旅するCARUROS今日も征く!

日々の出来事・感想を表示。皆さんの意見・励ましをもらえ、人と人との繋がりが深められるキッカケになればとっても嬉しいです。

【岳飛伝】に学ぶ!

2017年12月18日 18時56分48秒 | ⑮読書&映画(所感)
2017年12月18日(月) 曇り、寒し。

歴史映像【岳飛伝】視聴完了。
最初から最後まで引き付けられる内容であった。
「尽忠報国」の4文字を背中に刺青。
「忠義を尽くし、国の恩に報いる」母子の凄まじい程の意思が現れている。何処までも仁義を大切にし国家社会と民衆に尽くそうとする姿勢に感動を覚える場面が幾度もあった。
 
戦いに臨んでの武将の在り様。
武功を策謀で奪い取る者も有り。
権力者と、そこに群がる佞臣と官僚も有り。
時流に流れ、権力を惧れ、黙する者も有り。
時に策謀を巡らし、自己保身に走る者有り。
 
短兵急に知略なく、無残なる敗戦へと導く者も有り。
友と同志の為、仲間の為に、命を懸けゆく勇者有り。
国家社会と仁義を求め、民衆の安寧を求め闘い続ける人がいる。
体制と運用の在り様に、義憤と行動で変革を求め征く人もいる。

様々な状況と凄まじいまでの戦乱と変革の時代に生き抜いた英雄の物語である。
戦術と戦略/謀略と知略/権力と民衆/人材と組織
理想と現実/構想と行動/戦争と平和/国家と世界
・・・考える事、又多々也!
 
非常に面白いビデオ映像であった。
途中何度も涙し、感じる事も多々也。
その姿勢と方向性は、向いて死ねたらいいなぁ~。
中国杭州西湖地域、一度訪れ接したいものである。
 
滿江紅
怒髮衝冠 憑闌處 瀟瀟雨歇。
抬望眼 仰天長嘯 壯懷激烈。
三十功名塵與土 八千里路雲和月。
莫等閒 白了少年頭 空悲切。

靖康耻 猶未雪。
臣子憾 何時滅。
駕長車踏破 賀蘭山缺。
壯志饑餐胡虜肉 笑談渇飮匈奴血。
待從頭 收拾舊山河 朝天闕。

怒髮 冠を衝き,欄に憑る處(とき)、瀟瀟たる雨歇む。
望眼を抬(もちあ)げ、天を仰ぎ長嘯(ちゃうせう)すれば,壯懷激烈。
三十の功名 塵與(と)土,八千里路 雲和(と)月。
等閒にする莫れ、白く了(なりおおせ)たる少年の頭,空しく悲切。

靖康の耻,猶ほ未だ雪(すす)がず。
臣子の憾(うらみ),何れの時か滅せん。
長車に駕し,賀蘭山を踏破して缺(こぼ)たん。
壯志あるもの饑しとき餐するは胡虜の肉,笑談して渇きしとき飮むは匈奴の血。
頭(はじめ)從(よ)り、舊(もと)の山河を收拾せるを待ちて,天闕に朝せん。





★上記に「漢詩」及び下記の写真は、WEB上の記事より引用しております。

古都ロマーノに想いを馳せる。

2016年04月19日 20時07分22秒 | ⑮読書&映画(所感)
 
2016年 4月19日(火)
「ローマ人の物語」 ❝ ローマは一日にして成らず ❞  塩野七生・著書
 
 叔父の王である叔父により川に流された宿命の子、ロームルスとレムスの二人は、狼と羊飼いに育てられ、ローマ建国伝説によると、紀元前753年4月21日にロームルスが王になり、テヴェレ川の畔に都市ローマを建設。 人口数千人の丘2つを巡る防塞を設けただけの小村だったとか。
 
その後、領域を拡大させて七つの丘を都市の領域とした。
王政の歴史から紀元前509年に共和政へ移行。
ブルトゥスを中心に2名の執政官によってローマ政治が行われる共和制へと移行する。
 
小さな村と言える様な集落から多民族間の争いと統合。
王政と共和制という政治の在り様の長所と短所の比較。
農耕・牧畜を中心とした生活と工業・商業の導入による貨幣経済の導入。
 
