【霊告月記】第三十五回 「事件」としての子安思想史 ナ・オットッケ
★多様体のアジアを招来するための序曲 t-ara の ナ・オットッケ★
思想史家の子安宣邦氏の主宰する市民講座に昨年の12月より通っている。子安氏の講義には毎回熱心な聴講者が20名ほど参加。休憩時間を含めて2時間半ほどの白熱の講義がなされる。講義の後には近くの飲み屋で懇親会が催され、その懇親会にも毎回私は参加している。 この9月には水戸学に関する講義と徂徠の『弁名』に関する講義が予定されている。楽しみの限りだ。
子安氏は、その講義にあたり毎回講義内容の原稿を準備し参加者に配布している。事前に講義内容の原稿は準備されているのだが、その講義に入るにあたっての前置きの話が毎回素晴らしい。思想史家としての50年の研究を踏まえて、大きなパースペクティヴで、その日の講義内容の意義づけを語ってくれるのである。この原稿内容の講義に入る前の枕の話はいつも圧巻である。子安氏の躰が巨人に見えてしまうような錯覚におちいってしまうほどである。
それに次いで用意された講義原稿の内容についての詳細な解説に入っていく。この導入部分の解説も詳細を極めるものである。それによって講義参加者は準備された講義原稿の意義内容について完璧に理解できるのである。ところが枕の話と原稿の導入部分の話が長いため、講義はいつも後の方が駆け足になってしまうことが多い。しかしその講義原稿は明晰で条理を尽くしたものであり、後で読み返してみて子安思想史学の奥行きの深さを知って愕然とすることしばしばなのである。
このような子安氏の講義の体験を、私は【「事件」としての子安思想史】と名づけたいと思っているが、いかがであろうか。私の意図を理解して頂くために、以下の動画をリンクしておく。では、子安思想史の醍醐味、とくと御覧じあれ。
★子安宣邦氏の台湾・中央研究院・講演 ( 2015年 3月24日)★
※参考※⇒ 「日本思想史の成立」について ー「台湾思想史」を考えるに当たって 子安宣邦 (子安氏解説:本稿は「台湾思想史」の成立という問題を考えるに当たって、「日本思想史の成立」ということについて語って欲しいという要望を受けて、台湾の中央研究院台湾史研究所で3月24日になされた講演の原稿である)
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