ヤスの雑草日記(ヤスの創る癒しの場)

私の人生の総括集です。みなさんと共有出来ることがあれば幸いです。

ワーキングプアーという現実

2006-12-23 23:05:32 | Weblog
戦後最大の景気の良さだという。しかし、その一方では貧富の格差がどんどん広がってきているのも事実だ。一日中働けども、何十円、何百円の世界の生活実感しかもてない層の人々が確実に、この日本に数えきれないほど存在するのである。これが日本という国の現実であり、欺瞞である。こういう欺瞞は今に始まったことではないのです。
思い出せば、僕の幼い頃、小学校に上がる前のことでした。昔のことだから仕方がないですって? いやいや、あの頃だって経済格差は確実に存在していたのです。人間というのは、自分の境遇が何とかうまく廻っている間は、他人の貧困のことなんか考えないのです。政府の役人や政治家など、まず実感はないでしょう。彼らはみんな、特に自民党の二世ボンボンたちの政治家たちに、貧しい方々を救うために、何じゃ、かんじゃ、と語られると、僕なんかはもうその時点でキレる。僕だってそうですよ。人間なんてええかげんなもので、教師時代は年間1000万円以上の給与をもらっていたし、いまも勤めていたら、もっともらっていたでしょう。そんな時代に、貧しい(自分も極貧の時代があったくせに)人々などのことが考えられる余地が頭の中を掠めさえしないのですよ!
もし景気が統計上良くなっているとするなら、それは偏ったところにお金が廻っているに違いないのです。こんなことが起きないための社会主義や共産主義国家の夢が実現されると思っていたのに、結局人間って、お金を独り占めにしたい性癖は、治らないらしいのです。ロシアも中国も北朝鮮も、一部の政治的エリートかマフィア連中のお金の独占場に成り下がってしまっています。もう人類の夢も終わりの感がありますね。怠けていてお金が入らないのではないのです。真面目に働いてもどんどん収入が減っていく人々がいるのです。小さな子どもを抱えている母親たちに対する母子家庭の児童扶養手当が4年後には半分に減るというし、老人保険料もずいぶんと上がってしまいました。政府は貧しいところからまず経費を削減します。自分たちは数百万のうちの十万円某かの金を国に返還して、ご満悦状態なのです。それも殆どは金など国から支給されなくても十分にやっていける二世議員たちだから出来ること。何の痛みも感じていないのです。カリフォルニアのアーノルド・シュワルツネッガー知事を見よ! 彼は自分でアメリカンドリームを実現できた幸運を、今度は民衆に返しているではないか! 彼は無給の州知事ですよ。日本人もいい加減に人の良いフリをしていてはならないのです。もっと怒るべきときなのであります!
僕は極貧の時代に入るとどのような心境に人間は陥るのかよく知っています。斜陽して神戸に逃げてきたとき、母親が勤めたのは、阪神大震災で殆どが丸焼けになった靴工場の一つでした。もう何十年も前のことですが、そこで働く人たちは、自分たちが貧しい、という思考を失ってしまっているのです。諦めから人柄がまるく削られてしまうようなのです。僕は一日中、幼稚園拒否児童だったから、母親の側について、ゴムの強い匂いを嗅ぎながら、母親の仕事が終わるのを辛抱強く待っていました。お金がないと、人間は自分が本来惨めであることすら忘れて、働ける場を何とか探そうとするのです。それも根気よく、です。
一方に有り余るほどの金持ちがいて、一方にお金がなくて、明日をも知れぬ人々がいるような社会は無価値である、と僕は思っています。政治家なんて信用してはいけないし、それに反対しているような政党も信用してはいけないのです。反対者だってちゃんとした生活を党から保障されていることが殆どなのですから。政治参加はせいぜい眉に唾をつけてやってください。騙されますよ。気をつけないと。
いま、僕だってある意味、ワーキングプアーの一人です。クライアントから頂くカウンセリング料は有り難いですが、クライアントが入らない日だってあるわけです。その日は収入は当然ゼロでなのです。自宅兼用のマンションで開業しているから何とかやっていけるのであって、これが、どこかのビルの一室を借りて家賃やら何やらと支払っていればたちまち生活が立ち行かなくて閉鎖です。いまだって実際は立ち行かないのです。妻が働いて何とか食っているに過ぎないのです。これは、一見すれば分からないでしょうが、確かなワーキングプアーの一人ということにりはしないでしょうか。政府よ、これ以上、先行きの見えない人々をつくるな! 僕は今日は本当に怒っているのです。

〇推薦図書「「中流」の幻想」岸本重陳著。講談社文庫。ずいぶん前に日本人総中流思想が流行った時代に書かれた本ですが、いまでも通用する思想性に溢れています。日本人よ。もう騙されるな、という想いでいっぱいなのです。

