まくとぅーぷ

作ったお菓子のこと、読んだ本のこと、寄り道したカフェのこと。

話すを楽しむ。

2020-11-08 09:31:16 | 日記

「関西人の母を持つ子どもの会」。お菓子教室の仲間のKさんのお嬢さん@中学生が友達と結成してるんだって。ある日お嬢さんと電車に乗ってて、Kさんが話しかけるんだけど「結構面白いこと言ったと思うのに、すごく迷惑そうな顔をするんですよね。」って。で、冒頭の会でお嬢さんは友達と「電車の中でめんどくさいこと言ってくるの困るよね。」「わーかーるー。」なんて話をしてるんだって。

大阪出身で、こっちに来て電車の中で話し声があまりしないことに驚いたと言うKさん。わたし自身は家族や友達と乗ってる時はまあまあ喋ってる様な気がするけど。子どもが小さい時は窓の外見ながらご機嫌で鼻歌歌うのの隣で小さく合唱してたし。でもずっと誰かの話し声でざわめいてる、って感じは確かにしないな。

他にも「ボケとツッコミが会話の基本なのだが、関西人が一人しかいない場合それが成立しないこと」「あなたは方言があると言われて初めて、関西弁は標準語ではないと知ったこと」など、カルチャーショックの例を挙げていた。そういえば大阪人の友達が「話にオチは必須、無かったりしたら『・・・で?』って要求される」って言ってたよ。要するに、サービス精神が旺盛ってことなんだと思う。沈黙は失礼だと思ってるのかもしれない。

これはお菓子レッスンの試食タイムでの話で、先生が「Kさんはこうして欲しいっていうことをハッキリ言ってくれるから良いと思う。」って言って、それも大阪だとわりと普通かもしれないとKさん。くどくどとうだうだとまだるっこしい話し方は受けないらしい。更に言うとそれは外国の人にも不思議がられることなんだって。そういえば前から、大阪弁の発声って英語の発声と同じだと感じていたな。個人的には婉曲な表現は好きじゃないけど、仕事の場面では相手がそれを望んでたりすることがあるので、そんな時は一生懸命回り道する。

後ろから覗き込んだ夫が、お前関西人好きだもんな、と言って去っていった。元彼のことをあてこすってるんだけど、自分だって19歳までは大阪人じゃん。

多分Kさんは電車の中でお嬢さんに話しかけるのをやめないし、思春期の間はお嬢さんが鬱陶しいと思うのも変わらないと思うけど、今度は自分が母になった時に同じことを子どもにするんじゃないかなあとか想像する。リビングだろうが電車だろうが、会話を楽しめることは素敵なことだと思うからね。そして子どもがきっと「関西人2世の母を持つ子どもの会」を結成するだろう。ご盛況をお祈りする。


統括 30days blog♪day 30

2020-11-07 16:29:07 | 日記

白楽で餃子食べてた時に、「一緒にやらない?」と、師匠にニコニコ誘っていただいて、乗っかって、本当に楽しかった。一緒にやってるみんなの日記も毎日すごく楽しみだった。明日は何が読めるだろう、明日は何書こう、って、そんな小さなワクワクが日々のエンジンになるんだな。

30days blogは外国の方もやってるんだね。面白そうな写真から飛んで行ってみたら、どこの国の言葉かすら分からなくてとても悔しかった。読みたかったなあ。あれ。なんて書いてあったんだろう。

ということで統括だよ。アップした順番にタイトルと、「イイネ」の数と、カテゴリだ。

1.珈琲淹れたよ。51(家族)

2.信じてる。35(友達)

3.虹 17(友達)

4.焼きぼっくり。40(焚き火)

5.ありがとうの代わりに 24(読書)

6.教室撮影2020秋 その1 19(仕事)

7.教室撮影2020秋 その2 20(仕事)

8.熊鹿 28(仕事)

9.フローチャート 19(仕事)

10.ロマンス  39(音楽)

11.瓦そばを食べながら 11(友達)

12.鹿にまつわるエトセトラ 12(家族)

13.「みんなで」という圧力 17(焚き火)

14.オムハラ。11(こども)

15.精米機 45(食べ物)

16.13歳の受難 37(青春)

17.さよなら水切りかご 31(家事)

18.Over 30 32(音楽)

19.鉄板 27(焚き火)

