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『エル・アラクラン(サソリ)』 フランシスコ・カナロ楽団

2018-06-09 18:25:54 | アルゼンチンタンゴ

”El alacran” Francisco Canaro 【YOUTUBEより】 


フランシスコ、カナロ初期の1910年代ごろの作品でタイトルの”El alacran”は小さなサソリの一種のことなのですが
俗に軽口たたきという意味もあるようです。
医学生仲間で結成されたオルケスタのリーダーであるアドルフォ・レボール教授に捧げた曲なのですが、カナロが
教授につけた仇名をそのままタイトルにしたものです。
カナロは医者仲間との交流が多いことでも知られており、医師仲間たちのために多くの曲を作っています。
若い医師のために作曲した『エル・インテルナード』は英語で言うインターンに皮肉を込めて寄宿舎に入って自由を
半分奪われた可哀想な人という「囚われ人」という意味合いになっています。
他にも、医者仲間に対して「マタサーノ(藪医者)」とか「チャラムスカ(枯葉)」などという曲もあり、ユーモアと
皮肉をこめたタイトルはいかにもカナロらしいですね。