民族融合策がきっかけとなり、周辺の丘(当初7カ所)に築かれた都市に比較し
古代ローマ(フォロ・ロマーノ)は、低地(湿地帯)に築かれた街であったとか。
 
地理的な経済と防衛と人々が歓談しゆくコミュニティの場。
優位性と、その場所に生み出されゆく価値と、地場の如く人々を引き寄せる不思議なる場所。
若きにに訪れた折、沈む夕陽に照らされた古代都市フォロ・ロマーノに呆然として数時間佇み、悠久の歴史に思いを馳せたことを想い出させる様な、物語の始まりであった。
 
寝る前のささやかな、楽しみな一時である。
 
 

「剣聖」“上泉伊勢守”の生き様に学ぶ! 

2016年04月15日 21時53分59秒 | ⑮読書&映画(所感)
2016年 4月 7日(木)
 
「剣の天地」池波正太郎・著作 読了。
塚原卜伝と並び「剣聖」と称される「新陰流」の創始者“上泉伊勢守” 
その生き様を辿る歴史小説である。
 
  上泉 信綱(かみいずみ のぶつな)上泉伊勢守、戦国時代の兵法家。
上野国赤城山麓(前橋市上泉町)の大胡城に拠った藤原秀郷流の大胡氏の一族、大胡城の西南2里の所にある桂萱郷・上泉に住んだ上泉氏の出身で上泉城主である。
兵法家で陰流、神道流、念流の諸流派を学び、遂に、新陰流を大成。
 
信綱は箕輪城の長野氏に仕え長野氏滅亡後、武田信玄には仕えず、落城後、新陰流を普及させるため高弟と共に諸国流浪の旅に出る。 伊勢の北畠具教を訪ね、奈良宝蔵院の胤栄と柳生宗厳と出会いこれを下し、永禄8年には柳生宗厳(石舟斎)・胤栄に印可状を与える。
 
前半、師弟子の関係を持つ男女の微妙な恋愛関係も絡ませながら、武将間の駆け引きや、戦国時代の地理的戦略・戦術の在り様も描きつつ、最後は剣の道、一筋に生きようとする男の物語であった。
 
結構、引き付けられて久方振りにここ数日間、寝る前に楽しくも戦国の世を駆け巡る一時を過ごすことができた。
 
 

映像【チュモン・朱蒙】に嵌まる日々・・・感動の歴史映像。

2016年01月03日 10時48分35秒 | ⑮読書&映画(所感)

※チュモン(朱蒙)
 紀元前108年、漢の侵略により古朝鮮国が滅亡する。
漢に抵抗する民族の英雄ヘモス(解慕漱)と河伯(ハベク)族の娘ユファ(柳花)と、その子ヘモス。 
ヘモスの親友扶余(プヨ)太子クムワ(金蛙)と長男の王子テソ(帯素)&テソの弟ヨンポ。

これ等の人物の交流と対立を中心に、時代と社会が動いていく壮大な歴史物語である。
歴史上に実在したと言われる(神話)人物と国家間の動きを通じた伝説の英雄“朱蒙”
その波乱万丈の生涯を描いた物語映像である。

全81話に及び映像ストーリは、始めの4・5話迄は、観るのを躊躇しつつ観ていたのだが・・・段々と土壺にハマって・・・ “ 止められない止まらない! ” ってな感じで一気に視聴。 (約20日間程で完了!)
途中、手に汗握る感じや、涙涙の感動さえ覚える場面に、後ろからおっ母ぁ~の声が・・・『パンツ貸そうか? バケツ持ってくる?』・・・だって。

「愛憎」と「友情」 「信頼」と「不信」 「戦術」と「戦略」 「団結」と「対立」 「離合」と「集散」 「上下関係の組織」と「信頼関係の組織」の強弱と特質。 ・・・ 様々に考えさせられる事も多く、その映像の迫力と全体的なストーリーに引き込まれる日々であった。

その後、チュモンの孫、ムヒュルを主人公にした「風の国」も一気に視聴。
今は、その後の時代ぼ4~5世紀に実在し、領土を拡大した高句麗第19代王を主人公とした『広開土太王』 (こうかいどたいおう)に嵌っとりまぁ~す。

