雨の日に
迎えに来てくれる人がいた
遠い遠い昔のこと
窓に冷たい雨が叩く日は
ときどき
思い出してしまう
ステンドグラスが
作り付けの窓にはめられていて
雨が降るにつれて
涙を流すみたいにつたってゆく
肩越しにみた風景
雨が強くなっていくと
私の鼓動も
あの人の呼吸と合わさりながら
次第に強く強く乱れていく
雨の日は
魔法がかった媚薬のよう
雨音と
途切れた吐息が
もつれ合いながら
いつもあの部屋にあった
嬉しい時も
悲しい時も
別れの時も
あの人の胸で泣いた気がする
いつしか
心は冷たくなって
ステンドグラスに手を当てて
自分の心の冷たさと比べてた
サヨナラ言ったのは私
それから
雨の日は1人になった
冷たさと引き換えに
痛い思いを心の奥にしまい込んだ
遠くの街にきてから
あの人がやっと幸せになったと聞いた
心の底から
良かったと思った
自分の愛した人はみな
幸せであって欲しいと願う
なんの理由なんてない
だって
私が愛した人達だから
玄関のドアを開けた
あッと
空を仰いで
雨だと小声でつぶやく
そう言えば
いつも
癖のようにしてしていた
自分の居場所と
あの人が住んでいる場所の天気予報
見ていなかったことに気づいたら
ふッと
少し
自分を無くしたような気がした
そして
弱い雨が
今日は降り続いて
止みはしないだろうね
一歩外に出てみたら
やっぱり雨は冷たくて
季節の移り変わりを教えてくれる
けれど
どうしてだろう
雨が昔からの
友達だったような気がして
一粒一粒の雨を
抱きしめたくなった
そんなこと
できやしないけど
それでも
数滴の雨つぶを
手のひらにのせて
静かに閉じてみたら
この冷たさが温められて
溢れる涙に変わるような
そんな一瞬は
あの時の私みたいだね
手のひらから
こぼれて流れ
つたい溢れていく
冷たいままの雨は
今のわたしのよう
無くしたものはただ一つ
知っているけれど
見つめてばかりいるのは
止めにしておこう
雨は
濡れるものじゃない
雨は
突き刺さるものじゃない
冷たさがあるから
あたたかさが恋しさを誘うように
どこか切なくて
どこかオトナで
秋の冷たい雨は
ただ寄り添って
今日の私を慰めてくれる
ただ
それだけでいい
羊雲と夕陽のコラボレーション
夕陽が白い雪のような花を
咲かせているようだ
朝晩の少し冷え込んでくると
もう、すっかり秋なんだと思う
秋といえば
食欲の秋
3日前から食べられず
それに増して
その間にできた口の中の
咬み傷
全くの自傷行為って
どうやら
寝ている間に
口の中のほっぺ部分を
左半分噛んだせいで
真一文字に口内炎となっている
私の左半分のくちの中は
使用不可能である
なお、それにつけて
昨日の歯医者さんの治療で
私の顔左半分が痛みも残り
痺れても残っていて
うまく噛めないし
うまく喋られない
それだけでも
面白くなってしまう
喋る時は
外からほほをつまんでいる
噛んでつくってしまった口内炎に
支障ないように
しかし、食欲の秋
普通に食事をしたいものだね
白いパンに、マスカルポーネをつけて
おしゃれに食べている
それに
経腸栄養剤(経口、経管用)を一本
要は、胃ろう用の液体栄養剤
これは、しみない。
栄養が取れる
ナイス食品
もう、3日間
こればかり
年寄りがもらってくるものが
わたしには助かっている。
一本、300カロリー
夕陽の白い雪の花
素晴らしい景観をみていても
お腹は膨れないなどと
色気のないことを
思いながら
それでも
負けるものかと一気に飲みたいが
甘ったるいプリン味
飽きてきた
まさに、秋
私が倒れると
母親の夜中の徘徊の
寝不足にまけてしまいそう
飽きてられない
飲まなきゃ。
昨日のこと
半分がわ
ほっぺが腫れたのは
歯が痛いせい
もう
どうにもこうにも
食べられなくて
半ベソかいてた
死ぬほど嫌いな歯医者さん
先生が
好きな人の声に
似てるからって
やっぱり
来たら似てるわって
思わず腫れてるほっぺも膨らんで
もとより
小さな口が開けられない
そう、
電話の声はいつのことだっけ。
大好きな声だったなぁ、あの人。
思い出しながら
半ベソに半笑い
嫌いなドリルでさえも
なんとかやりすごせた
けれど
歯医者さんって
究極のSなんだって思う
痛いよって
言いたいのに
言えなくて
思わず
アハンと
鼻にかかった声になる
こんな声になってるけど
本当に
痛いんだってばー。
まだだよ
もう少し
終わったよ
私の痛みをスルーしておいて
いつもより
そんな優しい言葉はないでしょう
けど‥‥
声が似てるから許してあげる
本当にもう〜。
麻酔で
ますますほっぺが膨らんだ
ま、いいか。
大好きな
駅に続くレンガ道
大好きな場所を歩きながら
大好きな人を考えて。
ひと山超えたら
また、希望が待っていると
思うことにしょう
本当は
魔法なんてないと知っていて
それでもすがりつきたくて
君は僕に恋をした
本当は
恋心なんてないと嘘っぱちで
それでも欲しい言葉があったから
僕は君に恋をした
月夜が結ぶ縁度のマーク
蒼い蒼い光が結ぶ
きっとね
叶えられないことと知っていて
僕の胸に顔をうずめたくて
君は僕に逃げてきた
きっとね
ポッカリと空いた気持ちに縁取りの
君の音が心地よくて優しくて
僕はパズルみたいにはめ込んだ
月夜が見てる縁度のマーク
蒼い蒼い光が繋ぐ
どうしても
どうしても
会いたい気持ちは
会えない気持ちに追いつけなくて
月夜が見てる縁度のマーク
黄色い信号のように
止まれといいながら
いつまでも
蒼い光と行ったり来たり