アコギおやじのあこぎな日々

初老の域に達したアコギおやじ。
日々のアコースティックな雑観

小さな冒険、わくわくした目

2008-02-22 | Weblog
 透明な風景の中を体がすり抜けていくような、不思議な感覚だった。


 息子と手をつないで、なんだか2人で未知の森林へと入っていくような気分でもあった。


     ◇

 冷え込みがきつかったせいか、今朝、まち全体が濃霧に覆われていた。幼稚園の敷地内の林にもガスが張っていた。

 子どものころにも経験したことがある、濃霧のまち。

 幼稚園の玄関先で車から降りて、園舎まで2人で歩いた距離はわずか50メートルほど。しかし、楽しかった。「冒険」だった。

     ◇

 うれしかったのは、息子が怖がらずに、逆にランランと目を輝かせながら進んで行ったことだ。


     ◇

 怖いことに対しては怖いと認知しなくてはいけない。が、未知なるものに際して、わくわくしているのは生き物として、実に頼もしい。とも思う。


     ◇

 延長保育では、2歳上の「コウちゃん」にやられっぱなしである。同い年のクラスでも「トワくん」に押され気味らしい。

 私は、幼稚園時代は周りが嫌がるほどに威張っていたらしいから、息子を見るとなんだか「大丈夫かなぁ」と思っていた。

 しかし、今朝の息子の未知へと進む姿を見て、これまでのところ順調に育っていると確信した。



     ◇

 翻って、自分はどうか。

 今夜、後輩と安い居酒屋で晩酌した。仕事仲間と晩酌できる時間帯に仕事を終えるのは久しぶりだ。後輩の不満を聞いて、自分の意見を具して、そこそこいい気分で宴を閉めた。そのあと、帰りの道すがら、かっての「兄貴分」に電話をした。

 「スキーの指導員を目指して、泊り込みの合宿中」とのこと。

 居酒屋と不動産屋を経営している。バイクはだれもが認めるとばしや。一方で基本操作も白バイの人くらいスゴイ。カヌーも人命救助するほどの腕。

 「スキーばっかし、みんなより下手だからよぉ」

 いや、充分にうまいって。


     ◇

 楽しんでいるよな。

 おれはといえば、日々の雑事をあたかも人生の一大事のように捉えてうろたえる「組織」の人々の1人として、なんとなく日々を費やしている。


 空ろである。そもそも、もったいない。

     ◇

 息子よ、きょうはわくわくした目を見せてくれてありがとう。


 お父さん、虚飾な守りの人生、やめるよ。自分でもいやだったから。
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