【霊告月記】第五回 保田與重郎「みやらびあはれ」誕生秘話
発端:1925年(大正14年)6月。雑誌『新潮』に芥川龍之介が「みやらびあはれ」の歌を掲載した。
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佐藤惣之助君に貰つた「琉球諸島風物詩集」によれば、琉球語に娘子を「みやらび」と言ふさうである。「みやらび」と言ふ言葉は美しい。即ち禮状のはしに「みやらび」の歌一首を書いて送つた。何でもこの「みやらび」どもはしんとんとろりと佐藤君に見とれたやうに聞き及んでゐる。
空にみつ大和扇をかざしつつ來よとつげけん「みやらび」あはれ
(『澄江堂雜詠』の三「みやらび」より)
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当時中学生の保田與重郎はこの歌を読んで鮮烈な印象を受けた。この歌と作者の名前の不完全な記憶が後に保田與重郎の最高傑作「みやらびあはれ」を生むことになる。
佐藤惣之助の「琉球諸島風物詩集」は、近代デジタルライブラリィで閲覧することができる。 ( http://kindai.da.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/977897 )
この詩集の中「乙女座の下で(11頁)」の詩の冒頭には、次のような八重山民謡が、エピグラムとして掲げられている。
月の美(かい)しや、十日三日、乙女(みやらび)美(かい)しゃ、とうななち、ほういちょうか。
この歌はどんな旋律で歌われるのだろうか。歌詞をウィキペディアで、歌をユーチューブで検索してみた。
◆月ぬ美しゃ◆
月ぬ美しゃ 十日三日
みやらびかいしゃ とおななつ
ほーいちょーが
東から上がりょる 大月ぬ夜
沖縄ん八重山ん 照ぃらしょうり
ほーいちょーが
あんだぎなーぬ 月ぬ夜
我がげら 遊びょうら
ほーいちょーが
寺ぬ大札んが 絹花
黄金花 咲かりょうり
ほーいちょーが
( http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%9C%88%E3%81%AC%E7%BE%8E%E3%81%97%E3%82%83 )
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