2003年頃の『冬のソナタ』からの「韓流ブーム」に、凡そ遅れること10年・・・突如現れた「韓流ファン」周回遅れのオッサンの呟きだが、未視聴の方には、是非一度視聴される事を薦めたいものである。

●詳細内容紹介のHPです。
 http://www.bsfuji.tv/jumong/index.html

●高句麗の発展と滅亡
 http://bell.jp/pancho/kasihara_diary/subfiles/history%20of%20koguryo.htm

●撮影テーマパーク
 http://www.seoultour.jp/portfolioentry/%E3%81%AA%E3%81%98%E3%82%85%E3%81%88%E3%81%84%E3%81%9E%E3%81%86%E3%81%A6%E3%83%BC%E3%81%BE%E3%81%B1%E3%83%BC%E3%81%8F/


『水滸伝』に学ぶ! 

2015年11月19日 00時16分02秒 | ⑮読書&映画(所感)

『水滸伝』  映像 43巻・86話 

  明代の中国で書かれた伝奇歴史小説の大作、「中国四大奇書」の一つ。
施耐庵(羅貫中)が、北宋・徽宗期に起こった反乱を集大成し創作したとされる。

時代は北宋末期、汚職官吏や不正がはびこる世の中で、奸臣の策謀により陥れられた仁義に熱き面々。
正義心と行動力溢れる好漢が、世間からはじき出され大小の戦いを経て数ヶ所へ集い合う。

そして遂に、108名の宿星・豪傑が、運命か、将又宿命か、北斗に導かれるが如く“梁山泊”と呼ばれる天然の要塞に集結。
彼らはやがて、悪徳官吏を打倒し、国を救わんとの志を持ち、義兄弟の契りを結ぶ。

知勇兼備の豪傑である「玉麒麟 盧俊義」は奸臣の策謀で毒殺され、「呼保義 宋江」は不正義に憤りながらも最後まで仁義に殉じ毒を呷る。
英知溢れる戦略家・軍師「智多星 呉用」も後を追って自殺する。

   この世に、正義はないのか! 
仁義に生きた人物が、不正と自己保身に走る奸佞の輩に利用され、弄ばれる終わり方は、どうも納得がいかなかった。 
しかし、歴史の事実は、殆ど7~8割方、こんなものかもしれない。 
歴史とは7~8割方、勝者の物語である。 
故に闘いは、勝たねばならないのである。

   是まで何度も読んだ「水滸伝」である。
●横山光照「漫画・水滸伝」 ●吉川英治「新・水滸伝」 ●北方謙三「新・水滸伝」 しかしやはり若き日に何度も拝読した
●駒田信二「水滸伝・百二十回本」平凡社版が、一番記憶に残る本であった。

   映像では初めて見たが、後半部分は涙涙の連続で感動しつつも、何故か憤りが収まらない感じで考えさせられる事、多々也。 
歴史上でも幾多の正義の人々が抹殺されていった歴史があるのであろう。 
私たちは、決して物言わぬ民であってはならない。

歴史に学ばなければならない。 
歴史の裏側に潜む真実を見抜かなければならない。 
人物観、歴史観、国家観、そして生命観・宇宙観を見極め透徹させる努力を怠ってはならない。

●映像紹介(未だ未鑑賞の方は、粗筋紹介のDVDをご覧ください。)
  http://video.search.yahoo.co.jp/search?p=%E6%B0%B4%E6%BB%B8%E4%BC%9D&aq=-1&oq=&ei=UTF-8

  “至誠、未だ止まず!”
  “正義によって起て、汝の力、二倍せん!”
  “正義とは、行動に移された真実である!”
   ・・・との叫びが、通じる世界であって欲しい物である。 
      否、断じてそうあらねばならない!

  “負けじ魂の挑戦者たれ! 
     前進また前進の開拓者たれ! 
         不撓不屈の創造者たれ!”  

    ・・・ 己を顧み、己心を叱咤しつつ。   2015年11月19日 若き青春時代の薫陶の日々を想いつつ・・・深夜記す。


歴史ドラマ映像 【孫子≪兵法≫大伝】 に想う!  

