『夜の門』 Les Portes De La Nuit (仏) 1946年制作
監督 マルセル・カルネ
音楽 ジョゼフ・コスマ
主演 ジャン・ディエゴ … イヴ・モンタン
マルー … ナタリー・ナティエ
レイモン・レキュイエ … レイモン・ビュセール
ギー … セルジュ・レジアニ
エチエネット … ダニー・ロバン
ジョルジュ … ピエール・ブラッスール
運命(浮浪者) … ジャン・ヴィラール
主題歌 『枯葉』 ( Les Feuilles Mortes ) 唄・ナタリー・ナティエ
巨匠マルセル・カルネの日本未公開作品で、ナチ解放後のパリを舞台にして運命の糸に操られるように愛し合う男女の悲話。
ジャンはレジスタンス仲間のレイモンが死んだことを伝えるためにレイモン家を訪れたがレイモンは生き延びていて驚く。ジャンは
レイモン一家とレストランを訪れた時にハーモニカを奏でていた運命と名乗る不審者に不吉な予告を受ける。そんな夜、ジャンは
夫との諍いが絶えないマル―に出会い、二人は聞こえてきたハーモニカの音に操られるようにダンスを踊りだす。表に出た二人
は車で駆けつけたマル―の夫ジョルジュに出くわし、ジョルジュは拳銃でマル―を撃つ。ジャンは病院でマル―の死を見届けて
夜明けの道をさまよう。
主題歌の『枯葉』はジャック・プレヴェール作詞、ジョゼフ・コスマ作曲によるシャンソンの代表的な名曲です。元はジョゼフ・コスマ
がローラン・プチ・バレエ団のために作曲したものですが、映画『夜の門』のためにジャック・プレヴェールが詩を付けました。
映画ではレストランのシーンでイヴ・モンタンが口ずさむようにほんのわずかだけ唄っています。また物置のような場所で主役
の二人が踊り狂うシーンでも流れていました。印象としてはイヴ・モンタンよりも浮浪者によるハーモニカやナタリー・ナティエの
唄の方がインパクトがありました。
Oh! je voudrais tant que tu te souviennes
Des jours heureux ou nous étions amis
~
C'est une chanson Qui nous ressemble
Toi tu m'aimais Et je t'aimais
Nous vivions tous Les deux ensemble
Toi qui m'aimais Moi qui t'aimais
↓は映画から『枯葉』 YOUTUBEより
↓はイヴ・モンタンの『枯葉』 YOUTUBEより
この映画は当初ジャン・ギャバンとマレーネ・ディートリッヒで撮る予定だったのが二人が降りたために仕方なくモンタンに主役が
回って来たようです。その結果、『枯葉』がイヴ・モンタンの持ち歌となった上、駆け出しの新人であった彼を一躍シャンソン界の
帝王、はたまた世界の恋人へとのし上げることになりました。この映画によって彼の生涯を一変させることになったわけですから
これもまた"運命"なのでしょう。