乍恐奉願口上第十九ページ、上の画像の九~十行目
解読 弐拾五ケ年賦ニ致呉候様宜御取扱被為成下候様
幾重ニも奉歎願上候。下モ辺へ商内向之儀ハ
読み 二十五ヶ年賦に致し呉れ候様、宜しくお取り扱い成しくだせられ候様
幾重にも奉歎願い上げ候。下も辺へ商い向きの儀は
解説 「年賦」の「賦」は教えて貰わなければ読めない文字です。年一回の分割返済のこと。 「致呉」の下に「候」が有り、「様」と続きます。 次の「右」の様な字は「宜」です。一字で「宜しく」と読みます。 次は「御」で「御取扱」。 続いて難しいですが、「被為成下候様」と書いています。「被」は・・・られ、「為」は「させ」、「成下」は「成し下す」で「成し下せられ」。 「下」と「様」の間に「候」が有ります。 「奉歎願上」・・・「奉歎願い上げ」か、「歎き願い上げ奉り」か、「奉」の次を「歎」と読む事で、文意がよく分かりません。「歎」は「嘆」と同じ意味で「嘆く」と「感心する」の意味が有ります。 「上」の下は「候」。 「下モ辺」・・・『しもべ』は江戸方向です。ここでは田辺から東の方向で、串本や新宮方面の事。 「辺」の次の縦棒は、「之」や「候」ではなく、「どこそこへ」の「へ」です。 「商内」・・・「内」は間違ったのか、上からなぞっています。 「向」の次は「の」。