2015年11月14日 23時05分46秒 | ⑮読書&映画(所感)

孫子≪兵法≫大伝 全35話 視聴完了!

   戦国武将の武田信玄やナポレオン・ボナパルトにも影響を与えたとも言われる「孫子の兵法」
中国・春秋戦国の孫武の様々な戦術と思想と激動の時代を生き抜いた波乱万丈の人生と権力の移り変わりが、ドラマチックに描かれている。

   紀元前515年頃からの中国歴史物語である。
孫武の叔父、斉の大司馬である司馬穰苴が政敵の罠によって官位をはく奪され孫武に「斉を出よ」(36計)と言い残す。
孫武と身重の妻・帛女は、逃亡の途中、政敵につかまるが呉王の叔父・季札が通りかかり助けられるところから始まる。

   全35話の大巻である映像は、続編を見たくなるのは必定であった。
その間、戦争の残酷さと権力者と民衆の思いの落差とに、種々考えさせられることも多々あり。
肉親同士のいがみ合いと猜疑心。 旧敵同士の戦略的一時的な結合。 その中で尚、信義を重んじる少数の人々。
叶う事ならば、信義が通じる社会、信頼と絆で結ばれる平和な社会で有って欲しいものである。

   コンピューター映像も多分に使われているが、物語の進め方、戦闘場面の迫力ある映像や、心の苦衷と葛藤を描いて秀作とも言える時代歴史ものである。  途中、「臥薪嘗胆」の謂われともなった呉王夫差×越王勾践の対立関係と歴史的背景も描かれ、思わず引き込まれて約10日間程で一気に視聴完了。

「兵は詭道なり。」
「兵に常勢無く、水に常形無し」
「彼を知り己を知れば百戦して殆うからず」
「将とは、智・信・仁・勇・厳なり」
「算多きは勝ち、算少なきは勝たず。而るを況んや算なきに於いてをや。」
「其の疾きこと風の如く、其の徐かなること林の如く、侵し掠めること火の如く、
 知りがたきこと陰の如く、動かざること山の如し、動くこと雷霆の如し。」
「百戦百勝は善の善なるものに非ざるなり。戦わずして人の兵を屈するは、善の善なるものなり。」
「国を全うするを上と為し、国を破るは之に次ぐ」
「兵は国の大事にして、死生の地、存亡の道、察せざるべからざるなり。」

映像を観て尚、想う事、多々也!
民の思いを、我が心としゆく人材の出現が望まれる。
「民の平安と安寧こそが、我が望みなり!」とする徹底した奉仕の精神を持った、本物の政治家・指導者の出現が強く望まれる。
一度は、視聴する価値があると思われる映像であった。
http://video.search.yahoo.co.jp/search?p=%E5%AD%AB%E5%AD%90%E5%A4%A7%E4%BC%9D&tid=88b6288d0e764fe0573f0dff4a1cfa65&ei=UTF-8&rkf=2&dd=1


「項羽と劉邦」に思う。

2015年11月06日 17時42分40秒 | ⑮読書&映画(所感)

映像「項羽と劉邦」の大巻を視聴完了。 ・・・ 思う事多々也!

 紀元前210年、秦の始皇帝が巡幸中に突然崩御し、宦官・趙高が詔書を偽造し長子の扶蘇を殺害、末子の胡亥に皇帝の位を継がせる。
二世皇帝・胡亥は皇族を殺し、始皇帝の治世を支えた重臣を粛清し朝廷を混乱に陥れる。
やがて圧政に耐えきれなくなった民衆が次々に蜂起。

 秦に滅ぼされた楚国の将軍の孫である24歳の項羽と、沛県の田舎町で亭長を務める46歳の劉邦も立ちあがる。
勇敢で戦に長けた項羽、困難や危険をものともせず自ら先頭に立ち闘い、自ら西楚の覇王と名乗った。
対する劉邦は、民情を理解し、人の長所を活かし、思い切って信頼し任せる戦いを展開。
やがて広く人々の支持を得て勢力を大きくしていった。
項羽と劉邦の二人は義兄弟の契りを結び協力し合い秦を倒すが、やがて天下を奪い合うライバルへと変わっていく。

