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クリエイト速読スクールブログ
なおしのお薦め本(52)『マンガ落語大全 笑う門には福きたる』
本日29日火曜日、教室はお休みになります
クリエイト速読スクール文演第1期生の小川なおしさんから、お薦め本が届いています。
創作ができなくて落語のネタを拝借したのか、と失礼なことを思ったのですが、違いました。著者は小学生時代から「ラジオから流れる落語を必死で暗記して」、「六年生のときには、週一、月曜日の一時間目に一年生の教室に出かけ、自作の落語を演じ」たそうです。
この本には、22話の古典落語のマンガ版に、それぞれに対する文章、31の小噺が載っています。もちろん、落語は噺家からじかに聴くのが一番です。でも、この本は、落語の話をうまく絵に変換しているので、存在価値があると思います。文章にもハッとさせられるところがありました。
それでは、ケチな旦那が登場する「味噌蔵」という話のあとの文章から引用します。
「こんな主人のところにいたら、たまらないなと思います。まくらに、この主人と同じタイプのケチ人間の小噺をやることもあります。
ある商店の主人、従業員に払うお金が惜しくてたまらない。そこで八人いた店員を四人にした。残った店員が一生懸命働くと、なんとかやっていける。それではというので二人にした。これまた必死で働くと、なんとかやっていける。それではというので二人をクビにして、奥さんと二人だけで一心不乱に働くと、これまたなんとかやっていける。これなら女房も必要ないというんで別れてしまった。たった一人になったが、死にものぐるいで働くと、これまたなんとかなってしまう。それならオレもひつようない、というんで自殺してしまったという話です。
自殺ではなくて、どっかへいってしまっただったか、とにかくケチというのは、最初はなんらかの目的があったものが、だんだんわからなくなるというところに恐ろしさがあります。ケチのためのケチになってしまうことですね。まあ、なんでも同じでしょうけれど」
リストラというのは最近の話とばかり思っていたのですが、そうでもないようです。そんなことがわかるということも落語の効用ですね。おもしろくてタメになる。
■参考記事
※もりぞう爺さんの話(上)
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