物もこんなもんです。
いつも通り、近所の顔見知りの飼い犬たちと、朝の挨拶をしながら、いつもの道をお散歩していた。
ふと、前を見ると10メートル位離れた所に、かりなと同じ様な白い犬をお散歩させている70歳前後の夫婦が、こちらに向かって歩いていた。
また、かりながケンカ上等と暴れてはいけないので、リードを短く持ち身構え歩く。
向こうは道の脇に避けてこちらを見ている。
ドキドキドキドキ…
よく見ると、向こうの犬は立派な紀州犬っぽい。
真っ黒な鼻、引き締まった体、凛々しい顔。
私が連れて歩いているかりなが貧相極まりない。腹も歯も出てしゃくれている。
道の端と端ですれ違う。
その時、夫婦が口々に言う。
「あら、うちの犬とそっくり」
「親戚かもしれんね」
「ホントに似てる」
いやいや、その子に失礼です。
月とスッポン。雲泥の差。
言われれば言われる程、辛くなる。
かりなを見る。
やっぱり威嚇している(バカ)
向こうはお行儀よく立っている(立派)
かりなよ、ただでさえしゃくれているのに、鼻にシワを寄せると1センチ位下顎が出るでしょ
何故か飼い主が卑屈になる。
気が付けば
「スミマセン、スミマセン」
と、言いながら通り過ぎていた。
本当に綺麗な犬だった。
実物もこんなもんです。