※極端であるが、大雑把に二人を対比させ見て見る。 (一部他の方のブログ所感等も引用)
 立った一人でも敵陣へ先頭切って突っ込んでいく武勇がある項羽。
 自分の弱みも知って、他人の長所も知り、寧ろ敵さえも味方にする度量を持ち併せていた劉邦。

 全て自分の考えを優先し、独断専行型の項羽。
 廻りの意見を良く聞き、その智恵と知識を活かした劉邦。

 局地戦に強く、自信ある戦術で勝ちを収める項羽。
 諸将を活かし、局地戦では、大敗の連続で逃げまくるが、総力戦、戦略展開で戦を進める劉邦。

 時に、感傷的で、激情を抑えきれぬ、主観的指向性が強く、謂わば“情の人”項羽。
 激しく憎む事も、愛情を注ぐことも少なく客観的な視点が多く、謂わば“信の人”劉邦。

 生まれ育った環境からか・・・。
 憎しみと、恨みと、猜疑心が強く、身内以外を信じきれない・・・項羽。
 かなり大雑把な性格で、気前が良く、目の前の利害に拘らず、他の誠実を信じる・・・劉邦。

 採算性や資金や食料(現代の給与)の事を、当然有るものと考え事前の配慮が出来ない項羽。
 何時も、兵や家族の食事の事を含め、細部に亘り考える劉邦。

 周りとのコミュニケーションが上手く取れない、一方通行の項羽。
 常に、廻りの意見を求め、最終的な決断を下す劉邦。

 降伏した敵兵、20万人を穴埋めの虐殺をし、元の主君さえも抹殺した項羽。
 降伏した敵兵は、極力助け、味方にしていった劉邦。

 これ等の個人的性格の差や戦術論で勝ち急ぐ者と、戦略的視点で常に考える者とが、様々な“時”と“場所”とで遭遇し合い歴史が動いていく。
 人材論、戦術と戦略論、卒の将と将の将たる器と、考えさせられる事が多い歴史物語である。

※漢の陣営から楚の歌がひびき(“四面楚歌”),
  死を覚悟した項羽は、訣別の宴を張り、虞美人と名馬・騅(すい)を側にして詠う。

【項羽の詩歌】 
 力抜山兮気蓋世 力は山を抜き 気は世を覆う。 
 時不利兮騅不逝 時に利無く 騅は進まず。  
 騅不逝兮可奈何 騅が進まぬのは、如何ともしようがない。 
 虞兮虞兮奈若何 虞よ虞よ、汝をどうすればよいのか、如何ともし難し。

【虞美人の返詩歌】
 漢兵己略地   漢の兵士は既に楚の国を攻略。
 四方楚歌声   四方からは楚国の歌が聞こえる。
 大王意気尽   大王(項羽)は意気消沈しているのに
 賤妾何聊生   身分低き私が、なんで生き伸びていけましょうか!

 虞美人は剣舞を舞いつつ歌い、遂に自分の首に剣を当てて自害するのである。

 後半の項羽と虞美人との愛と別れと、死を覚悟して最後まで戦いを挑み続ける項羽の姿に、何度も涙する一時。
お母ぁ~が、横から『なぁ~ん、昨日から、一人でグスグス鼻鳴らして泣きようと! ホラ、パンツ貸そうか?』・・・だって。

小説では何度も読んだけど、映像は今回が初めての経験。
約40日程、諸活動の合間を縫って、寝る前の一時に視聴する。
種々、改めて考えさせられる映画であり、最後は感動に涙する日々であった。

※劉邦の逸話(諸将を活かした、劉邦が述べた言葉とか)
 「謀事」は軍師の張良には及ばない。
 「政治」は宰相の蕭何には及ばない。
 「軍事」は将軍の韓信には及ばない。

此の映像は、謂わば人物論、戦略論、国家論であり、歴史観、生命観の観点からも考えさせられるながらも引き付けられる映像であった。
思う事、正しく多々也。 自戒すべし!

