かりなは世界一可愛い猫ここみちゃんをライバル視している。
どうあがいても不細工犬かりなは、世界一可愛い猫ここみちゃんに敵う訳ないのに
いつもの様に「ミ"ャーミ"ャー」と余り可愛くない声で世界一可愛い猫ここみちゃんがミルク(牛乳だよ)の催促をする。
小さなお皿を温めて軽くミルクを注ぎ、世界一可愛い猫ここみちゃんに与える。
ミルクを飲む前に、頭を撫で撫でし
「ここみちゃんは可愛いでちゅー可愛い過ぎるでちゅよ」
と、褒め言葉の雨あられを浴びせなければならない。そうしなければ世界一可愛い猫ここみちゃんのミルク飲みのローテーションは始まらない。
しかーし!
ここで黙ってないのは、廊下を隔てて一部始終を見ているかりなである。
かりなは、ライバルである世界一可愛い猫ここみちゃんと飼い主が、蜜月なのを嫉妬しているのか?無茶苦茶吠え出す。
結局は、かりなはうるさいと怒られ、世界一可愛い猫ここみちゃんはかりながいないものの様に無視するのだが。
何かと嫉妬深いかりななのでした。
廊下を川の様に二分するお二人様
★おまけの話★
老いが進む母。
朝が怖い…
母が起きて来るとホッとする。
ある夜、暫く横になると言って母は自分の部屋へ。
起きてこないので心配になり、部屋の入口で母を呼ぶ。
起きない…
部屋に入り大声で呼ぶ。
起きない…
姉が心配して自分の部屋から出て来る。
ベッドのそばに駆け寄り、母を呼ぶ。
何回呼んだだろうか?
「○×◇△…」
言葉にならない返事。
多分、その時は寝ぼけていて、その後起きてくるのだが。
翌朝、母にあの時は寝ぼけてたのか聞くと、夢を見ていたそうだ。
夢の内容…
暗い道を、知らない人達の行列の後ろを歩いていた。そして、誰かの呼ぶ声がする。何回目かで姉が自分を呼んでいることに気が付いて、我に返り目を覚ましたそうだ。
なんか、よく聞く話。
そのまま起きずに着いて行ってたなら…
なんだか怖い。