こんな時代なので、ドライブ紅葉!!
車の中から、
秋になるとサラリーマンは会社から年末調整のための関係書類の提出を求められると思います。今回は提出する書類のうち「給与所得者の扶養控除等申告書」に触れてみたいと思います。
◆給与所得者の扶養控除等申告書とは
「給与所得者の扶養控除等申告書」とは、その方が配偶者や子供、親の面倒をみていることを申告し税金の軽減を受けるために提出する書類です。
年末調整時には本年分(令和2年分)の申告書を提出し、扶養親族に変化がなかったかを会社が確認した上で税額計算が行われます。
◆扶養控除等申告書にマイナンバー記載は必要ない
本来「扶養控除等申告書」には、本人や控除対象となる配偶者及び控除対象扶養親族等のマイナンバー(個人番号)の記載が必要です。
しかしながら国税庁のFAQには以下の記述もあります。
“平成29年1月1日以後に支払を受けるべき給与等に係る扶養控除等申告書については、給与支払者が従業員等のマイナンバー(個人番号)等を記載した一定の帳簿を備えている場合には、その帳簿に記載されている方のマイナンバー(個人番号)の記載を要しない(国税庁源泉所得税関係に関するFAQ1-3-1令和2年1月6日更新版)”
つまり、過去に会社に配偶者や扶養親族のマイナンバーを一定の書類(税務関係書類など)で提出したことがあり、その情報を会社が管理している場合、今回提出する「扶養控除等申告書」にマイナンバーをあらためて記載する必要はないことになります。
マイナンバーは個人情報そのものであり、記載されている書類は会社に厳重な保管義務が生じますので、会社の負担を減らすための措置といえます。
◆各項目記入時の注意点
ここからはあなたの家族構成が以下と仮定し、各項目ごとに申告書を記入してみます。
本人:アバウト良夫(52歳) 給与収入1,095万円(所得900万円)のみ
妻:アバウト良子(50歳) パート収入見込み額150万円(所得95万円)のみ
長男:アバウト太郎(19歳) 国内在住
次男:アバウト次郎(17歳) 海外在住
三男:アバウト三郎(15歳) 国内在住
母:アバウトウメ(70歳) 身体障害3級
◆A:源泉控除対象配偶者
「源泉控除対象配偶者」とは給与の源泉徴収額計算の際、扶養人数に入れることのできる条件を満たしている配偶者のことを指します。
平成29年までこの欄には「控除対象配偶者」と書かれており、給与(パート)収入が103万円(所得が38万円)以下の「配偶者控除」を受ける配偶者だけが対象でした。しかしながら平成30年からは給与(パート)収入が150万円までの「配偶者特別控除」を受けられる配偶者も源泉徴収計算の際の扶養人数にカウントできることとなり、新しく「源泉控除対象配偶者」という表記に改められています。
なお、この欄に記入できる配偶者は以下の2条件を満たす方のみですので注意してください。
・配偶者の所得95万円以下(パート収入のみなら150万円)
・本人(控除を受ける人)の所得が900万円以下(給与収入のみなら1,095万円)
モデルケースでは、あなた(本人)の給与は1,095万円(所得900万円)で良子さんはパート収入見込み額150万円(所得95万円)のみです。要件を満たしているので図のように記載します。
◆B:控除対象扶養親族(16歳以上・平成17年1月1日以前生まれ)
配偶者以外の扶養親族を記入する欄です。本年1月1日以降に16歳以上である親族を記入します。
またその親族が特定扶養親族(19歳以上23歳未満)や同居老親(70歳以上)にあたるかどうか、国内に居住している親族かどうか等を記入します。
モデルケースでは太郎さん、次郎さん、母であるウメさんが16歳以上ですのでそれぞれの名前と続柄を記載します。なお太郎さんは特定扶養親族(19歳以上23歳未満)ですのでチェックを入れ、また次郎さんは海外在住のため海外在住欄に〇を入れます。
またウメさんは70歳以上かつ直系尊属のため「同居老親等」欄にチェックを入れます。
◆C:障害者、寡婦(夫)、特別の寡婦、または勤労学生
本人や配偶者や扶養親族が障害者に該当する場合、本人が寡婦(夫)、特別の寡婦や勤労学生である場合など、特に税の軽減が必要な方の記入欄です。
障害者に当たるかどうかの判断の際には「同一生計配偶者」や「扶養親族」の基準を満たしているかどうかに注意が必要です。
