〜かりな談〜
朝、飼い主が目覚めると同時に目覚める。
飼い主は、枕元のリモコンでテレビのスイッチを入れるが、起きる気はない様だ。
かりなは早くケージから出たくて、小さく吠えてみた。
「うるさい」
と、一言。飼い主はベッドから起き上がる気はない様だ。
かりなは早く出して欲しいので、また吠えてみる。
飼い主は1瞥しただけで、ベッドで伸びをした。
「キャンキャン…(早くここから出さんかいワレー)」
激しく鳴いてみた。
飼い主は嫌々ダラダラと起き上がって、かりなをケージから出すと、トイレの帰りに水を汲んで来た。
かりなはガブガブと飲み干し、部屋の入口付近に寝そべる。
廊下を挟んで向かいの部屋の入口には、飼い主が猫なで声で可愛がる三毛猫が、同じ様に寝そべっている。
飼い主はそそくさとミルクを入れた小皿を
「あー
世界一可愛いわぁ」

なんて言いながら三毛猫に差し出す。
かりなとの扱いの差っ!
三毛猫は散々甘えた後、ミルクをお上品に飲み干すと向かいの部屋の奥に入って行った。
次に飼い主は、かりなにレトルトの鳥のスープ煮を小皿に入れて持って来る。
かりなの場合は、優しさなんて一切ない。軍隊調に、お座り!お手!お代わり!待て!と命令し、少しでもきちんとしないと中々餌にありつけない。
この違いさっ

この後、軍曹(飼い主姉)を会社へと送り出すと、飼い主は
「行きたくねっ!」
と、言いながら、かりなにハーネスを装着し、朝のお散歩に行く。
かりなは、庭でおしっこだけしたら家でゴロゴロしていたいのに、必死の抵抗も虚しく無理矢理引っ張ってお散歩させられる。
かりなのわがままボディを矯正する為だと言っているが、飼い主の方がわがままが過ぎるボディだと思う。
何度も抵抗を試みるが、飼い主は容赦なくズルズル引きずる。その度に
「あー、恥ずかし
」

と、ブツブツ言う。
そして、途中でうんちなんかしたりしたら
「無理矢理連れて行かんかったら、あんた夕方のお散歩までどうするつもりやったと?」
勝ち誇った様に言う。
家に帰ると、猫達の餌の後にかりなの餌だ。
もちろん、お座り!お手!お代わり!待て!をやらされる。
向かいの部屋では、餌を食べ終わった三毛猫が、ミルクのお代わりをお上品に飲みながら、かりなを見て笑った(様に感じた)

★おまけの話★
先週の、台風の答え。
台風は来たか来ないかわからない程の台風で、かりなは暴れませんでしたぁ。
めでたしめでたし。
(ただし、台風に関係なく何回か暴れたが、大量流血する程ではなかった)