癒しのかりな

いつもの様にかりなと朝のお散歩をしていると、向こうから犬好きのおばちゃん（本人が自分をおばちゃんと言うので）がやってきた。

この地域の飼い犬の事ならなんだって知ってると自負しているおばちゃんだ。

お散歩しているあらゆる犬（飼い主）に話しかけ、名前や犬種、生い立ちまでも聞く。そしてそれからは全員お友達だ。犬を見つけると名前を呼び、撫で、あやす。なかなか自宅に帰りつかないであろう。

しかし、かりなは慣れない。何度会っても逃げる。おばちゃんとしてはプライドが許さないのか、１度はおしりまで匂わそうとしたくらいだ

かりなが匂いにいったらどうしようかとビビったが、嫌な顔をして後退りをした（良しっ）

そんなこんなで、かりなにとっては嫌いな人みたいだ（殆どの人に慣れないけど）

今回も、おばちゃんを悲しませるなぁ…と思いながら、近づくおばちゃんを無視する事もできず、立ちすくむ。

やっぱり、おばちゃんはかりなに真っ直ぐに近づき

「かりなちゃん！おはよう」

　と、声を掛ける。

かりなはまた逃げるか威嚇かをするんだろうなぁと、高を括っていた。

すると、どうしたのか？かりなの方から寄って行き撫でてのポーズ。

飼い主も驚いたがおばちゃんの方も驚きを隠せない。

「かりなちゃん、かりなちゃん、あらどうしたのかね？」

かりな、お腹まで見せる勢い。

おばちゃんは何故か涙ぐむ…

そんなに嬉しいのか？

話を聞くと、なんかおばちゃんの周りで不幸が続いており、今もお母さんが危篤だと言う。

「この子、私を癒やしてくれてるんだわ、ありがとうね」

　何度も何度もありがとうを繰り返す。

…いや、そんな気はないと思う…

「この子はセラピー犬やね」

…いや、凶暴犬です…

「嬉しいよ、ありがとね」

…喜んで頂きこちらも嬉しいです…

それから何度「ありがとう」を聞いただろうか、おばちゃんは、韓国ドラマを見なきゃいけないからとありがとうを繰り返し言いながら帰って行った。

かりなも癒しになる事があるんだなぁ、良い事をしたね。

でもあんなに嫌がってたのに今日はどうしたのだろうか？

やっぱ癒しの能力があったりして…

な、訳ないか



癒しのしゃくれ犬

★おまけの話★

５回目のワクチン接種をした。今回はオミクロン株対応ワクチンだ。

過去４回、副反応もなく今度も大丈夫だと思っていた。

が、接種して直ぐに何だか気分が悪くなった。家に着いたら熱っぽくなり、５回目にして初めての副反応キターーーッ！

ヒィーヒィー言いながらかりなのお散歩をした。

ベッドで横になったら熱に負ける。負けたらかりなはお散歩に行けない。

熱との戦いがここにある。ブラボー（熱にうなされている）

翌日の夜にピタッと元気になる。何だかなぁ…