20.あんこを煮る 38(お菓子)

21.ポートレイト 57(友達)

22.朝の薪拾い 32(焚き火)

23.ワークマン着て遊ぶ 43(焚き火)

24.闇風呂 27(変な癖)

25.オンライン研修、やるのと受けるのと。18(仕事)

26.クリスマスガトーショコラ 30(お菓子)

27.お姉さん 46(家族)

28.ビスフェノールA 30(食べ物)

29.さんじゅ 20(お菓子)

30.統括

 

カテゴリ毎の頻度は

5回 焚き火、仕事

4回 友達

3回 家族、お菓子

2回 食べ物、音楽

1回 青春、こども、変な癖、家事、読書

 

平日5日仕事して、週末は焚き火してるか焚き火の準備してるかという日々なのでとても妥当。家族より友達の方が多いのも納得。音楽はもっとあっても良さそうなのにな。家事が1回しか出てこない。さすがなんちゃって主婦の面目躍如。

 

イイネランキング トップ3は

57 ポートレイト

51 珈琲淹れたよ。

46 お姉さん

ポートレイトに関してはマッキードーピング使ったからな。珈琲の話にうなづいてくれる人が多いのはとても嬉しい。お姉さんは彼女の破壊力の強さを再確認した。僅差で4位の精米機のリアクションの多さにも驚いた。いまだに落ちてこないけどな、精米機。そういえば薪でご飯炊くのの精度がだいぶ上がってきたんだよ。なんでもやってるうちに出来る様になるね。

1日のアクセス数はこれまでの適当なペースだと100くらいだったんだけど、ここ数日は200から300超。あらかじめ、読んでくれるであろう人が居るというテイで物を書くというのは楽しい反面とても気を遣う。まずは下書きをブワーッと何本も書いて、それから次にアップするものを選んで読み直して手を入れてちょっと一晩置いたりして。やっぱり、読んだ人の誰にも悲しんで欲しくないし、ムッとして欲しくないから。できれば、アホやなこいつ、って笑っといて欲しいから。そうそう、寝かす間にちょうどいい写真を撮ったり探したりね。どうにも見つからない時に、何処かから無料提供ものを拾って来ようかなあと言ったら、夫に「やっぱ自分の撮ったのがいいんじゃないの」と言われて、思い直したことがある。クオリティはアレだけど、どうにか自前で30本。それで良かったと思う。

人間が超多面体だとしたら、わたしの面には全部ボコボコな傷とか穴とかがありまくる、いわゆる欠陥品だと思う。足りないところが多すぎる。だけどあがいてるとその傷や穴を埋めてくれる人が現れる。ありがたいことに。フラットになった面を磨いてるとその人がキラキラして映り込む。そんなわたしを外から見る人にもそのキラキラが見える。そうして世間にとっては幾分マシなわたしが存在してる。ということを拙い文章で表してるのがこのブログなんである。ブログを始めて2日目に書いてるんだけど、タイトルの「まくとぅーぷ」は「アルケミスト」というお話からとったもので、「それは書いてある」という意味。わたしをマシにしてくれる人たちとの出会いは、神か仏か宇宙か分からないけど、そいつが作ったわたしの運命に起きると決まってることなのだ。だからきっと、それを書き続けることもわたしのまくとぅーぷなんだと思う。


さんじゅ 30days blog♪day 29

2020-11-06 23:03:00 | 日記

タイトルは「傘寿」である。30と似てるけど違うよ。80歳のお祝いのことだ。こないだパパが「米寿お祝いありがとう」って言ってたけどそれは88歳ね。まだちょっと早いから待っとけ。

明日めでたく80歳になるのは我らが義理パパである。「ゆっこちゃんのケーキだよね」と夫は言うが、たまたま明日はわたしのフランス菓子のレッスンなので、りんごのタルトをホールでお持ち帰りなのだ。40日くらい前まで住んでいた万年飢餓女子が居るなら良いけど、今このお家にホールケーキが2個同時にあってもちょっと困る。え、わたし、今、困るって言いましたか?信じられない。ケーキがたくさんあって困るなんてシチュエーション、我が身に起きるとは思わなかったよ。って、いや待て、落ち着け、だからゆっこちゃんのケーキはまた今度なのだ。とりあえずりんごのタルトだ。