「同一生計配偶者」とは所得48万円以下(パート収入のみなら103万円)の配偶者のことであり、先ほどの「A:源泉控除対象配偶者」に記入する際の基準(所得95万円:パート収入のみなら150万円)とは異なりますので混同しないようにしてください。
「扶養親族」とはここでは16歳未満の親族も含まれます。これも先ほどの「B:控除対象扶養親族(16歳以上)」に記入する際の基準とは異なりますのでご注意ください。
モデルケースではウメさんが障害3級で「一般の障害者」にあたりますので、チェックを入れ詳細を右の欄に記載します。
▼ひとり親の場合
なお今回のモデルケースには該当しませんが、令和2年より本人が「ひとり親(注1)」の場合にも寡婦(夫)と同様の控除を受けられることとなりました。
注1:所得500万円以下の方が対象、婚姻歴や性別は問わないが現在事実婚の方は対象外
しかしながら令和2年分の申告書には「ひとり親」である旨のチェック欄がありません。
対象となる場合には図のような記載例が出ていますので、参考にしてください。
◆D:他の所得者が控除を受ける扶養親族等
文字だけではよく分からないと思いますが、例えば夫婦共働きの家庭で子供をそれぞれに分けて扶養に入れている場合、相方の扶養に入れている子供の名前をここに記入する欄、と考えればよいかと思います。
同じ子供を夫婦2人が同時には控除に入れることはできないため確認のための欄だと思えばよいでしょう。
◆16歳未満の扶養親族・単身児童扶養者
この欄は住民税に関しての項目です。「16歳未満の扶養控除」については廃止されているのになぜ記入が必要なのかと不思議に思われるかもしれませんが、住民税には非課税限度額(これ以下の所得なら住民税は払わなくてよい基準額)というものがあり、その算定の際には16歳未満の扶養親族の数も含めてカウントします。
その限度額計算の際に必要なためにこの申告書で記入が求められているのです。
また「単身児童扶養者」とは児童扶養手当(児童手当ではありません)を受けている「ひとり親」を指します。「ひとり親」は住民税でも配慮が必要だろうとの考えにもとづくものです。
該当の方は2021年度から住民税が非課税となりますので忘れずに記入しておきましょう。
モデルケースでは三郎さんは15歳ですので、「16歳未満の扶養親族」欄に記入しておきます。
◆令和3年分の扶養控除等申告書を提出する理由とは?
会社によって「令和2年分」と共に「令和3年分」の扶養控除等申告書の提出を求められます。そうでなくともサラリーマンは年始に「令和3年分」の申告書を提出しなければなりません。
その理由は国税HP(給与所得者の扶養控除等の申告)に以下の記述があるからです。
“[提出時期]
その年の最初に給与の支払を受ける日の前日(中途就職の場合には、就職後最初の給与の支払を受ける日の前日)までに提出してください。
[備考欄:一部抜粋]
国内において給与の支給を受ける居住者は、源泉控除対象配偶者や扶養親族の有無にかかわらず原則としてこの申告を行わなければなりません。この申告を行わない場合は、月々(日々)の源泉徴収の際に受けることのできる諸控除が受けられず、また年末調整も行われないことになります。”
簡単に言うと、「サラリーマンは最初の給与を受ける前に申告書を提出してください。なお奥さんや扶養家族がいなくてもこの申告書を提出しないと、毎月の給料から引かれる源泉徴収が多くなり(確定申告することで最終的に税額は同額にはなります)、年末調整を会社がしてくれず、自分で確定申告する必要があり手間ですよ」という意味です。
会社により提出期限は違いますが、申告書は指定期限内に確実に提出することをお勧めします。
もうこんな時期ですね。
何歳までこの会社で働くのか? 退職金はどうもらうのか? 定年後も会社員として働くか、独立して働くか? 年金を何歳から受け取るか? 住まいはどうするのか? 定年が見えてくるに従い、自分で決断しないといけないことが増えてきます。
会社も役所も通り一遍のことは教えてくれても、”あなた自身”がどう決断すれば一番トクになるのかまでは、教えてくれません。
税や社会保険制度の仕組みは、知らない人が損をするようにできています。 定年前後に気を付けるべき「落とし穴」や、知っているとトクする裏ワザを紹介したシニアマネーコンサルタント・税理士の板倉京先生の話題の著書「知らないと大損する!定年前後のお金の正解」から、一部を抜粋して紹介します。
本書の裏ワザを実行するのとしないのとでは、総額1000万円以上も「手取り」が変わってくることも!