 “剛強の士は必ず死に、仁義の士は王となる。”

 “卒に将たるは易く、将に将たるは難し”

 “万卒は得易く、一将は得難し”

 “戦には大将軍を魂とす、大将軍臆しぬれば兵臆病なり”


歴史に学ぶ! 『中原の虹』浅田次郎・著 全4巻を読了。

2015年11月06日 06時12分19秒 | ⑮読書&映画(所感)

『中原の虹』浅田次郎・著 全4巻を読了。

●清朝の基礎を作った皇帝、愛新覚羅ヌルハチの次男ダイシャンを中心に、満州族が中原を超えるまでの姿。
●日露戦争後の光緒新政の時代、清朝末期の光緒33年(明治40年)から民国5年(大正5年)の中国。
●海外列強により蚕食されつつある状況での西太后と光緒帝、更に西太后腹心の宦官・李春児。
●東北地方(満州)をまとめ上げたカリスマ的な豪傑、馬賊・張作霖(白虎張)と仲間の李春雷。
●北京政府に短期間ではあるが君臨した袁世凱。 

   敵味方にわかれた李兄弟(春児&春雷)、謀略に満ちた覇権争いと其れを取り巻く様々な人物の軋轢と葛藤。
時代に翻弄されゆく民衆を背景に、落日を迎える清朝に代わり覇権を握らんと各権力者(清朝政府&軍閥&日本・関東軍含む各国の圧力)の凄まじい闘いが描かれていく。

中原とは漢族の発祥の地であり異文化同士が隔てられている境界である。
満州族が中原を超えるということは、漢族の王朝であった明を倒しに行くという意味である。

以下は、心に残るセリフである。

「汝、満州の覇者となれ」との予言を受けた貧しき青年・張作霖の叫びにも似た文言が胸を打つ。 
『鬼でも仏でもねえ。 俺様は、張作霖だ!  わが勲は民の平安。 長城を越えよ!』

「白虎張が笑えばお陽様が出るし、白虎張が悲しめば雨が降り、白虎張が怒れば嵐が吹き荒れます。
 だから、萬人喜。お天道様や青空や、雨や風や雪と同じです。
 白虎張の大嫌いな言葉、知ってますか。
 それはね、「没法子(メイファーヅ)=どうしょうもない・・・との意味。
『どうしようもねえことなんて、この世にあるものか。 どうしようもなけりゃ、どうにかすりゃいいんだ!』

【宋教仁の演説】
『学べ!学べ! そして暴力と専横を否定せよ。 私は決して暴力によって諸君の意志を封じない。
 専横によって政治を私しない。 わが勲(いさおし)はひとえに、民の平安である。
 そのほかの名誉は何もいらない。 私が勲とするところは、ひとえに民の平安である。
 敬愛する中華人民諸君!
 どうかこの歓呼の声を、私に対してではなく、祖国の未来に向けてほしい。
 この地球のまんなかに咲く、大きな華に。 けっして枯れることもしおれることもない、中華という大輪の華に。』

 

歴史を知れ! そして、歴史に学べ! 

権力に翻弄されゆく民衆でなく、民衆の意見・民意が大幅に反映されゆく時代社会を築かなければならない!
・・・との思いを強くした小説であった。


「海賊と呼ばれた男」 出光佐三の生き様に学ぶ!

2015年08月08日 01時44分39秒 | ⑮読書&映画(所感)

「海賊と呼ばれた男」  出光 佐三  (百田尚樹:著) 上下2巻

  著者の百田尚樹氏は、今のマスコミ界でも持て囃され、一方で国会の「安全保障法案」で政権を支持養護する発言等で物議を醸している人物である。
なんとなく毛嫌いしていたが・・・図書館でフト目に止まり手にする。

  寝る前の一時を読書時間としているが、今回は夢中になって夜中3時頃迄・・・お陰で寝不足気味となる。
凡そ5日間程で上下2巻を一気に読了。

  宗像郡赤間村の出身で、しかも門司で若き創業時に奮闘。 
此の時の神出鬼没の海上における船での燃料販売活動がまるで“海賊”だと言われたとか。
幾多の倒産の危機にも合い、理不尽な他事業者や官僚・権力機構と闘いながら、会社社員を家族の如く支え続けた、其の人生と生き様に、何度も感動し涙した。

