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『さらば草原よ』 マリアノ・モレス楽団

2016-05-17 16:00:47 | アルゼンチンタンゴ
現在、名曲セレクションを連日で投稿していますが、ここで少しアルゼンチン・タンゴの名曲を挟んでみます。
当時の一般的な洋楽のくくりは軽音楽又はポピュラーと称されて、ポピュラーソング、ジャズ、ラテン、シャンソン、
カンツォーネ、映画音楽と共にアルゼンチン・タンゴもその範疇でした。
よってアルゼンチン・タンゴの名曲も「名曲セレクション」というカテゴリーで扱うべきなのですが、個人的には
”アルゼンチン・タンゴだけは別格”という強いこだわり がありますので、あえてアルゼンチン・タンゴのカテゴリー
として名曲セレクション風に紹介することにいたします。

『さらば草原よ』 マリアノ・モレス・オルケスタ・リリカポプラール

”Adios pampa mia” Mariano Mores



この曲は1945年にフランシスコ・カナロが監修したタンゴ・ミュージカル「パリのタンゴ」の挿入歌として、カナロと
モレスが共同で作曲しイボ・ペライが作詞したもので、当時沈滞していたタンゴ界を復活させた名曲です。
元々、「パリのタンゴ」は1913年に劇作家のフロレンシオ・パラヴィシーエが創作した音楽劇ですが、これを
シナリオライターのエンリケ・ヴェジョンが四幕劇に書き直してカナロとペライが共同で演出したものでした。
歌詞には、強い愛着を持った大草原パンパを離れるにあたっての郷愁が込められており、その楽譜にも
「タンゴ・カンペーロ」すなわち田舎風のタンゴと記載されていて、歌詞はもとより演奏の冒頭にはパンパの
地元音楽であるマランボを取り入れて田園風景を強調しています。

Adiòs pampa mia!
Me voy. Me voy a tierras extrañas.
Adios, caminos que he recorrido,
Rios, montes, y cañadas,
Tapera donde he nacido.
Si no volvemos a vernos,
Tierra querida,Quiero que sepas
Que al irme dejo la vida.
Adiòs! Que al irme dejo

↓はマリアノ・モレス・オルケスタ・リリカポプラールの『さらば草原よ』 YOUTUBEより

唄っている歌手はカルロス・アクーニャです。