年金が受け取れるのは、原則65歳からですが、60~70歳(改正後は75歳までの予定)の間で自由に選ぶことができます。年金を65歳より早く受け取る「繰り上げ」受給は、早く受け取る代わりに年金年額が減ります。
一方、65歳より遅く受け取る「繰り下げ」受給は、遅く受け取る代わりに年金年額が増えます。
はたして、何歳から受け取るのがトクなのでしょうか……。
受取開始時期を決める一番のカギは、65歳で受給開始した場合と比べて受給総額がトクになる年齢を表す「損益分岐点」です。
たとえば、65歳から受給した時の年金月額が16万円の人の場合、60歳から「繰り上げ受給」すると76歳が損益分岐点。70歳から「繰り下げ受給」すると81歳が損益分岐点です。(ただし、年金には税金や社会保険料がかかり、これらは年金額が多いほど高くなるので、実際は、この損益分岐点の年齢よりも、1~2歳ほど、うしろにずれてくる可能性が高いです)
● ポイントは、損をどこまで受け止めるか? 年金をいつもらい始めるかを決めるカギは、リターンとリスクをどう受け止めるかです。
上記のように年金月額16万円の人が「繰り上げ」を選択した場合、仮に、60歳になってすぐに年金をもらい始めると、65歳からもらい始めるよりも年金が30%減(年間57万6000円減)となりますが、早くもらい始めている効果があり、75歳までは手にする年金総額は多くなります。 しかし、損益分岐点である76歳を超えると、「繰り上げ」しなかった場合と比べて、毎年57万6000円ずつもらう年金が少なくなります。これが具体的なリスクというわけです。
仮に90歳まで生きたら、864万円程度ももらえる年金が少なくなるということです。 「繰り下げ」をした場合、仮に、70歳から受け取りを始めると、65歳からもらい始めるよりも年金が42%、年間80万6400円増えます。損益分岐点を超える81歳以降にその効果が出るので、仮に90歳まで生きれば、65歳からもらい始めるよりも806万円程度もらえる年金が増えるということです。これが具体的なリターンです。
● 一部だけの繰り下げでリスクヘッジができる 逆に早死にした場合の「繰り下げ」のリスクですが、70歳から年金をもらおうと思っていた人が、70歳直前で亡くなってしまえば、年金は1円ももらえません。
60歳からもらっている人なら、70歳直前に亡くなってもすでに1344万円も年金をもらっていることになります。
こんな極端な例でなくても、「繰り下げ」は、1回に受け取れる金額は多くなりますが、早死にリスクがあります。 「繰り下げ」の場合、一部だけを「繰り下げ」るという方法もあります。たとえば、16万円の年金月額の内訳が(老齢基礎年金6万円+老齢厚生年金10万円)だった場合、「老齢基礎年金だけ」「老齢厚生年金だけ」と繰り下げする部分を選べるので、リスクヘッジに利用できます。
具体的な損得が見えると、どうすべきか決めやすくなるのではないでしょうか。 「知らないと大損をする!定年前後のお金の正解」では、受給開始年齢別の「年金額の増減率」と「年金額」、「損益分岐点となる年齢」などを表にしています。
「ねんきん定期便」に記載されている、老齢年金の見込み額(年額)を使って、是非、自分の場合を考えてみてください。計算をし直すのは大変ですので、たとえば年金月額が20万円の人であれば、「表の数字の1・25倍」というように考えてもらえばいいと思います。
米国の環境保護局(EPA)が2020年10月に発表した海洋ごみ対策の計画では、アジアの5カ国が名指しされた。毎年、海に流出しているプラスチックごみの半分以上が、中国、インドネシア、フィリピン、タイ、ベトナムからのものだというのだ。
