火星の地震 マグニチュード3.7!NASA観測機がとらえた!
NASA(米航空宇宙局)は今月1日、火星探査機「InSight(インサイト)」が設置した地震計がとらえたマグニチュード(M)3.7とM3.3の地震信号を公開した。地震波を詳しく分析することで、火星の内部構造解明につながると期待されている。
風の動きも感知する地震計
この超音波信号の観測に成功したのは、フランス国立宇宙研究センター(Cnes)が開発した高性能の地震計だ。昨年11月27日の火星到着以来、これまでに100回以上の高周波信号をとらえているが、詳しく分析した結果、そのうち21回が地震である可能性が判明した。
公開された地震波は、通常、人間の耳には聞こえないほど周波数が高いが、高速処理することで、ヘッドホンやイヤホンで聞き取れるようになった。
今年5月22日にとらえられた音波(Sol-173)は、M3.7と推定されるもので、次の7月25日(Sol-235)は地震の規模はより小さなM3.3だったが、終了に近づくにつれて、低音域が重く響いて聞こえるという。
▽下記をクリックすると火星の地震波の音をお聴きいただけます(ヘッドホンかイヤホンの使用を推奨)
いずれも振動は微弱なものだが、地球の地震と比較すると、火星の地震は月に近い可能性が高いという。というのも、地球の場合は、岩盤にできた亀裂には、やがて水分とともに新たな鉱物が染み込むため、地震波の継続時間が短いが、火星や月の地下構造は乾燥しているので、断層ができると地震波が長時間にわたって続くからだという。
研究チームは、常に地震計がとらえた音波を解読しているが、非常に高性能な観測装置であるため、「インサイト」のロボットアームの動きや風の振動で、電子機器が感知することもあるという。