閑静な住宅街の大きな家。豪邸といってもいいくらい。腐乱死体は離れの小部屋にあった。
依頼者は故人の夫。広い敷地内の大きな家で、家庭内別居でもしていたのだろうか、妻が腐乱死体で発見されるまで異変に気づかなかったなんて。
依頼者はとにかく近隣への世間体を気にしていた。私が行ったときは、まだ妻の死を近所には知らせていないようだった。とにかく「近隣へ悪臭が漏れないように。」「清掃業者が入って作業していることを気づかれないように。」ということを重々念押しされて作業。
したがって、いつも使っている業務用車輌ではなく自家用車風の車で、機材の持ち運びも回りの目を気にしながらコソコソと。ユニフォームもスーツにネクタイ姿での作業になった。非常にやりにくかったし、自前のスーツに腐敗臭と腐敗液が付着するなんて我慢ならなかった。それでも、依頼者のたっての願いだから仕方がない。
更には、悪臭が外に漏れるのを防ぐために、戸や窓も締め切ったまま。
鼻が壊れそうになりながら、密室で清掃作業をすすめた。身体はもちろん、自前のスーツもタップリ腐敗臭が付着して、悲しかった。
決して高いブランドスーツではないけど、量販店で数万円するスーツだ。まさか、
この特殊清掃作業で着ることになるとは・・・
料金にスーツ代もプラスすればよかった。
トラックバック 2006/05/27 投稿分より
葬儀屋は腐乱死体の現場へもたいていスーツでお伺いします。あの臭いってどうしてあんなに強力にしみつくんでしょう??
帰宅して風呂へ入ってまだ臭うなあ??と思ってたら、なんと鼻毛(鼻腔?)についた臭いでした。鼻の中を洗ったら取れました(笑)
ご苦労の多い業ですね。
作業で回収された汚染物は医療廃棄物になるのでしょうか!?死亡診断がついた後、埋火葬許可が出る流れだと思いますが、そういった所でどうでもいいようなトラブルに巻き込まれたことはないですか!?いやはや、頭の下がる思いです・・!
本日も現場が発生しており、隊長は出動していますので私が変わりにお答えします。。
作業着の消毒についてですが・・・
エンゼルケア事業部(遺体処置・湯灌)と特殊清掃事業部の作業着・制服は、提携しているクリーニング会社で消毒していただいています。
ただし、靴下や軍手・手袋・マスク・ゴーグルなどについては、すべて1度の使用で処分しています。
一体どのくらぃ臭ぃニォィがつくのか気になる?
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