クリスマス、お好きですか?チョコレート、お好きですか?スパイスやナッツやドライフルーツは?そうですかそうですか、そんなあなたにうってつけの簡単に出来る美味しいお菓子がありますよ。それが、ミサリングファクトリーのクリスマスガトーショコラです。
まずは材料です。卵、グラニュー糖、無塩バター、チョコレート、クランベリー、ドライフィグ、くるみ、生クリーム、薄力粉、ココアパウダー、シナモン、ナツメグ。
チョコレートのお菓子は当たり前なんですけど、使うチョコレートとココアパウダーの質によって出来上がりが決まります。今回は優しい味わいのミルクチョコレートです。製菓材料店で「クーベルチュール」っていうのを買うのがいいんだけど、難しそうならスーパーで売ってる「ガーナ」などでも。混ぜ物がなるべく少ないのがいいです。
次に、使う道具です。ホイッパー、ハンドミキサーの羽根、ゴムべら、木べら、温度計。チョコレートは温度管理が必要です。これさえやれば事故りません。
ケーキの型、本当はデコ型に紙を敷くのですが、お家で食べるだけなのでセルクルとオーブンシートとパイ皿で仕立てました。焼き上がりなど変わってきますが、オーブンのぞいて丁度いい感じになるのを確認します。
さあ、準備は整いました。次はイメトレです。何をどんな順番でやるのかを把握します。お菓子作りは逆算です。このタイミングでちょうどいい状態のこれを使いたいから、そのためにここでアレやっとく。ってことです。
1.クランベリーとドライフィグを刻み、くるみは小さく割って、生クリームに一晩漬ける。
2.粉類を合わせて一回ふるう。
3.バターとチョコレートを湯煎にかける。
4.卵を黄身と白身に分け、白身の方には前グラ(後述)を入れておく。
5.バターとチョコレートが溶けたら、黄身をほぐしてグラを入れてすり混ぜてから、少しずつチョコの方に混ぜる。
6.生クリームに漬けたものを混ぜて、湯煎の鍋の上に置いて保温しておく。
7.白身を泡立てる。1分経ったら後グラ(後述)を入れてまた1分。
8.オーブンの予熱を入れる。
9.チョコレートのベースを60度に調整し、粉類を一度に入れて混ぜる。
10.メレンゲを3回に分けて混ぜる。前半はホイッパー、後半は木べら。
11.型に流して焼成。
ね。簡単でしょ。ぶっちゃけ、こうして文字起こししてる間に出来てしまいます。それぞれの作業についてポイントを書いてみますね。ちょっとマニアックかもしれないけど。
・ドライフィグのこと。わたしの一押しはトルコ産の白いちじくです。香りが甘くてねっとりしっとり。でもちょっと軽やかさもあり。種のプチプチが楽しい。いちじく大好きって人は何故か女の人に多い気がする。お菓子教室では黒いちじく派と白いちじく派に分かれます。黒の方が優位かも。
・チョコレートのこと。お菓子教室で使っているのはフランスのペック社のものです。恐ろしいことにこの味に慣れてしまったので他のチョコレートだとなんとなくしっくりこない。今回は成城石井のクーベルチュールを使っています。ペックより安いのと、スパイスたくさん入って十分美味しくできるので。
・湯煎のこと。チョコレートは水気が入ると組成が壊れます。湯煎はボウルより小さい径の鍋で。それと、お湯がボウルについてしまうと温度が急激に上がってやっぱり壊れるので、ボウルにつかない高さにして、湯気の温度でじんわりと温めます。ガスの火をつける時に一瞬炎が上がるから、それがボウルに当たらないよう、点火時は鍋をコンロから外します。湯煎中はごく弱火または消火。
・黄身のこと。砂糖を入れて白っぽくなるまで摺り混ぜることをブランシールといいます。空気を含ませることで、熱い液体に混ぜてもすぐに煮えてしまわなくなります。気を付けるのは、まんまるころんとした黄身に砂糖をざーっとかけないこと。黄身の皮膜にくっついて固まった砂糖はもう一生溶けません。よくときほぐしてから砂糖投入、入れたら即混ぜる。
・粉を入れる前の温度調整のこと。冷えたチョコレート生地に粉が入ると、生地がギュッとしまります。メレンゲを混ぜ込むために、ちょうど良い硬さになるよう生地温を上げてから粉を混ぜます。
・メレンゲのこと。白身に砂糖を分けて入れるのは、1回目でたくさんの気泡を作り、2回目で出来た気泡を強くするためです。最初から全部入れて泡立てるとなかなか気泡が出来ません。やってみるとわかるよ。1回目はハンドミキサーの中速でガシガシ回してたくさん気泡を作って、2回目は高速で少しゆっくり整えるように回します。
・メレンゲの混ぜ込みのこと。チョコレート生地にきっちりしっかりメレンゲを混ぜ込むために、最初の2回はホイッパーでぐるぐると混ぜます。気泡のことは気にしない。これを「捨てメレ」なんて呼びますが、捨ててないから。3回目はしっかり混ぜるんだけど気泡も気にする。混ぜ終わりの見極めはとにかく生地がつやっとなめらかで美しいこと。うっとりする姿になったら型に入れます。混ぜ込みが足りないと焼いた時ブワッと膨れて割れたり、焼き上がりしばらくすると凹んだりします。
焼きっぱなしのお菓子は美味しいけれどちょっと華やかさに欠けるので、シュガーパウダーでお洒落したり、いっそのこと生クリームとフルーツでデコレーションしてもいいですね。わたしが好きなのは、緩めに泡立てた生クリームを添えるスタイル。中浅煎りの酸味の綺麗なコーヒーが合うと思います。
さてと、我が家に住んでいた万年飢餓女子もいないことだし、明日お友達と分けて食べようっと。