何々、色味がちょいと地味すぎやしませんか、って?わかった、ならばしょうがない、カラフルなクッキーでも飾ってやろうじゃないか。何しろなんちゃってアコルネ会員なのだ。アイシングクッキー なんて朝飯前、いや、今は夕飯前なのでとりあえず生地まで仕込んで夕ご飯終わったら型抜き、焼いて冷めたら色塗りだ。

そういえばパパの80歳のお祝いの時にはアコルネさんで素敵なクッキーを作って、あまつさえ神奈川新聞に掲載までしてもらったんだったよ。今回はメディアの取材はないが、勘弁してくれ。あと、色のバリエーションもあの時の半数くらいにしかならないと思うが許してほしい。何しろ我が家にあこちゃんは居ないのだ。ひとりで頑張る。



と言うことでクッキー生地の材料はこちら。バター、粉砂糖、卵黄、ヘーゼルナッツパウダー、薄力粉、BP。



使う道具はこんな感じ。バールが5mmなので仕上げは少し薄めにする。

バターは柔らかくする必要があるが、溶かしてしまってはいけない。なので、こんなふうに薄く切ってボウルに貼り付けるみたいにしてしばし待つ。

かつて師匠が子供の教室で「バターを溶かしちゃったらいけません。それは違うものになります。」とおっしゃった時、子供の一人が「何になるの?」と聞いたら、「溶けたバターになります。」と大いばりで答えられたのだ。ふーん。。。。ん?という空気も何のその、そのままレッスンは続いたのだった。

そういえば有名な絵本で、虎がグルグル高速回転してるうちにバターになる話があるけれど、そいつらは多分前の日に牛をたらふく食べて胃の中に牛乳がじゃぶじゃぶしていて、それが回転してるうちに攪拌されて脂肪が分離して、それ以外のもの全てが遠心力でジャングルにぶっ飛ばされた、ってことなんだろう。

そうそう、よくバターを柔らかくするレシピの時に「ポマード状」って言ってたじゃん。もうそれ死語なんだよね。何歳まで通じるんだろうな。そしてちょうど良い代わりの表現が今のところ見つからないっていうね。

砂糖には様々な種類があるが今回使うのはパウダー状のもの。市販のものには2種類あって、湿気ないようにコーンスターチなどが混ざってるタイプと、100%ピュアな砂糖。わたしはそんなに拘りないけど、あこちゃんは純粉糖を使うって言ってたよ。そっちの方が美味しいのは間違い無いと思う。アイシングにも使うからたっぷり用意。

卵は全卵を溶いて使うってレシピにあるけど後でアイシングに卵白を使いたいので卵黄だけで。リッチな配合。さらに今回は横須賀の直売所で仕入れた美味しい卵使用。

前にも書いたけど、日本の鶏は餌に魚粉が混じってるので卵が魚くさいんだってさ。なのでとうもろこしとかを食べてるフランスの鶏の卵を使ったフランス菓子を同じ様に日本の卵で作ろうとすると色々と難しいらしい。例えば加熱する時、フランス卵ならステンレスボウルで炊いても問題ないけど日本卵は匂いがキツくなるからガラスボウルで炊く、とかね。

とかいう拘りを見せるのがうちの師匠の師匠、弓田享様なのだ。明日作るタルトには彼の名前の頭文字がついてるので、今から少しドキドキする。美味しくなかったらがっかりだぞ。いやお前がな。はい。

そして同じくレシピにはアーモンドパウダーとあるんだけれどたまたま切れてたので代わりにあったナッツの粉を使う。これもリッチ度が上がっちゃうやつ。ヘーゼルナッツ党があったら加入したい。大好き。フランス語ではノワゼットと言う。お洒落な響きを聞くだけで涎が。

ベーキングパウダーはほーんの少しなので、これって意味あるか?と思うんだけど、これがあるから火抜けが良くなるんだよね。入れないで作ってみると違いがわかる。お菓子は繊細だ。化学だ。今回はちゃんと入れる。微量計は持っていないので、100均で売ってる計量スプーン1.25mlで半量計る。すり切って真ん中に線入れてポイ、ね。