二人の対照的な女性クライアントのこと

2006-12-23 00:09:09 | Weblog
まずは、すばらしい女性クライアントのことから話を始めるのが自然であろう。この女性は、クライアントとして最初は来られたが、いまやクライアントではなく、カウンセラーの僕の受容力を高めに来てくださる方である。月1回の割合でみえる。この女性は僕より4歳年上である。ある弁護士事務所に勤めている女性だが、最初は弁護士のご自分に対する扱いや、お嬢さんの教育の問題で少し弱気ではあった。
しかし、この女性の素晴らしさ、というか、人間的な受容力の大きさといおうか、僕のちょっとした言葉やアドバイスで、全てを諒解してしまうのである。だから、この女性は僕のちょっとした言葉も自分の力に変えてしまう人間的な器の大きさがある。すばらしい能力の持ち主なのである。問題の弁護士の態度や姿勢までも変えてしまったし、お嬢さんの自立にも大きな力を発揮したのである。またご主人の潜在的な能力も引き出してみせた。若い頃にご苦労された女性だが、その苦労をご自分の力に変換してしまう能力がある女性なのである。必ずや、この女性クライアント(とは呼べない存在なのだ)は、今後の生き方においても僕などがついて行けないほどの次元の高い生き方をしていかれるはずである。ご家庭もこの人を中心に廻っているし、また他者の面倒みの良さでも群を抜いている。こんな女性がいる限りこの国は安泰であろう、と僕は思っている。そして、こういう人はやることが粋なのである。僕のところのカウンセリングの料金は税込みで7350円なのだが、この女性は必ず、きっちりと8000円置いて帰られる。お金の大小の問題ではなく、なにせ粋なことをなさる方なのである。僕はこういう人がとても好きである。勿論、こういう人は誰からも当てにされるだろうから、たいへんだろうなあ、といつも頭が下がる想いなのである。こういう人の人生観を真似るべきなのである。そうすればまず不幸になることはない、と僕は確信している。だから、僕はこの人が訪ねて来てくださるのをいつも心待ちにしているのである。お会いするのがとても楽しみなのである。お金を頂いているのが心苦しいくらいの、尊敬に値する女性である。もうすこし僕もこの女性の生き方を現実生活に生かさなければ、といつも思っているのである。ありがたい人である。お金はいらないから、ずっとお付き合いできればよい、と思っている人として、僕は認識している。たぶんこの人と関わっていれば幸せになれるだろう、とも思う。僕の模範である。
さて、あまりぱっとしないクライアントの女性の話に入る。この女性は僕よりずっと年齢は下だが、前記した女性とは異なる苦労を若い頃にされた方である。しかし、同じように苦労しても、その辛さを自分の栄養に出来る人もいれば、この、かつてのクライアントのように、自己の過去の辛さを他者に依存することで済ませてしまう人もいる。しかしよく考えてみれば、この人には過去からずっと常に異性関係の影がついて廻っていたのである。
ただ、この人にもすばらしい才能があるので、カウンセリングではこの人の眠っていた才能を少しずつ掘り起こしていった。そして、やっとそれに気づいたと思ったら、今度はそこから逃げ出したのである。この人の特徴は依存体質である。特に男性に対する依存度が高い。出会い系サイトで知り合った男性と肉体関係をすぐに持ってしまう。そういうところに逃げるから、この人にはパニック障害がついて廻る。勿論ご主人ともうまくいかない。そして、いつも不安なのである。考えるまでもなく、この人からパニック障害が抜けないのは、いつも自分の人生から逃げているからである。自分の才能を再び開花させることからも逃げているので、いつまで経っても男性依存が抜けない。僕がかつて3万円を元手に、家内から、出会わないという約束で、幾つかの出会い系サイトに登録したのも、この人の内面を現実にみるためだった。しかし、あんなところに本当の愛もなければ、例えば肉体関係を持ったとしても心が貧しくなるばかりであろう、というのが、僕の結論だった。が、彼女はそこから抜けきれずに、自分の才能を開花させることからも逃げて、今度は男性のカウンセラーには分かってもらえない、と言って僕のもとを去った。たぶん女性のカウンセラーに罹ってもこの人はもっとつらい想いをするはずである。すでになすべき課題を発見しているのに、それを放棄して今度は女性カウンセラーに頼るのである。この人のなすべき課題を発見するまで、また時間とお金がかかるのは目に見えているし、たぶん、この女性はずっと子育てもうまくいかず、家庭にいても落ち着かず、生きている限り悩み、男性に依存し続けることになるだろう。こういう生き方はしてはいけない。救われないからである。そしていつまでも不安感から逃れられないのである。僕はこんな生き方はしたくはない。

〇推薦図書「ギャンブル依存症」田辺 等著。NHK出版 生活人新書。ここに書かれているのはギャンブルに関してですが、ギャンブルをいろいろな言葉に置き換えて依存症の意味を探るには有効な本です。一読を勧めます。