「米国には世界で最も美しい砂浜や海、そして素晴らしい海岸線があります」。計画書の最初のページには、トランプ氏の言葉が大きな文字で印刷されている。「私はこれからも大統領として、我が国の海を他国のごみの埋め立て地にさせないよう、できる限りのことをします」
科学者たちによれば、この表現には問題がある。プラスチック問題の複雑さを歪曲(わいきょく)しているうえ、海洋ごみはアジアの問題であるという米国の独りよがりな認識を広めることにつながるからだ。
一方、10月30日付けで学術誌「Science Advances」に掲載された論文は、プラスチック消費国としての米国のあり方を改めて検証、廃棄物の管理について米国はまだまだやるべきことがあると結論付けている。
論文によると、プラスチックの生産量では確かに中国が最大だが、排出量では米国が4200万トン(2016年)と圧倒的に最大だ。さらに、沿岸部で適正に処理されず廃棄されるプラスチックごみの量においても、世界で3番目に多いと推定している。
米国はプラスチックごみの90%を埋め立てたり焼却しており、リサイクルしているのは10%に達しない。そしてリサイクル可能なプラスチックごみの半分を、30年もの間、海外に輸出してきた。輸出先は中国のほか、ごみ処理のためのインフラが整っていない発展途上国だったが、2018年に中国が国内の環境問題改善のために廃プラスチックの輸入を禁止したことで、輸出量は大幅に縮小した。
問題の国際的解決を目指すうえで、他国を「名指しで非難」しても世界の団結に役立ったことはない。それが今回の研究を実施した理由の一つだと著者らは語る。
「考えてもみてください。私たちの国(米国)は沿岸部に大きな人口を抱えています。私たちは大量消費者であり、それには責任が伴います。アジア諸国に海への投棄をやめさせれば問題はすべて解決するという、ばかげた考えからは抜け出さなければなりません」と話すのは、論文の共著者であるテッド・シーグラー氏だ。経済学者であり、米国の環境コンサルティング会社、DSMエンバイロンメンタル・サービスの共同経営者でもある。
米国のプラスチックごみに関する分析は、上記の研究だけではない。米科学アカデミーは、米国が海洋プラスチックごみ問題をどれだけ悪化させているかを調査中で、2020年10月に調査に関する初の公開会議を開催した。会議中、海洋ごみプログラムの主任科学者エイミー・アーリン氏は、「これは東南アジアだけの問題ではありません」と聴衆に語った。
海洋プラスチックごみはアジア諸国の問題だという認識が広まったのは2015年。皮肉なことに、今回の論文と同じ著者たちが、国際的な海洋プラスチックごみ問題に関する初の総合的な分析を同年2月13日付けで学術誌「Science」に発表してからのことだった。論文では、192の沿岸国に関する世界銀行のデータに基づき、毎年平均800万トンのプラスチックごみが沿岸部から海に流出しているとの結論が出された。それ以来、この数字が指標として大きく広まることになった。
2015年の論文では、海洋プラスチックごみの排出量が多い国トップ20のランキングが掲載され、これもまた広く知られることになった。上位5カ国は中国、インドネシア、フィリピン、ベトナム、タイ。米国は20位だったが、ランキング入りした唯一の富裕国だった。
確かに、巨大な人口を抱え、中間層が増え、消費が伸び続け、ごみ処理のためのまともなインフラを持たないアジアやアフリカの発展途上国が、国際的な海洋ごみ問題の主な原因になっていることは事実だ。
しかしデイブ・フォード氏は、アジアのせいにしても問題解決には役に立たないと考える。氏は2019年、大企業や環境団体がともにプラスチックごみ問題に取り組むためのリーダーシップネットワーク「ソウルバッファロー」を立ち上げた。
「世界の有力な70の企業や団体と25のブランドが参加しています」とフォード氏は言う。「各業界をリードする大企業とも常に対話をしています。しかし、これまでに少なくとも12の米国企業から、これは主にアジアの問題だから参加する意義がよくわからない、と言われました」