作り方は簡単、バターを柔らかくして砂糖3回に分けていれて卵も3回に分けていれて、ヘーゼルナッツパウダー一度に入れて、粉類をふるって2回に分けていれて。とにかくなんか入れたら必死に混ぜる。混ぜまくる。そしてラップに包んでしばし冷蔵庫でお休みする。なぜお休みするかっていうと、今はまだお互いがよそよそしいからである。とあるミュージシャン様が「前打ち」っていうのをやるって言ってて、それは何かというと初めましての演者さんらをリハの後集めて本番前に飲みに繰り出す(本番前の打ち上げ)、ってやつで、そうやって仲良くなったところで本番やると、とてもいい感じのライブになるんだって。クッキー生地も今頃冷蔵庫で、「初めまして。バターです。」「あ。砂糖です。よろしく。」「どうもどうも、ヘーゼルちゃんでーす。」とか言って仲良くなってるところである。この日記書いてギター弾いて夕ご飯作って食べたらちょうどいい具合じゃないだろうか。

あとは扉絵に完成したクッキーの写真を貼って、記事公開を今日中に。

おしっ、間に合ったぜ。


ビスフェノールA 30days blog♪day 28

2020-11-05 13:34:00 | 日記

「トマトソースは缶じゃなく瓶を買ってね。」と妹ちゃん。一人暮らしの長い彼女は健康にとても気を使っている。米麹で甘酒を作って毎日少しずつ飲んだり、長い在宅ワーク期間も早朝の海辺散歩を欠かさない。その妹ちゃんが、「トマトの酸が缶の内側のコーティングを溶かすから、体によくないよ。」と言う。そんなことってあるかしら。でも確かに瓶のトマトソースは缶のより美味しい気がする。価格も高いし。早速調査。

結論から言うと、トマトの缶詰は普通の人が普通の量食べる分には問題ない。だけど、妊婦、乳幼児はあんまり食べない方がいい。

食品容器などの加工に使っているものに、ビスフェノールAという物質が使われている。ポリカーボネート、エポキシ樹脂と呼ばれるプラスチックの原料だ。安全のために、ヒトに対する耐容一日摂取量※が1993年(平成5年)に、0.05mg/kg体重/日と決められている。それを受けて日本の食品衛生法の規格基準で、ポリカーボネート製器具及び容器・包装からのビスフェノールAの溶出試験規格を2.5μg/ml(2.5ppm)以下と制限している。この基準に沿って作られているトマトの缶詰を1日100個食べ続けると、限度を超える計算ね。どのような悪さをするものかというと、神経や行動、乳腺や前立腺への影響、思春期早発等があげられるとのこと。(厚生省のビスフェノールAについてのQ&Aより。)

ところがトマトの缶詰よりもっとドキッとしたのは、ポリカーボネートの哺乳瓶についての記載。傷がついたら使っちゃダメ、あまり長期間使ってもダメ、熱湯入れちゃダメ、白く濁った感じになったらダメ、って、多分わたしヤバかったと思う。ガラス瓶の方が安全ですよ、って、今聞いても。四半世紀遅いわ。あの、特殊なポリ袋に水と入れてレンジで煮沸って一体。あ、待て待て、ガラス瓶使ってたんだっけな。しまった。もう忘れた。この日記娘読みませんように。

その昔インドネシアに仕事で行って、生水は本当に一瞬も口にしたらアウトって言われて、歯磨きすらミネラルウォーターでやってたのにも関わらずまんまと腹痛を起こしたのだが、現地の皆さんは別に普通にその水で暮らしてるわけで、なんで大丈夫なんですかって聞いたら、耐性のない人間は赤ん坊の時にもう淘汰されるから、って言われたことがある。人は無菌無毒の環境になんかいられないので、避けたり耐えたり攻撃したりして生きていく必要がある。正しい知識が大事だと思う。あと、頑丈な体ね。それと、ちょっとのおおらかさがある方が生きやすいと思う。

余談だけどトマトの缶詰に「イタリア産」って書いてあっても、中国で作ったトマトの濃縮をイタリアに運んで缶詰にしてるものがあるんだってよ。そういう表示の仕方は困るよねえ。容器の問題以前。

