『蒙古の槍 / 白石一郎』 読了。
肥前鷹島での漁師と孫と当時の武士とモンゴル兵との関わりをベースにしながら、実際に行われていたであろう悲惨な戦いの状況を描き、孫を殺された恨みと憤りと、その恩讐を超えようとする人の命の尊っとさを最後に暗示するかの様に物語は終わる。
その他、瀬戸内海や小笠原などの小島と海峡にまつわる七つの短編集である。
時代とそれぞれの地域・風土の中で、時に翻弄されながらも生き抜く男の心理と生き様を描いている様に思える。
弘安の役での多数の艦船が神風台風により沈む鷹島沖。
若き頃、未だ幼かった子ども達と共に、キャンプで訪れた事があった。
どこまでも静かで、透き通った海と、岩肌に打ち寄せて砕け散る白波の音だけが、今も耳朶に聴こえくる様である。
又、訪れてみたいものである。
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