  日田重太郎(資産家)から別荘を売却した資金8,000円を渡され、満25歳で独立。
その条件が「ただやるのだから返さなくていい。利子もいらない。また、事業の報告もしなくてよい。君が好きに使え。ただ、独立を貫徹すること。そうして兄弟仲よくやってくれ。」というものであったとか。
そして幾度かの試練の後、愈々待った無しで倒産が決定的になり、最後のお詫びに伺った折りの言葉が又、凄い。
「後幾らあればいいんだ? 再度、家を売って資金を渡すから其れを使うてくれ。」「それでも失敗したら、そん時は、二人して乞食でもしようやないか。」 ・・・ 全幅の信頼感とその人間にかける熱き思いに、この様な人が実際に存在していたという明治・大正・昭和初期の人間の人生観・人物の肝っ魂の太さにビックリ。

  殆どの大手石油関連会社が外資系に乗っ取られる中、民族独立派とも言える企業として、外資も入れず、官僚からの人材も拒否し続けた男。
終戦後、売るべき商品「石油」がそもそもないという現実が襲いかかる。
当時、多くの企業が人員を整理する中、出光佐三は約1千名の従業員の首を切らないことを宣言した。

「店主、このままでは、国岡商店は潰れます。涙を呑んで人員整理を」という進言に、鐡造は「馘首はならん!」と解雇を断固拒否する。   戦後、住処も食糧事情もままならない情勢下、凄まじい程の困難と立ち向かう闘う男たちの物語である。

   生き様や考え方、主義主張には、相容れない部分もあるが、こんなん先輩の姿と歴史を学ぶと本当に凄いなぁ~と思える。 今、個人的に、団体的にも、現実として立ち塞がる厳しい状況と困難さえも、まだまだ甘チョロイなぁ~とさえ思えてくる。 よぉ~し、頑張ろうぉ~との勇気さえ湧き出てくる感じの戦う男たちの物語であった。

「愚痴をやめよ、愚痴は泣きごとである。亡国の声である」
「社員は家族であり、私が全財産を失っても、私には最高最大の財産と言える社員がいる。」

「出光佐三逝く 三月七日 国のため ひとよつらぬき 尽くしたる きみまた去りぬ さびしと思ふ」
 死去したおりの昭和天皇の歌だそうである。


“志”を想う! 『志に生きる! 昭和傑物伝』(江口敏著)

2015年07月28日 21時16分24秒 | ⑮読書&映画(所感)

2015年 7月27日

『志に生きる! 昭和傑物伝』(江口敏著 清流出版)読了。

中野正剛/井上成美/高橋是清/原口竹次郎/松岡洋右/別宮秀夫/石原莞爾/
清沢洌/桐生悠々/尾崎秀実/緒方竹虎/徳富蘇峰/鈴木東民/河合栄治郎/
柳田国男/会津八一/新渡戸稲造/伊波普猷/三好達治/原富太郎/溝口健二/
藤田嗣治/望月桂/中島敦/夢野久作/ 出口王仁三郎/北一輝/西田天香/

   政治家、軍人、官僚、言論人、学者、芸術家、宗教家、革命家と呼称される人生を、志を持って昭和史の中を生き抜いた謂わば、反骨精神を持った二十八人の日本人を短編小説の如く描いた人物伝である。
中には、その生き様を全く知らなかった人物も居る。 
この様な時代&社会を歴史的背景として生きざるを得なかった人物がいたのである。

   所謂、極右から極左まで、その生き様は、時に壮烈でさえある。
改めて、思想性、宗教性が己の人生に与える影響力というものを考えさせられた短編集・人物伝であった。

“志” ・・・その確立が、その人の人性と生涯に大きく影響し、時に決定づけてゆく事を改めて思い知らされた思いである。
“人生観” “社会観” “国家観” “生命観” “宇宙観” ・・・夫々に大事な視点である。

『信念の力 信念は目に見えない。
  しかし、信念こそが歴史を一歩前へと前進させる無限の力を持っている。』

                                                   ・・・との言葉が頭を過ぎる。