障害年金の対象者とは? いくらもらえるかなど金額や制度について解説
障害年金は、病気やけがで生活や仕事をすることが難しくなった場合に、現役の世代でも受け取れる年金のことです。この記事では、どんな人が障害年金の受給対象になるのか、いくらもらえるのかなど金額や制度について詳しく解説します。
障害年金とは
障害年金とは、病気やけがで生活や仕事をすることが難しくなった場合に、現役世代も受け取れる年金です。障害年金には、「障害基礎年金」「障害厚生年金」「障害共済年金」の3種類があります。 障害の原因となった病気やけがの初診日が、3種類のどの年金制度に加入していたかによって、受け取れる年金が変わります。 支給の対象者は、目や耳、手足などに障害がある人、がんや糖尿病、心疾患、呼吸器疾患などの内部疾患による、だるさやしびれ、痛み、貧血などの内部障害により、長期療養が必要な人です。障害手帳を持っていない人でも、障害年金を受け取れる場合があります。
◆障害基礎年金 障害の原因となった病気やケガの初診日が、国民年金の加入している間で、20歳未満、60歳以上65歳未満でも日本国内に住んでいる間に初診日があれば受給の対象です。 申請したときに、障害の状況が、国民年金法施行令別表の障害等級表1級か2級に該当していれば受給できます。
◆障害厚生年金 障害の原因となった病気やけがの初診日が、厚生年金の被保険者である間、支給の対象です。同時に国民年金の被保険者にもなるため、障害等級が1級か2級であれば、障害基礎年金も受け取れます。 申請した時に、障害の状況が、国民年金法施行令別表の障害等級表1級か2級、または厚生年金保険法施行令別表第1の3級、どちらかに該当していれば受給できます。
◆障害共済年金 障害の原因となった病気やケガの初診日が、組合員である間で、3級以上の障害等級に該当する障害になったとき支給の対象です。同時に、国民年金の被保険者にもなるため、障害等級が1級か2級であれば、障害基礎年金も受け取れます。 以前は、組合員として在職中は、障害共済年金は原則として支給がストップされていましたが、平成27年10月より在職中でも受給できるようになりました。
※2015年10月より、共済年金は廃止され厚生年金に統一されています。現在、公務員の方は厚生年金に加入することとなります。
障害の状態によって障害等級が分かれます
国民年金法施行令および厚生年金保険法施行令に基づき、障害の状態によって障害等級が分かれます。 1級に該当するのは、身の回りのことを頑張ってやればできるが、それ以上の活動はできない(または行うことを制限されている)状態。入院や在宅介護が必要で、活動できる範囲がベッドの周辺に限られるような障害です。 2級に該当するのは、周りに助けを借りる必要はなくても、日常生活や仕事をすることが難しい状態。活動の範囲が、病院内・家屋内に限られる障害です。 3級に該当するのは、日常生活にはほとんど支障はないが、仕事については制限がある状態です。
◆障害基礎年金の金額は? 障害基礎年金は、障害等級によって受け取れる金額が変わります。1級だと、97万7125円で、2級は、78万1700円となっています(2020年4月からの年金額)。 ちなみに、18歳到達年度末(高校卒業時)までの子どもがいるときは、子の加算が付きます。ただし、条件があり、子どもが一定の年収基準を満たしていることです。
◆障害厚生年金の金額は? 障害厚生年金は、人によって金額が違います。平均標準報酬額や厚生年金保険に、加入していた期間などによって年金額が変わるからです。 1級ならば、障害基礎年金の分(97万7125円)と報酬比例の年金×1.25+配偶者加給年金 2級ならば、障害基礎年金の分(78万1700円)と報酬比例の年金+配偶者加給年金 3級ならば、報酬比例の年金(最低保証58万6300円) (2020年4月からの年金額)
仕事をしていると障害年金の金額はどうなる?
仕事をしている場合に受けることができる障害年金は、障害の原因となった病気やけがが、20歳前によるものだと所得制限がかかります。前年の所得が、一定の額をオーバーしたら、年金額の2分の1相当額が支給ストップします。さらには、その上の一定額をオーバーすると、全額が支給ストップします。 20歳を超えてからの障害基礎年金には、所得制限はありません。障害厚生年金にも、所得制限はありません。
障害年金は本人からの申請が必要です
年金と聞くと、老後に受け取れるイメージがありますが、現役世代でも、病気やケガなどで障害を持ったときには、障害年金を受け取れます。受け取るには、本人(本人が難しい場合は、家族でも可能)からの申請手続きが必要ですので、忘れずに申請しましょう。