古文書に親しむ

古文書の初歩の学習

第十二章 乍恐奉願口上・その七十四数度

2012年11月02日 07時15分53秒 | 古文書の初歩

 

乍恐奉願口上第十七ページ、上の画像の一行目二行目

 

解読 数度催促ニ罷越候得共段々不仕合ニ而金子手元

   聊も無之且干鰯も爾今賣捌不申故尚五月晦日

読み 数度催促に罷り越し候得共段々不仕合わせにて金子手元に

聊かもこれ無く且つ干鰯も爾今売り捌き申さざる故尚五月晦日

 

解説 「数度催促ニ」の次は「罷越」・・・難しい字ですが、何度も出ています。 続いて「候得共」・・・慣用句で「そうらえども」。 「段々」・・・これは形から推定は出来ない字です。回数で覚える。 「不仕合ニ而」・・・不仕合わせにて。「不幸せ」と同じ。不運な事。うまく行かない事。 「金子」の次は消えていますが、見える形から先生は「手元」と読まれました。「手元に」。 二行目最初は「聊も」・・・『いささかも』。 「無之」・・・これ無く。 「尓今」・・・『じこん』その後。今より後。「爾今」の略字です。画数は少ないが、最も難しい崩し字です。 「不申故」・・・申さざる故。 次は「尚」。 次ぎも難解です。「五月晦日」・・・五月末日。「五」の崩し方に注意。