土星の衛星に生命の兆候
米仏の天文学者らは土星の衛星にメタンガスを発している謎の源を発見した。これは土星の第2衛星エンケラドゥスの凍った地表の下にある海洋の水中に隠れており、生命体がガスの源である可能性が指摘されている。この発見はネイチャー・アストロノミー誌に発表された。
エンケラドゥスの表面から湧き出す、巨大な水性の帯の中を宇宙機器カッシーニが潜り抜けた際に、高濃度のなんらかの分子を検出した。これらの分子には特に二水素、メタン、二酸化炭素が含まれており、地球の海洋の底の熱水循環に対応している。しかもメタンの濃度が予想外に高いことから、これが生物の活動の痕跡である可能性がでてきた。研究者らはメタン分子を用いた中で、観測した状況は生命体の活動か、もしくは地球上では見られない化学反応のプロセスであることを発見した。
更なる分析の結果、メタンが非生物のみを源とするものという仮説では、観測された濃度は説明できないことがわかった。このことから、エンケラドスに生命体が存在する説は信憑性が低いものとして除外することはできない。