なんか、ナポリタンが食べたくなってきたので、今夜はそれにする。


お姉さん 30days blog♪ day27

2020-11-04 13:38:00 | 日記
欲しいものがあるとき、地べたにひっくり返って派手にアピールするタイプのこどもっているよね。
公共の場で金切り声をあげて主張するこどももいる。
わたし、どっちのタイプでもなかった。娘もそうだ。そのことについては本当に神様ありがとうと思ってる。あれはほんとうに親御さんが気の毒だなぁとおもうからね。
娘はさておき、小さい頃のわたし、そんなにあれこれ欲しがることもなかったこども時代に心から欲しかったものがひとつある。それは、お姉ちゃん。三姉妹長女の叶わぬ願いである。ちなみにいちばん下の妹は、弟がほしいといつもいってて、お人形で遊ぶときもいつもコージくんと名付けたヘルメット被って作業着のこけしみたいなのを連れ込んで来た。りかちゃんやミキちゃんマキちゃんの世界観に馴染まなすぎて、やだったんだけど。
いやコージくんのことも別にいい。お姉ちゃんだよ。それが突然叶ったのは26歳の時だった。結婚した相手に既婚のお兄さんがいたのだ。そして彼女はおよそわたしが思い描いていた『お姉ちゃん』と違うひとだった。想像の斜め上を行く面白さである。
お姉さんはひとつ上だ。これはまあまあラッキーなことである。年下の可能性だってあり得たのだから。でもやっぱりお姉さんなら上がいい。
お姉さんはとても華奢だ。多分わたしの方が大きい。そしてひっきりなしに休みなく動く。せわしなく喋る。大阪人なので話にはかならず笑いのポイントがある。そのポイントの過ぎ去るのが光より早いので、リアクションしてると置いていかれる。身ぶり手振りが大きいので、可動域にまちがって入ると危険である。それとよく、そんなわけあるかーい、という思い違いをする。こないだなんか夫は仕事辞めてミュージシャンにされそうになった。
お兄さんはこの夏から埼玉に単身赴任している。1年で大阪に戻るということになっているので、お姉さんとお子さんらは大阪の自宅に暮らしている。先週、お姉さんからメールが届いた。
「明日から埼玉いくんやけど、そちらに寄れたらなーと思って。27までは居るから、その前の週末はいてる?」
お姉さん、今日はもう28だ。きっとカレンダー段いっこ間違えたね。でも平気、それは想定内。
次の土曜ならいますよー、と返事した。そしたら昼前にいくわー。出るときメールするねー。
当日、朝から掃除や片付けをして、だいたいこれでいいやとなってからギター弾いて遊んでた。ふと時計みると12時だ。あれ?昼前に行くんじゃなくて、昼前に出発するだったのかな?と思ってたらメールが届いた。
「ごめーん、出発するときのメール送信できてなかったわ。今高速。」
高速っていっても幅が広いなー、まあいっかー、と思ってたらほどなく玄関チャイムが鳴った。
お茶飲んで一息いれて、お兄さんは義理パパ連れてゴルフの打ちっぱなしに出掛け、わたしはお姉さんを近所のカフェに連れていった。それから約二時間、家族や仕事や健康の話をした。こんなに長いこと二人で喋ったことはこれまでなかった。
話の流れでお姉さんが「社会保険」と言う単語を使った。わたしはおやっと思った。お姉さんは基本仕事してる人だが、お子さんの都合や自分自身の健康のことなどで、度々中断しては新たな仕事に就いている。今はフルタイムではなくパートなのだという。「社会保険、払ってるほうがだんなに対して引け目感じなくていいんだけど。」と言ったのだ。お姉さんとわたしの会話は、深くもなりようがないし議論もしようがないため、なんにつけても「そーそー」「おんなじやー」「いっしょいっしょー」なんだけど、このときばかりは心の底から同意した。出産手前から社会復帰までの約三年半、何が嫌だったって、寄生してる感が嫌だった。それは本当は間違った考え方なのは今ならわかる。わかるけど、てめえでてめえの社会保険を払ってる、っていう気持ち良さ、すがすがしさ。お姉さんとそれが共有できてとても嬉しかった。
家に帰るとすぐお兄さんと義理パパが帰ってきて、おやじ疲れたっていうから俺ら帰るわーって帰ってしまった。後ろから見送るとお姉さんは助手席で両手を振り回していた。お兄さんが危険なのでわたしはすぐに家にひっこんだ。
無事についたよー、のメールが届いたのがそれから二時間半後だった。ほっとしてお茶飲んでたらそれから一時間後にまたメールが届いた。
「おはよー。今からでるわー。」
10時間遅いわ。