古文書に親しむ

古文書の初歩の学習

第十二章 乍恐奉願口上・その九十・銀子

2012年11月18日 07時22分09秒 | 古文書の初歩

 

乍恐奉願口上第二十ページ、上の画像の三~四行目

 

解読 銀子手廻り次第儀平方へ者不残勘定相立度

    存心ニ御座候間何卒厚御憐愍ヲ以宜御取扱

読み 銀子手廻り次第、儀平方へは残らず勘定相立てたき

    存心に御座候間、何卒厚き御憐愍を以て宜しくお取扱

 

解説 「銀子」・・・『ぎんす』。銀貨。現金。 「手廻り」・・・手元に来ること。 「次第」・・・「次」はこの様な形になります。形で覚える。 「儀平方へ者」・・・儀平方へは。 「不残」・・・下から返って「残らず」。「残」は何度出て来ても読み取り困難です。或る程度文章の流れから推定します。 「相立度」・・・「度」も「残」の様に難しい。 「存心」・・・「心」と読むのは困難です。私の崩し字辞典には見あたりません。東大の公開データベースには載っています。「存心」という熟語は無いので、この場合の意味は「存念」『思い』『気持ち』と解釈します。(決められた年賦金を支払いするだけでなく、働いてお金が手に入れば、手元に残さないで支払いしていく所存です。) 「御座」の次は「候間」『そうろうあいだ』。 「宜」は一字で『よろしく』。「古」のような字の下の横棒まで、縦に長くなっています。 最後は「御取扱」。