米環境保護団体、ピュー慈善財団の科学者ウィニー・ラウ氏は今回「Science Advances」誌に掲載された論文について、「米国のような高所得国が、どれほど国際的な海洋プラスチック汚染問題の原因になっているかを明らかにしてくれています」と評する。同財団は7月に公開した報告書で、世界が直ちにプラスチックの消費を減らし、プラスチックごみの管理を向上させなければ、2040年までに海洋プラスチックごみは倍増すると予測している。
今回の研究では、米国におけるプラスチックごみの不法投棄分や輸出分についても調べられた。「米国について調査することが主な目的でした」と、論文の筆頭著者で、米マサチューセッツ州ウッズホールにある海洋教育協会(SEA)の海洋学者カーラ・ラベンダー・ロー氏は述べる。今回こうした排出が考慮されたのは米国のみで、その他の国についてはデータに一貫性がなかったか、そもそもデータが存在しなかった。
一方、途上国での状況改善も明らかになった。2015年の論文では2010年のデータが使用されたが、当時ごみを適正に処理できていないとされた途上国の多くが、その後はごみの管理やインフラ整備を進めていることがわかった。例の5カ国もそうだ。例えば中国では、ごみの発生量が60%、適正に処理されないごみの量が51%削減されたという。
今回の論文では2016年のデータが使用された。分析の結果、米国で発生するプラスチックごみの最大3%が、環境中にポイ捨てされるか不法投棄されていたと判明した。3%というと少ないように聞こえるかもしれないが、重さは最大125万トンに相当する。
米国でリサイクル用に収集された391万トンのプラスチックごみのうち、半分以上が船で海外に輸出されていたこともわかった。そのうち88%は、ごみを適正に管理する設備が不足している国々に運ばれていた。そこから、米国が輸出するプラスチックごみのうち最大99万トンが、米国の外で環境を汚染していると推測された。
化学品製造業の業界団体である米化学工業協会は、2016年の数字を用いたことに異議を唱える。プラスチックごみをめぐる近年の大きな変化が反映されていないからだ。中国がプラスチックごみの輸入を禁止した2018年以降、米国のプラスチックごみの輸出は66%減少している。国連もまた、バーゼル条約を通してプラスチックごみの取引を規制しようと取り組んでいる。ただし米国はこの条約を批准していない。
今回の論文の著者らによれば、プラスチックごみ取引のあり方は大きく変わったものの、米国がこれほど多量のごみを輸出してきた根本的な理由は変わっていない。つまり米国ではリサイクルが今もうまく機能していないからであり、そのための仕組みを構築することは喫緊の課題なのだ。米科学アカデミーの10月の会議でも同様に指摘された。
論文によると、不法投棄や輸出分を加えれば、米国は2016年に最大で224万トンのプラスチックごみを環境中に排出したと推定できる。そのうち150万トンが沿岸部、つまり海洋中に流れ出す可能性が非常に高い場所に排出された。
224万トンと言うと、ホワイトハウスの芝生を埋め尽くしてエンパイアステートビルの高さまで積み上がるほどの量だと、米ジョージア大学の環境工学教授で論文著者の一人であるジェナ・ジャムベック氏は話す。
これは、発展途上国全体から海へ流れ出すごみの量に比べれば小さいが、ロー氏は別の見方を提示する。2016年時点で世界人口の4%を占めていたに過ぎない米国人が、全プラスチックごみの17%を排出していたという。氏によれば、今回の研究から言えることはシンプルだ。「自分たちの出すプラスチックごみが、自分たちの国でどう扱われているのかという点に目を向けるべきです」