男子66キロ級 阿部一二三 金メダル!妹・詩と史上初兄妹で同日優勝!
◆東京五輪 柔道男子66キロ級(25日・日本武道館) 25日、東京五輪の柔道2日目は、男子66キロ級阿部一二三(パーク24)がマルグベラシュビリ(ジョージア)を決勝で下し、金メダルを獲得。 女子52キロ級で金メダルを獲得した妹の詩(日体大)とともに史上初となる兄妹同日優勝となった。
試合後インタビュー
試合後には「ありがとうございます。まずこのような状況で五輪が開催されたたくさんの人のおかげでこのオリンピック開催にたどり着いて畳の上ではガッツポーズとか笑顔は、と思ってたんですけど、いろんなこと考えると、たくさんの想いがこみ上げてきました。2019の世界選手権で敗れて今日も決勝戦妹が先に金メダルを取って、でも僕には燃えたというか絶対にやってやるっていう。プレッシャーとかはなかったです。 今日は落ち着いて冷静に自分の柔道ができてしっかり前に出て一本を取りに行く柔道を出せたので、よかったのかなと思います。 今日はワンチャンスをものにするしかないと思って戦っていたので今日はワンチャンスをものにできたのかなと思います。(妹・詩が会場で応援)見えていなかったです。歴史に名を刻めたというか歴史を変えれたというか塗り替えれたと思います。 (ウォーミングアップ会場で詩の存在)気にはなっていたんですけど、喋ったりはなくて決勝の前は一言だけ声をかけました。「頑張って」って。頷いていました。 このようなすごく大変な時期でオリンピック開催をして僕たち選手はありがたいですし僕自身初めてオリンピックで金メダルとれて兄弟で同日金メダル取れたのは自分一人じゃなく支えてもらっている周りの方々、いつも応援してもらっているたくさんの人がいるからだと思うのでこれからもオリンピックチャンピオンに恥じないように頑張っていくのでこれからも応援よろしくお願いします」と話した。
柔道女子52キロ級で阿部詩(うた、日体大)が金メダルを獲得した。初出場の阿部は初戦から順調に勝ち上がり、決勝ではアマンディーヌ・ブシャール(フランス)に延長の末、一本で勝ち、この階級では日本柔道初となる金メダルをもたらした。男子66キロ級の兄・一二三(パーク24)も金メダルを獲得し、兄妹五輪同日金メダルを決めた。性別の異なる日本のきょうだいが五輪のメダルを獲得するの初めて。 【写真】兄妹の2ショット 世界でその力を見せた詩。だが、決して順風満帆ではなかった。2016年8月、高1の全国高校総体で、優勝候補と言われながら1回戦でまさかの反則負け。「柔道人生で初めて一回戦負け」だった。詩は優勝候補に挙げられるほどの力はなかったという。「お兄ちゃんが凄いから、その妹ということで…」。その時、初めて試合をするのがイヤだと感じた。「今までやってきたことが全て間違いだったと思った」。そんな詩に、一二三が電話をかけてきて「こんな負けで落ち込むな。次に頑張ればいい。まだチャンスがあるんだから」などと励ましてくれた。当時、一二三はリオデジャネイロ五輪代表の座を逃しており、どん底の状態だった。そういう状況でも妹を思いやる兄の言葉だからこそ「すごい心に響きました。自分はつらいのに…。心の持ちようが180度くらい変わった」。それまでは確かに、おごりみたいなものもあった。しかし、以降は市大会でも全国大会でも、常に同じ気持ちを持って臨めるようになった。 世界選手権連覇で世界に敵なしの勢いだった19年秋にも“落とし穴”があった。11月のGS大阪大会決勝で、この日決勝で対戦したブシャールの変則的な組み手に翻弄され、延長で敗れて2位。16年12月にシニアの国際大会でデビューして以来、海外勢に49試合目で喫した初めての黒星に「神様からの試練」と人目もはばからずに号泣した。それからの3か月は決勝の映像を何度も見返す毎日だった。「一人でどこかに身を置いてやるのが一番強くなれる」と出稽古を重ね、しっかりと襟と袖を持つ基本の形を見直したという。 昨年12月、一二三の五輪代表決定戦を両親と会場で見届けた。「今までで一番緊張しました。途中は見たくなくて目をつぶったり、下向いてる間に決まらないかなって願ったり…。試合中は全身震えが止まらなかった」。だが、兄は丸山城志郎(ミキハウス)との24分にわたる死闘を制した。「決まった瞬間、いろんな感情がバッと出てきて、結構泣いていた」という。「先を行っていた兄の背中をずっと追いかけてきたので、まさか私の方が先に五輪代表に決まることは考えてもいなかった。ずっと不思議な感情で、私が決まった時も素直に喜べなかった」という詩。晴れて兄妹が五輪初出場を決めたが、日本初の兄妹同日出場の“オマケ”付き。詩は夏空のように、すっきりと晴れやかな気持ちで日本武道館の畳で躍動した。
感動をありがと~
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