港町のカフェテリア 『Sentimiento-Cinema』


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『ジーラ・ジーラ』 フランシスコ・カナロ楽団

2016-05-20 16:21:39 | アルゼンチンタンゴ

”Yira Yira”  Francisco Canaro



1930年にエンリケ・サントス・ディセポロが作詞・作曲、同年に上演された音楽劇の中でソフィア・ボサンが
唄ってヒットしたアルゼンチン・タンゴの古典的傑作です。
タイトルの”Yira yira”、この言葉は俗語でスペイン語の辞書にも載っておりませんが、「ぐるぐる回る」とか
「ふらふらとほっつき歩く」という意味のようで、別訳では売春婦を指すともいわれています。
この曲の歌詞はタイトルだけにとどまらず、俗語・死語・新造語などが多くかなり難解に作られています。
その内容は、女にふられた男の恨み節のようで、辛辣で極度の憎悪を感じ取れるのですが、逆に言えば、
道を踏み外した者とそんな道に追いやった社会を痛烈に批判しているかのようにも受け取れます。
こういった厭世的で意味深い内容であるからこそ俗語・死語などを多用したのかもしれません。

Cuando la suerte que es grela
fallando y fallando, te largue parao,
cuando estes bien en la via,
sin rumbo desesperao.
Cuando no tengas ni fe,
ni yerba de ayer,
secandose al sol.

↓はフランシスコ・カナロ楽団 (唄:アルベルト・アレーナス)の『ジーラ・ジーラ』 YOUTUBEより