死者116人、被災者支援焦点 大半が建物倒壊の犠牲 トルコ沖地震
トルコ、ギリシャ沖合のエーゲ海で10月30日に発生したマグニチュード(M)7.0の地震から6日で1週間。
がれきの中から3歳の女児が91時間ぶりに救出された。トルコのテレビには、救助されて笑顔を見せる元気そうな姿が映し出された。
女児はアイダ・ゲズギンちゃん。救助隊によると、捜索活動中にがれきの下から声が聞こえ、隊員が「名前は」と聞くと「アイダです」と返答。がれきをかき分けて姿を見つけると、アイダちゃんは手を振って応じ、「アイラン(トルコのヨーグルト飲料)と水が欲しい」と訴えたという。
がれきに閉じ込められた人の生存率は地震発生後72時間たつと著しく低下するとされる。アイダちゃんはこれを大きく上回る時間を耐えたことになり、トルコの人々は救出劇を「奇跡だ」と称賛している。
建物の倒壊現場ではこれまでにがれきの中から100人以上の生存者が発見され、2日にも別の3歳女児が65時間ぶりに助け出されるなどしていた。
トルコ西部イズミルを中心に大きな被害が出て、これまでに両国合わせて116人の死亡が確認され、1000人以上が負傷した。
多数の人々が家を失って避難所生活を余儀なくされており、被災者支援が今後の焦点となる。
トルコのクルム環境・都市計画相は5日の声明で、地震により「大破ないし崩壊した建物は231棟ある」と表明した。この中には多くの集合住宅が含まれ、トルコでの死者114人のうち少なくとも110人は「がれきの中から遺体で見つかった」(エルドアン大統領)という。
イズミル沿岸部では津波による浸水被害も起き、1人がおぼれて死亡した。 一方、救助隊の懸命の活動により、3日までに2人の3歳女児を含む107人ががれきの中から救出された。捜索活動は4日に打ち切られた。